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07 ミズーラ郊外での戦闘7

MST AM12:00


 煙の一部が収まってきた。最初の発生地点は既に収まっているが、東西に引き続き煙を発生する物が継続して投げられている。東の煙はツインクリークスから20kmのグリーナフ、西の煙は10km離れた場所まで広がっている。これ以上西に進まれると人口が密集している地域ボナーに迫る。



「これ以上西に進まれると人が多い地域になります」


「分かったわ。西を担当している部隊に攻撃命令を」

 作戦士官からの進言でグレースは攻撃命令を下した。アパッチガーディアン及びブラックホークが移動しているAKと思われる者に対して攻撃が行う。アパッチガーディアンからはロケット弾やチェーンガン、ブラックホークはドアガンを用いて。



「エコフォーからグランマへ。AKらしき者の足が止まりました。その場所に全力攻撃を加えましたが、移動する気配はありません」


「グランマ了解。チャーリーワン、地上から目視確認を行え」



「チャーリーワンからグランマへ。AKと思われる死体を発見。回収を始めます」


「「「おおお」」」

 司令部内に感嘆の声が上がった。しかし、作戦士官が注意を促す。


「油断するな! まだ東側で煙を出しつつ移動する存在がある。そちらが本命の可能性もあるぞ!」


「そうね。気を引き締めていきましょう。東側の状況はどうなっている?」

 グレースが現状確認を行う。


「はい、モンタナ州道200号を使い、グリーナフを通過しました。移動時速は約25km。このまま州道を進めば、ストライカー中隊防衛線まで約8マイル、30分後には接敵します」


「では、ストライクイーグルを東側の攻撃に向かわせて」

 念のため焼夷(しょうい)爆弾を装備したストライクイーグルも追加で支援要請を行い、上空で待機中である。


「東側のAK、進行速度が遅くなりました。時速約10km。えっ数が増えました。2、いや3です。AKらしき存在は3になりました」


「何が起きているの? AKは一人じゃない? 他からワープしてきた?」

 グレースは周囲を見渡すが誰もが答えを持っていない。作戦士官は過去の資料を確認したり、映像を確認している。


「アルファワンからグランマへ。AKと思われる死体を発見しました。回収を始めます」

 アルファ分隊は最初の煙が発生した場所、AKを攻撃した場所で調査を行っていた。


「グランマ了解」


「何で今回は死体が消えてないの? というか死体が複数あるの? 何が起きているの?」

 アルファ分隊、チャーリー分隊からの画像を見て違和感を感じる。出血らしき痕跡が無い。生物のような感じがしない。



  :

  :

  :


 クリアウォーターの東2kmほど離れた場所にストライカー中隊が構えていた。航空戦力が主攻でストライカー中隊は助攻である。遮蔽物が無いため歩兵は南と東の林のある丘に分散配置し、M1128ストライカーMGSが道路を挟むように、M1126ストライカーICVとM1130ストライカーCVが少し後方に、さらに2km後方にM1129ストライカーMCという陣形だ。

 MGSは105mm戦車砲を装備した自走砲、MCはM121 120mm迫撃砲を装備した自走迫撃砲である。ICVは兵員輸送車、CVは指揮車であるため戦車砲や迫撃砲は搭載しておらず、12.7mm重機関銃M2または7.62mm機関銃M240、40mm擲弾発射器MK19のいずれかを搭載している。これらはAKに対してダメージを与えることが可能な装備である。


 歩兵が携行している分隊支援火器は、M240機関銃、ミニミ軽機関銃(M249)の2タイプがあり、M249は5.56mmの弾を利用するため、AKに対して有効的なダメージは与えられない。


 クリアウォーターの南西4kmほど離れたあたりに煙が立ち込めるのが見えた。




「対象もう直ぐポイントウイスキーに差し掛かります」

 作戦士官が報告を行う。


「攻撃開始」

 グレースが上げた腕を振り下ろして命令を下すと復唱され各部隊に指示が伝達される。


 旋回待機していたスプキーⅡから、榴弾砲、機関砲、ガトリング砲の攻撃が行われる。轟音が機内に鳴り響き、ガトリング砲からは火花が出続けている。



 前を走らせていた囮が一瞬で破壊された。囮は使用者の容姿のみ真似ることが出来るが、耐久力などは皆無であり、また簡単な命令しか行えない。

 視界は制限されているためハッキリとは分からないが前方で地面が盛り上がり爆発している様だ。それが段々と近づいてくる感じがする。咄嗟に道を外れて東側に駆け出す。すると先ほどまで走っていた付近で爆発が起き、爆風やアスファルトの破片が周囲に飛び散り、衝撃で地面を転がった。その爆発は連続して発生し続けていた。そして弾丸が雨のように降り注ぎアスファルトを激しく損傷させている。


「これが人間の本気? あれを直撃で喰らったら流石に無理だな。とはいえ結構アイテムを使ってしまったし、せめてもう少し殺しておきたい。しかしこちらから攻撃するにも相手が見えないしな」

 東に向けて走りながら、アイテムで囮を作り出し、北側に向けて走らせた。



 ストライカー中隊の歩兵が待機している南の丘の近くまで煙が近づいてきた。歩兵からは相手が見えないため攻撃するにしても場所が分からない。AKと思われる一人が方向を東側に変えて走ってきているとの報告があった。AKが歩兵に近づくと航空支援が受けられなくなるため、南東に移動するよう命令が下った。


「AK更に増加、現在移動しているのは、北に1、東に3、停止しているのは2です」

 東に移動している3人の内、2人が先行して向かっている。


「このままのペースで走られるとストライカー中隊の歩兵に5分程度で接敵します」


「ストライクイーグルで焼き払って!」

 グレースがストライクイーグルに焼夷弾投下の命令を下す。



 東から西向かって、AKと思われる対象の上の通り抜けるストライクイーグル。そして落下した焼夷弾が爆発して爆炎が上がる。さらに後続の一機がほぼ同じ場所に焼夷弾を落として爆炎が増えた。


「速度落ちません!」

 オペレータが悲痛な声で報告する。しかし、AKと思われる2人は速度を落とすことなく走り続ける。


「スプキーⅡを差し向けて」


「駄目です近すぎます!」


 煙が広がるより早く、その煙から抜け出していく存在が見えた。燃え盛るそれは火の犬だった。歩兵は銃を構えて撃ち続けるが、弾が命中しても速度は収まることなく迫ってくる。そして歩兵の一人に噛みつく。歩兵は燃えながら必死に抵抗するが犬は離れない。倒せない敵に皆浮足立ち、被害が少しずつ拡大していく。


「今なら目視出来る。狙って撃って! 早く!」

 グレースが味方がいる場所に対して攻撃を指示し、燃えている兵士ごと榴弾砲で吹っ飛ばした。周囲の兵にもダメージを与えたが2匹の犬を始末することが出来た。


 煙が歩兵のいる場所まで広がってきた。この状況で発砲したら同士討ちになってしまう、歩兵はさらに南東に移動する。


「いたいた! はぁっ」

 ノースは人間を見つけると喜びの声をあげて、長剣を叩き込む。首が飛んで行き、それが近くの歩兵に当たり大きな悲鳴が響く。兵士の中にはM4カービンを撃ち込み立ち向かう者もいたがダメージを受けることなく、兵士を返り討ちにしていく。視界が通らないなか、次々に響き渡る悲鳴、パニックが広がっていく。



「うぎゃー」

「助けてー」

「いやあああーーー」


 そんな声が響く中、分隊支援火器を中心に構え、どこにいるか分からないAKに対して警戒する数人の兵士。そして近くの兵が倒されたような声が聞こえたのでそちらに向けて構える。

 煙の中らAKと思われるもの目前に出てきた瞬間、M240機関銃が火を噴いた。


「うがああ」

 至近距離から大量の銃弾を浴び続ける。一旦弾が切れたが、再装填してAKに対して浴びせ続ける。そしてAKは動かなくなり、しばらくして死体は消えた。




 この日の被害は民間人含めて、死亡者30人、負傷者100人、行方不明者60人と報告された。行方不明者の多くはAKに殺された後、回収された可能性が高く、アメリカ国内でより一層AKに対する恐怖心が強くなった。






 6日後ノースは森の中で目を覚ました。そして先日の戦闘について振り返りを行っていた。


「やはり一人では限界があるな。囮や召喚も良いがアイテムの数に限りがあるし、他の方法を考えないと」


 数日後 開けた丘の上に複数の何かが見えた。ノースはその一つに近づき、書かれている文字を読み上げた。


『アンドリューナイフ 1912-1942 我々の心の中に永遠に』

 

「これは墓地か? この数全部が?」

 ノースは数百を超える規模の墓地に驚き、そして笑みを浮かべた。

早いマラソン選手でも時速20km位? だからノースは足が速いですね。

でも本気を出せばもっと早く走れると思う。

あんまり早く走ると煙を出すアイテムの消費が多くなるし、余力を持って走っている感じ。


焼夷弾を搭載できる戦闘機が分からなかった。ホーネットは搭載した事例があるらしいけど

あれ海兵隊の戦闘機みたいだし、まぁ重さ的にストライクイーグルでも行けるかなって。


一応これでノース編は終了です。普段書かない内容の話を書いて疲れました。

完結マークにしてないけど終わり。

自分の中で、最後少し尻すぼみ感があるけど、この話を盛り上げる気力が…。


墓地があるから分かると思うけど、墓地から死体を使ってアンデットを作るんだ。

アンデットがいるのはそういう事。


ただこれを小説に起こすとまた数万文字になっちゃう。ぐはー。

で、アンデットが居るとなるとまた雰囲気が変わってホラーっぽい話になりそうだし、

一貫性が無くなりそうだしね。


それじゃ本編側を完結する方向で頑張ろう。といっても書き方忘れちゃったし、

書くのも遅いからなぁ。けつ叩きすると少し速度が上がるかも。

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