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第4話 二番弟子、お色気作戦で強敵を狩る

初めての狩りは順調に進んだ。

まだお昼過ぎだが、俺は既に4匹のホーンラビットを狩ることができていた。


意外だったのは、気功風刃よりも身体強化でのタコ殴りの方が魔力と気の消耗が少なかったことだな。

前世の教えから気功風刃が最も効率的とばかり思っていたが、今の俺にとってはそうでもなかったのだ。

原因は、気功波と風魔法の威力のバランスがかなり極端だったこと。気が弱すぎて、技の良さを生かしきれずにいたのだ。


鍛錬を重ねて気の熟練度が上がっていけば、いずれはまた気功風刃の方が効率的となるだろう。



そして、気づいたら近隣の森の付近まで来ていた。


森は、ホーンラビットだけが出るような安全な場所では無い。

奥の方に行けば中級冒険者が苦戦するような魔物が出るのはもちろんのこと、手前であってもたまにそういうやつがはぐれて出てきたりする危険な場所だ。

樹男爵領内にあるこの森にはいないようだが、森には「主」と呼ばれる上級冒険者をも手こずらせる魔物が居座っているケースもある。


ちなみに、俺はその「森の主」という存在は前世でも見たことはない。

というのも、大賢者グレフミンの道場には「単独で森の主を狩る」という修行メニューがあったのだが、俺はそのメニューが回って来た時は必ずサボっていたからだ。


実力的にはいけたのだろうが、20回に1回ほど死者が出ていたメニューなのであまり参加する気になれなかった。

他に挑戦したがる弟子もたくさんいたしな。


師範には「森の主をパーティーで討伐してみたい」と掛け合ってみたこともある。

だが、その度に「森の主は数が少なく、貴重な修行相手だ。お前に単独でやる意思が無いなら他の弟子に回す」と返され、にべも無かった。


世界的に有名なベテラン冒険者でさえ森の主は複数人がかりで討伐していたことを思えば、ウチの道場がいかに異常だったかがよく分かるはずだ。

一番弟子のワートなど、道場から1歩も出ずに遠距離気功弾だけで森の主を即死させていたからな。


あれはどう考えても人間業じゃなかった。


……とまあ前世では色々あったわけだが。

今の俺が、「森の主が~」とか考えたところで何の意味も無い。


中位の魔物ですら危険な初級者にとって、森の主の話など机上の空論にも等しいからな。




と、初級者が挑むのは自殺行為でしかない森だが、俺が入ろうとしているのには理由がある。

実は1つだけ、初級者が安全に森に挑める方法があるのだ。


そこで登場するのが、俺が持ち歩いているホーンラビットの肉だ。

これで、森の入り口付近にいる比較的雑魚な魔物をおびき寄せるのだ。


匂いに釣られて単独で彷徨い出てきた雑魚なら工夫すれば倒せるし、もし仮に強敵がおびき寄せられた場合は強敵が肉を食べているうちに逃げればいい。

だから、命の危険なく森の魔物を狩れるのだ。




肉を放置して10分。

森から、1体の魔物の気配がした。


あの気配は……おそらくゴブリンだ。

正面から向き合えば多少は手こずるが、今の俺ならとある方法で拍子抜けするほど簡単に倒せるな。


前世の俺にはできなかった討伐方法と言えば、どんなやり方か予想がつくだろう。

そう、ゴブリンが俺に見惚れているうちに急所に1発かますのだ。


人型の魔物のみに通用する、本当のところを言えばあまり褒められたものではない討伐方法だ。


森から、ゴブリンが姿を現す。

俺はそいつに向かってにこりと微笑みかけた。


すると案の定、ゴブリンはうっとりとした表情でその動きを止めた。

身体強化を最大限にかけ、一瞬でゴブリンに肉迫する。

そして身体強化を拳に集約させ、急所である心臓を思い切り殴りつけた。


……思った通り、一撃だったな。

雑魚とはいえホーンラビットとは格が違う相手。それを、苦も無く倒すことができた。


別にここまでして格上の相手を撃破するほど切羽詰まっている訳ではないのだが、美形にしか使えない方法ってことで一度試してみたかったのだ。

根っからの美人は決してやりたがらない戦術だと聞いていたが、転生前がブサイクだからか相当な爽快感だったな。


もう何匹かこの方法で倒して、今日の狩りは終わりにするか。


☆ ☆ ☆


ホーンラビットとゴブリンを合わせて計14匹狩ったところで、俺は狩りを切り上げることにした。

魔力や気を消耗しきったとかいう訳ではなく、ただ日が落ちそうになったからだ。


一見すると最大魔力量以上に消費しているようにも思えるが、実際には半日分の自然回復もあるので魔力切れに至ってないのだ。

それに加え、本来は格上であるゴブリンを相手にし続けたおかげで最大魔力量や気の量は上がり続けていたのもある。




14個も魔石が集まれば、兼ねてから作りたかったアクセサリーを作成できる。

屋敷に戻ったら、その制作に勤しむとしようか。


【次回のあらすじ】

ここまで当然のように、適性の無い気を併用して魔物を狩ってきたテーラス樹。

しかし、それは側から見れば「あり得ない行動」だったようです!

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新作始めました! 「俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件について」という作品です。是非読んでみてください!

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あと僕の別の連載も載せときます。本作と同じく、ストレスフリーに読める主人公最強の異世界転生ものです。
転生彫り師の無双物語 〜最弱紋など、書き換えればいいじゃない〜
良かったら読んでみてください!
― 新着の感想 ―
[一言] なんか電気と磁力みたいだな
2022/07/19 14:10 退会済み
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