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ステータス43:本分

 部室での会議の後、俺は郎樹と共にさっそく例の固有スキルのアノマリー特定作業に取り掛かった。俺達はまず、確認しやすい外で活動をしているスポーツ系の部活動を中心に変わったことがないか調査をすることにした。しかし、この日は特に成果を得られることもなく終わってしまったのだった。


 その後、俺と郎樹は寮に帰って、この日の調査内容のまとめと明日からの任務について学食で話し合うことにした。


「サッカー部も陸上部も特に変わったことはなかったな」

「そんなに簡単に見つかるものじゃないよ、崇行君。時間制限があるわけじゃないんだ。じっくり調査すればいいさ」

「そう言われてもなあ……これって結局は虱潰しに校内を探すってことになってないか? それなら各自で担当場所を割り振って手分けして捜査した方が早いんじゃ?」

「各々が独自の考えで動くのがスクールアノマリーの基本方針だよ。調べて確実に分かるようなものなら手分けするのもありだけど、大抵はそうじゃないしね。それに、まだスクールアノマリー以外に能力が行使されていない可能性もあるわけだし、1回調査して異変がなかったから終わりってわけにもいかない」

「ヒエッ! じゃあ、見つかるまで何日もみんなでグルグル校内を探し回るのか?」

「そうなるね。だからじっくり、根を詰めすぎない程度にやればいいんだよ」


 俺の監視の時もそうだったけど、やっぱり基本は緩い感じなのか。まあ郎樹が言うように調べて確実に分かるようなものでもないし、決まった対処法があるわけでもない。気楽に構えておいた方がいいのかもしれないな。


「……そうだな。現実に何か不都合が出てるわけでもないし急ぐ必要もないか。俺としてはもっとスクールアノマリーの活動に触れて、自分の能力とか、それの対処方法とか早く見つけたかったんだけどな」

「アップデートにしろ、そうじゃないにしろ、君の能力はかなり特殊なものであることは間違いないからね。そう思うのも無理はないさ。ただ、僕らは学生で、その本分は勉強だってことも忘れちゃいけないよ。明後日から中間試験だって忘れたわけじゃないよね?」

「え……そうだっけ?」

「随分余裕だね。須帝高校はこの辺りでは有名な進学校のはずだけど、君はそんなに成績優秀なのかな? それとも明日は試験前で午前授業だから、午後から猛勉強して一夜漬けで乗り切るつもりだったのかい?」


 優秀なわけなんかない。この学校に入れたのも明梨を追いかけて必死で勉強したからで、合格もたぶんギリギリだったはず。最近いろいろあり過ぎて授業も上の空だったし……。


「ああ、どうしよう……マジで忘れてた。ろ……郎樹は勉強してるのか?」

「僕は獅堂先輩の件が終わってからの時間は勉強に当てたよ。君は何をしていたんだい?」

「……主にゲームかな?」

「……まあ赤点取っても補習を受けることになるだけで、退学になるわけでもないから。補習の間は部活は禁止されるけど僕たちがしっかり対応しておくから心配いらないよ」

「いやステータスオープンとか、アノマリーとかいろいろあって忘れてただけなんだって! なあ、郎樹どうにかしてくれよ」

「僕も自分のことで手一杯だよ。梢子先輩か高井戸先輩に頼んでみたらどうだい? あの2人は僕らと違ってかなりの優等生だからね。もしかしたら時間を割いてくれるかもしれないよ」


 梢子先輩か明梨、うーん……頼むなら明梨だろうな。というか、明梨ってそんなに成績良かったんだ。一緒に馬鹿なことして遊んでたイメージしかないけど。まあ、俺が詳しく知ってるのは小学校の時のことくらいだしな。


「……そうだな。明梨に頼んでみることにするよ」

「もし高井戸先輩に教えてもらえることになったら、僕もご一緒させてもらっていいかな?」

「ちゃっかり便乗しようとしやがって。まあいいけど」

「おや、2人きりの方が良かったかな?」

「茶化すなよ。今はそういう感じじゃないから」


 と、俺達が軽快に男子トークを繰り広げていると後ろから女子が声を掛けてきた。


「あのー、楽しそうな会話してるとこ悪いんだけどちょっといいかな?」


 声の方向に振り返ると、そこにいたのは柊木さんの友人の神崎さんだった。


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