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ステータス13:無知

 書店での一件で、ステータスオープンについて自分があまりにも無知であることを俺は痛感していた。そこで電車での移動中に出来る限りの情報をネットで調べてみることにした。しかし、ゲームの攻略情報などとごちゃ混ぜになっていて、どれが探している情報なのか、今の俺に見分けることは困難だった。


 一方、明梨は隣の席で、駅ビルで買った雑誌を読んでいた。しかし、悪戦苦闘している俺に気付いて声を掛けてきてくれた。


「崇行、ずっとスマホと睨めっこして何してるの?」

「ステータスオープンについて調べてるんだけど、知りたい内容が見つからなくて……」

「何が知りたいの? 私が分かることなら教えてあげる」

「じゃあ、お言葉に甘えて。さっき駅ビルの書店で聞いたんだけど、学割を受けるためにはステータスを見せないといけないんだって。これと同じようにステータスを見せる必要がある場面って他にどんなのがあるかな?」

「そうだなあ……本人確認する時はだいたい必要かな? ステータスに書いてある内容は誤魔化しが効かないから、それを身分証明として確認するの。後は……そう、面接で提示させられることもあるらしいよ。友達がバイトの面接の時にステータスで落とされたって愚痴ってたから」

「えっ! じゃあ俺、本人確認もできないし、もし面接でステータス見せるのが一般的ならまともな会社に入れない可能性もあるじゃん。これって割と詰んでるのでは……?」

「げ……元気出しなよ。何か方法があるかもしないしさ」


 高校1年にして人生終わった可能性……まあ、仕事は親のコネとかで何とかなるかもだけど、本人確認はかなり面倒なことになりそう。ステータスオープンできない人って俺の他にいないんだろうか。そう言えば、そんな話をどこかで聞いたような……?


「そうだ! 一昨日の梢子先輩の話の中に『突発性ステータスオープン障害』ってあったじゃん? その症状の人達もステータスオープンできないんでしょ? その人達はステータス見せる必要がある時はどうしてるんだ?」

「かなり稀な症状らしいから私も詳しくは知らないけど、お医者さんにちゃんと診断してもらえれば、本人確認とか面接でのステータス画面の確認は免除か、別の方法で何とかしてもらえるかもしれないわね。ステータス自体を全く知らなかったことを除けば崇行の症状はそれとほとんど変わらないし、可能性はあると思う」

「ちょっと希望が見えてきたかも」

「良かったね。他に何か知りたいことはある?」

「後はステータスにどんな内容が書かれてるか知りたいかな? できれば実際に見せてもらえるとありがたいんだけど」


 明梨はちょっと困ったような顔をして、あれこれ考えているようだった。告白の時にちょっとだけ見せてくれたけど、けっこう抵抗あるみたいだったしなあ……。


「……分かった。けど、見せるのはメインタブだけね。他のタブはどんな内容が書かれてるか教えるだけ」

「メインタブ……? 他のタブ……?」

「……? あ、そっか。そういう説明からだね」


 明梨は訝しげな表情を見せた後、何かに納得したように軽く頷いてそう言った。そうなんだ、そういうステータスオープンについてみんなが当たり前に知ってることを俺は知らないんだ。


「実際に見せた方が早いかな。ステータスオープン」


 そうして明梨は自分のステータス画面を指し示しながら、表示されている内容について説明してくれた。


 明梨の説明によると、メインタブというのはステータスオープンして最初に開く、名前や生年月日、身長、体重、職業等の基本的な個人情報が載っているタブのことらしい。項目別に任意に隠すことも可能だそうで、体重の項目だけはしっかりロックされていた。また、ステータス画面にはその他に『能力値タブ』、『スキルタブ』、『人間関係タブ』の3つのタブがあり、上の方に表示されているそのタブに触れれば表示内容を切り替えられるそうだ。


 『能力値タブ』には筋力や持久力、知力などが数値化された情報が、『スキルタブ』には持っている技能や特性が、『人間関係タブ』には自分と他人との関係性がそれぞれ載っているらしい。聞けば聞くほどゲームみたいだけど、ポイントを使って能力値を強化したり、新しいスキルを獲得したりなんかはできなくて、あくまで今の自分の状態が表示されるだけとのことだった。


「―――なるほど、これはおいそれと他人には見せられないな」

「そういうこと。そろそろ着くから、話はこれくらいにしておこうか?」

「そうだな。いろいろ参考になったよ、ありがと」

「どういたしまして」


 ほどなくして電車は実家の最寄り駅に到着し、俺と明梨は故郷の空気に旅の疲れを忘れて足早に実家へと向かったのだった。


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