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ステータス32:魚人

 獅堂先輩の件が終わり自室に戻ってきた俺だったが、特に何をすることもなくベッドの上でゴロゴロしながら過ごしていた。


 時間が出来たはいいものの特にやることもないんだよな。まあ、たまにはだらだら過ごすのもいいか。そういや最近やってなかったしゲームでもしようかな?


 そう思い立った俺はベッドから立ち上がりパソコンの電源を付けた。俺は自称ハードコアゲーマーだった。ゲームといえば専らパソコンゲーム。アクション、RPG、FPS、ストラテジー。ジャンルを問わず幅広いゲームをやっている。たまにちょっとエッな方面のゲームもやるけど、それもゲームの探求のためである。決して劣情に負けたからなどではないのだ。


 お、マーマンさんオンラインだ。誘ってみるか。


 マーマンさんは俺のゲームのフレンドであり師匠だ。知り合ったのはパソコンのMMOだったけど、俺とは違ってスマホゲーもよくやっているらしい。というか、俺がスマホゲーをやらなくなったのは彼が度々聞かせてくるガチャでの失敗談が原因だったりもする。


『マーマンさんお久しぶりです。よかったらオールデストサークル一緒にやりませんか?』


 オールデストサークルはノーバスソフトが開発した国産の協力型アクションRPGで、世界的な成功を収めたビッグタイトルだ。残念ながら国内ではユーザー数はそこまで多くないようだが、ゲーマーなら知らない人はいないだろう。ノーバスのゲームを昔からやっていた俺はこのタイトルが大きな成功を収めたことに、我が子の成長を喜ぶ親のような喜びを感じると同時に、子供が自分の手を離れたような寂しさも感じていた。いや、子供なんて持ったことないけど、きっとこんな感じなんだろうと思う。


 俺のメッセージにマーマンさんはすぐに返事をくれた。


『タニタカおひさー。いいよーん』


 相変わらず反応早いな。オールデストサークル起動して……ログインして……あ、ボイチャも起動しないと……。


「タニタカー?」

「あ、マーマンさん? すみません、お待たせしちゃって」

「いいよいいよー。最近ツナナもギーラもいなくて寂しかったんだよー」


 タニタカというのは俺のオンライン上の名前だ。ツナナさんとギーラはマーマンさんと知り合ったMMOで一緒にパーティーを組んでいる仲間で、そのMMO以外にも、いろいろなゲームを一緒にプレイしているフレンドだった。4人集まった時はたいていはMMOをやっていたが、最近は全員が集まることも少なくなって2人や3人で出来るゲームをやるのが主になっていた。


「ツナナさんはともかく、ギーラがいないなんて珍しいですね」

「そうなんだよねー。なんか先週くらいからずっとオフラインのままなんだよー」

「それは心配ですね。付き合い長いですけど、こういう時はリアルの繋がりがないと何もできないのがもどかしいです」

「だねー。でも、オンラインだけの繋がりだからこそ、年齢も性別もなく仲良くなれたっていうのもあるしねー。俺みたいなのが女の子とボイチャしながらゲームできるなんて、いい時代になったもんだよー」

「ハハッ。顔は分からないですけど、声だけならそうとうなイケボですよマーマンさんは」

「ほんとー? ありがとー。お世辞でもうれしいよー」


 本当に声はいいんだよな。話し方は間が抜けてる感じだけど……まあそこが年上でも話しやすくて好きなところでもあるんだよな。


「お世辞じゃないですよ。えっと、ゲームの方ですけど、『セルラ川の勇者墓』の攻略、来れたら手伝ってもらってもいいですか?」

「協力用のキャラ作ってあるからどこでも行けるよー。でも、あそこは……うーん、控えめに言って排泄物だねー」


 その後、俺とマーマンさんはその排泄物と称されたダンジョンをクソクソ言いながらクリアし、他のダンジョンもその勢いでどんどんと踏破していった。


「あ、もうこんな時間か。長い時間付き合わせちゃってすみません」

「いいのいいのー。久しぶりにタニタカとやれて楽しかったー。もっとやってたいくらいだよー」

「マーマンさん、いつ飯食ったり寝たりしてるんですか……」

「大学生は割と自由が効くんだよー」

「去年留年しそうになったって聞きましたけど……」

「去年はまだ1年だったから勝手がわかってなくてねー。今年は大丈夫……なはずだよー」

「リアルの方もしっかりしないとですよ。それじゃ、俺はそろそろ落ちます。今日はありがとうございました」

「はーい、まったねー」


 マーマンさんに挨拶してゲームを終了し、時間を再確認すると時計はすでに21時を回っていた。


 もう学食はラストオーダー終わってるな……今日はカップ麺でいいか。しかし、久しぶりのゲームにマーマンさんのイケボとゆるい会話、やっぱ落ち着くなあ。ツナナさんとギーラがいなかったのは少し残念だったけど、まあそのうちまた会えるかな?


 その後、カップ麺を食べてシャワーを浴び、少し休もうとベッドに横になったところで、まだ眠るつもりはなかったのだが体験入部と長時間のゲームの疲れが一気に来たのか、俺はいつの間にか眠ってしまっていたのだった。


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