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06 ミズーラ郊外での戦闘6

コロラド州 コロラドスプリングス MST(山岳部標準時間)AM9:50


「作戦立案!」

 グレースが作戦士官に指示を出すが、既に指揮卓のモニターには作戦立案用のAIが出した作戦が表示されている。それを修正し直ぐに関係者に送信を行う。


「グランマからデルタワンへ。重傷者はその場で待機。軽傷者はブラボーと合流、注意を負傷者からそらしながら移動を開始しろ」


「デルタワン了解」


「グランマからエコツー、エコスリーへ。AKを殲滅せよ。AKを殲滅せよ」


「「了解」」

 しかしAKがいる付近には黙々と煙が立ち込めており、それが周囲にどんどんと広がっていく。明らかに人為的な煙を発生するようなものが、四方八方に投げられ目視出来ない状態になっている。熱探知に切り替えると、複数の動く物体が確認された。AKは一人の筈だが、複数の動きがある事から、味方への誤射を懸念しめ距離を置き射撃を控え司令本部に攻撃の許可を再び確認する。



 デルタチームは民家の中に負傷者達を運び込んだ。そして両足を骨折している兵士に対して、デルタワンが銃を渡そうとするが、それを押し返した。


「その銃じゃAKに対して効果がありません。置いていくだけ無駄なので持っていってください」


 重傷者を民家に置いて、軽傷者のみで撤退を始めていた。重傷者を運びながら逃げれば直ぐに追いつかれてしまう。軽傷者を追ってくるならば、重傷者を回収しに行くチャンスが出てくる。

 煙というよりも濃霧が立ち込めるなか、ガスマスクを着用し移動を開始する。方向や距離は眼鏡型ディスプレイに表示されているが、ゴルフフォーの乗組員はガスマスクやディスプレイが無いので布をマスクの代わりにしてデルタ分隊隊員の腰のベルトを握った状態で着いて行く。



「グランマからエコツー、エコースリーへ。その場所には友軍はいない。AKの可能性が高い、射撃を許可する」


「「了解」」

 エコーツーからチェーンガンが撃ち込まれる、動物の唸り声のような音が響く。AKと思われるものはそこから動く様子は無い。しばらくは距離を取って煙が収まるまで空中で旋回しながら待機を行っている。


「エコーツーからグランマへ。煙の範囲が広がっている。まだAKが活動している可能性が高い」

 発煙筒のようなものが追加で投げ出されているのが見えた。そこから煙がまた広がっていく。攻撃対象だったものはAKではなかった可能性がある。司令本部からはヘリからの空中偵察を継続するように指示をだした。そんな中、司令部内では攻撃をいったん取りやめるべきという意見が出てきた。



「本当に倒せたのかを確認するためには目視確認が必要。地上から近づいて確認するか、視界が回復するまで待つべき」


「兵士の安全を考えれば空爆、あるいは遠距離からの砲撃による攻撃が良い」


「確実に死んだことが確認出来なければ不安が残るぞ」


「そもそも死んだらどこかにまた現れるのだから、確認出来なくても結果は同じでは。倒せるときに倒しておくべき」


「なんだそのいい加減な…」


「ちょっと黙って」

 司令部では幾つかの意見が出ていたが、グレースは一旦会話を止めた。


「目視確認は絶対に行う、これは方針よ。死んで別のところに現れるまでの短い安全を確保する。住民の不安を取り除くためには絶対に必要。

 現状の煙が立ち込める状態でヘリを近づけるのはリスクが高い。煙が収まるまで一旦距離を取って退避。それと現状煙が出ていない範囲、その外側に部隊を展開して。絶対に範囲外にAKを出させないで。衛星からの監視優先度を上げて漏れが無いように。

 GFA(マルムストロム空軍基地)から誘導弾を装備した爆撃機とガンシップを出して。AFGSC(空軍グローバルストライクコマンド)とAFSOC(アメリカ空軍特殊作戦コマンド)に救援要請1」


「AFGSCとにAFSOC救援要請1を送ります」

「受信完了を確認。指示可能」

「スプーキー II、5分後に発進、ポイントに30分後到着。ランサーは20分後に発進、30分後にポイント到着」


 AC-130U スプーキー IIは、輸送機に重火器を搭載した対地専用攻撃機である。ガトリング砲や榴弾砲などを装備しており、大量の弾薬を搭載しているため、長時間に渡って攻撃することが可能である。 

 B-1 ランサーは、マッハを超える速度が出せる超音速爆撃であり、無誘導の爆弾やミサイルの装備も可能だが、今回は誘導型の爆弾を搭載している。




 ガチャ。物音が聞こえた。重傷者の中で比較的軽傷なデルタスリーはホルスターから拳銃を取り出し、部屋のドアに向けて構える。ミシ、ミシ、ガシャ、ギィー、ガチャ。誰かが家の中に入ってきており、他の部屋を物色しているような音が聞こえる。ミシ、ミシ、と歩く音が段々と近づいてくる。そしてドアノブが回るのが見えた。ギィーという音とともに扉がゆっくりと開かれた。


 ボロボロの服をまとった傷だらけのAKが変なお面を装備した状態で入ってきた。銃を構えているが気にする様子も無く正面に立つAK。そしてこちらの様子を伺っている。


「お前は何者だ。何故こんな事をするんだ。目的はなんだ」

 デルタスリーの問いに答えず、そのままデルタスリーを眺めている。




「デルタスリーのカメラを正面モニターに大きく映して!」

 デルタスリーの目線カメラの映像やマイクを通じて、司令部内にもその画像が映し出され、司令部内の視線がモニターに集中する。


「まだ生きていたのか」

 作戦士官の一人が思わずつぶやいた。




「ふん。命乞いか? お前はここで死ぬんだ」

 そう言ってノースは空間収納から両刃の斧を取り出し、軽く持ち上げた。


「待ってくれ! 最後の願いだ。お前は何者だ。名前を教えてくれ」

 デルタスリーは、情報を少しでも引き出そうと質問を試みる。


 ノースは少しだけ考えた後、答えた。


「教える必要は無いな」

 斧を振りかぶろうとする。


「待ってくれ! 頼む! お前の目的を教えてくれ。目的が達成出来るように上にお願いする。だから目的を教えてくれ。何で人を殺すんだ? なぁ」

 振りかぶろうとしていた斧を若干下げた。


「人間を皆殺しにする。俺に協力して人間を殺してくれるのか? くくくっ、出来無いだろ?」


「こんな方法で全員殺せる訳ないだろ! 地球上に人間が何人居ると思っているんだ! 70億だぞ、70億! 頼む本当の理由を教えてくれ。あと宇宙人なんだろ? どこの星の者だ?」


「はぁ。宇宙人? それとお前もそんなアホな事を言うのか。70億など…。もういい、死んでおけ」

 ノースは下げていた斧を持ち上げる。デルタスリーは丸い鉄の板を両手で持ち上げて自分の前に掲げた。


「うちに帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろ、このクソ野郎!」 

 デルタスリーは最後に悪態をついた。その悪態を聴いてブチ切れるノース。


「人間如きが! そんなちんけな盾など、盾ごとたたき割ってやる!」

 思いっきり鉄の板を斧で殴りつけると、板、対戦車地雷が爆発し、斧が押し返されて自分の肩に食い込んだ。


「グガァ!!   このクソが!  人間如きがぁ!!」



 司令部に映し出されていたデルタスリーからの映像が消え、デルタスリー、ファイブ、エイトのバイタルサインが消えた。

スプキーⅡは2019年で退役したんだって。まあ2019年よりも前の話だから。

今はAC-130J ゴーストライダーが運用されているんだって。


兵器の事など詳しくないので。WIKI見たくらいの知識しかない。

B-1ランサーは、普段マルムストロム空軍基地に配備されてないそうです。

小説のためにWIKIとかで色々と読んだんだけど、基地はたくさんあれど、丁度いい場所に

丁度いい兵器が配備されてない。なのでご都合主義でだしてます。フィクションですから。

それと私の中で爆撃といえば、B-29のような機体なんだけど、

書いているときにB-52の存在に気が付かなかった。なのでB-1にしました。


ストライカー装甲車もモンタナ州兵に配備されていないと思う。分からんけど。


A-10サンダーボルトも出したかったんだけど、配備先が分からなかった。

アメリカ軍複雑すぎ! でもネットで配備先が分かるとか国防的にどうなんだろうか。

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