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第79話 護衛仲間

『ケントいつまで寝てるのよ!』


 結構激しくドンドンと戸が叩かれる音とアシアの声で目がさめた。


「ふあぁ、アシアか、ちと待ってくれ、今起きたからよ」


 まだ目を閉じたままだが返事を返すと。


『早くね! 朝ごはんの用意ができたって!』


 そんな返事が返ってきた。


 お腹に重みを感じながら目を開けてみると、やっぱりアンラが俺の腹を枕に寝ていた。


 胸の上にいるソラーレを持ち上げ、空いてる手でアンラの頭を支えながら起き上がり、アンラをずらして寝台に頭を下ろしておく。

 もちろんソラーレは肩に乗せておいた。


「ん? いつのまに寝台に移ったんだ?」


 寝る前の記憶ではソファーに座ってた記憶しかねえのに……。


 そんな事を考えながら寝台からおりて、グッと伸びをして、ソファーに置いてあるクロセルを背中に背負って気が付いた。


 服の腹のところがよだれで濡れてるぞ……ったくよ。


 部屋の扉のところにきて戸を開けるとそこにはアシア、エリス、プリムの三人と、冒険者なのか、腰にレイピアで、胸当ても装備した、俺達と歳が変わらん知らねえ二人が待っていた。


 二人とも金髪で、緩い癖っ毛を後ろで一まとめにしてる背の高い子と、頭の左右にまとめている背の低い子がいるんだが……誰? よく似てっから姉妹か?


「テルルちゃんとセレンちゃんだよ、村に返る時に護衛としてついてくるんだって」


「おはようみんな、それからテルルとセレンだな、王様にでも頼まれたんか? まあ村までの護衛ならしばらく一緒って事か、俺はケントだ、よろしくな」


 挨拶はこれで良いな、同じ冒険者みてえだし、村までだがアシア達とも仲良くしてもらいたいし、ってすでに仲は良さそうだな。


 俺より前に会って話でもしてたようだ、五人の距離が近い上に、手も繋ぎ合ってる。


 だが待てよテルルにセレンか……どっかで聞いたような気もするが……駄目だ、思い出せねえし、まあ良いだろ。


「はい、テルルです、よろしくお願いしますねケント」


「セレンよ、村までだけどよろしく、ケント、食事をしながら護衛の役割を決めたいのですが」


 二人は軽く会釈をしながら挨拶を返してくれた。


「おう、そうだな、帰りは俺達だけになりそうだしよ、移動時と夜営のとか決めておこうぜ」


 俺はちょっと待ってもらい、クローセをリュックに起こさないように入れてから背負い、アンラを……。


 起こして連れて行かねえといじけるよな。


 俺は横向きで丸くなって寝ているアンラの肩を優しく揺すってやる。


(あん、もうケントったら、いくら私が魅力的だって言っても……良いわよ、私も初めてだけど、優しくしてね……)


 寝ぼけてやがるな……まあ、朝飯の匂いを嗅げば起きっだろ。


 チラッと部屋の外を見て、こっちを見てない事を確かめてから素早くおんぶしてしまう。


(あっ、やだ……こんな格好……は、恥ずかしいけど、ケントなら良いよ……)


 どんな夢か知らねえが、まあ良いか。


 起きる気配の無いアンラを連れて、食堂にみんなで向かい、ってすぐ隣にあるんだが、扉は開け放たれていていい匂いが廊下にも漂ってきてる。


 腸詰めかベーコンが焼かれた匂いだと思うが、我慢する事もできず、腹が鳴りそう……鳴ったな。


 くぅ~、と鳴ったが誰も気が付かなかったようだ、それよりよだれが口の中に溢れ出したが、なんとか手の甲でぬぐい、食堂に入った。


 小ぢんまりした部屋の真ん中に丸いテーブルがあって、真っ白なテーブルクロスの上にはすでに籠に入ったパンが置かれ、まだ湯気が立ち上ぼり、焼きたてだと分かった。


 そして匂っていた予想通りの大きな腸詰めが一人三本ずつ乗った皿が置かれていた。


「ケントさん、中々美味しそうですね♪ ってケントさんよだれ垂れましたね、そんなにお腹空いてたのです?」


「何言ってんだプリム? よだれは垂れてねえぞ――っ! あっ……こ、これは」


 そういやアンラがよだれを垂らしてたんを忘れてた……まあ、しゃあねえか。


 俺は見えてるはずのプリムにだけ分かるように、さりげなくアンラを指差しておく。


「ど、どうやら気が付かねえ内に垂らしちまったようだな、は、はは」


 ちと、わざとらしく答えながら、プリムは俺が親指で差した寝てるアンラを見て『あぁ~』と小さく納得してかれたような小さな声をもらした。


「なーに、ケントは食いしん坊だからね、腸詰め一本あげようか?」


「ん、ん? アシア、大丈夫だ、ちゃんと食っておけ、街に土産買いに行くんだぞ、歩きまわっから食っておかねえと、買い食いして土産買う小遣いが減っちまうぜ」


 俺はそう言って、さっさと席についてしまう。


 そして先に座った俺の横には右にセレン、左にテルルが座り、俺達が揃うと、メイドが壁際にいたみたいだが、飯とよだれに気が取られ、全然気が付かなかった……。


 そのメイドはポットを持ってテーブルまで来ると、一人ずつガラスのコップに水を入れてくれた。


「うっし、準備も終わったみてえだし、先に食ってから帰りの護衛について話そう、んじゃ、いただきます」


「「いただきます(いただきます)」」


 食べ始め、半分ほど食べた頃からみんなのお腹も落ち着いてきたのか話が始まった。


 そこで始めて聞いたんだが、馬車を貸してもらえるようだ。


 乗り合いで帰るつもりをしていたんだが、こりゃ気を遣わなくて良いようだな。


 飯を食べ終わった後、貸してもらえる馬車に向かいながら夜営の見張り当番をやることに。


 分け方は冒険者の俺とプリム、テルルとアシア、セレンとエリスに分かれ、二人一組にして、一晩三回交代でやることに決まった。


 そして中々良い幌付きの馬車に乗り、練習がてら土産を買いに出たんだが、大通りを店が建ち並ぶところまで来たところで突然声をかけられた。


「あっ! お前がなぜ馬車なんか乗ってんだよ!」


 特に会いたくもねえ奴らに出会ってしまった。

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