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第48話 二番弟子、勘違いされる

俺が使うのは、「呪詛再活性」という魔法だ。


「呪詛再活性」というのは、過去に呪いを受けた者を、その呪いの後遺症で苦しめることができる魔法なのだが……この魔法には1つ、特徴がある。


対象が受けた呪いが高等なものであればあるほど、「呪詛再活性」の効果も大きくなるのだ。


初等的な呪いだとせいぜい腐った牛乳を飲んでお腹を壊した程度の苦しみしか与えられないが、上級の呪いだとそれこそ苦痛でショック死させる事さえ可能。


「呪いをかけた本人が行使しなければ効果がない」という制約はあるものの、条件さえ整っていれば、かなり有用な技だと言えるのだ。


そして、俺が魔族にかけた呪いは何か。

そう、魔族がワートだった頃にかけた──転生妨害である。


その「転生妨害」なんだが……実はこれ、数ある呪詛の中でも最上級に分類される物だ。


というのも、そもそも呪詛の等級というのは「術式の難易度」と「発動条件の難易度」の2つで決まるのだが……転生妨害の発動条件は、他の呪いと比べ物にならないくらい厳しいのだ。


当たり前だ。

対象が転生術を起動しない限り発動しない呪いなど、常識的に考えて滅多に意味を為さないのだから。


そんな呪詛だからこそ、術式の難易度が中等的であっても、最上級の呪いに位置付けられるのだ。


ただし、1つだけ問題がある。


それは、魔族は純粋なワートそのものではなく、ワートが憑依しただけの存在であるという事だ。


相手がワートそのものでない以上、呪いの効果はそれなりに薄まってしまう。


どのくらい薄まるかは、魔族のワートの魂の純度にもよるが……具体的なことは、かけてみないと分からない。


というわけで、早速魔法をかけてみよう。


俺は、「呪詛再活性」を魔族に放った。


「グ、グアアアァァァガガガガァ……」


「呪詛再活性」が効き始めると、魔族は断末魔の叫び声を上げながら崩れていった。


目測でしかないが、今回の魔族、前回サイボーグ化した奴をクトゥグアの下敷きにした時より酷く苦しんでいるように見える。


もし、最低限でもあのレベルで魔族が苦しんでいるとしたら……魔族の命は、もう長くはないか。


そう思い、数秒が経ったところで……俺の推測が、正しかったことが判明した。


魔族がぐったりして、全く動かなくなったのだ。


念のため首は落としておくつもりだが……その前に、脈を測ってみる。

……うん。完全に死んでるな。


効果が薄まった上でも、「呪詛活性化」は致命的な効力を持つと知ることができた。


これは大きな収穫だと思いつつ、俺は気功剣で魔族の首を落とし、収納術にしまった。


サイボーグが死体を放置してしまうのは、「同族嫌悪」の性質上仕方ないが……本来、あまり褒められたものではないからな。


俺は放置はせず、しっかりとギルドに届け、処理してもらうとしよう。






「魔族売りたいなあ……あ、こんなところに冒険者ギルドが。ウィーン」


「……テーラス、何やってるんだ?」


「前世でよく、こんな始まり方するコントあったろ? あれの真似さ」


そんな会話をしつつ……俺とゴドウィンは、兵!兵!兵!の主催予定の街のギルドに入った。


もちろん、ゴドウィンには幻影魔法をかけ、人間に見えるようにしてある。

「フェンリル連れが来た!」とかで、余計な混乱は招きたくないからな。


俺たちは受付の列に並び……数分して、俺たちの番がやってきた。


「ご用件は何でしょうか?」


「魔族を討伐しましたので、その報告に参りました」


「あー、魔族の死体回収ですね。でしたら、隣に専用カウンターがございますので、そちらで処理していただいてください」


受付嬢はそう言うと、隣のカウンターを指した。


そちらを見ると……そのカウンターのところには、こう張り紙がしてあった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魔族の死体回収について

最近、魔族の変死体が各地で相次いで発見されております。衛生や景観への悪影響が計り知れないため、当ギルドでは死体の回収者に報酬を出す制度を開始致しました。


1体あたり銀貨3枚にて回収致します。ご協力よろしくお願いします。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


……なるほど。

サイボーグが殺した魔族がそこら辺に転がされている状況を見かねて、ギルドが動き出したってわけか。


確かに、そういう措置は大事だろう。

一般人からすれば、魔族の死体など不気味なことこの上ないだろうから。


まあ冒険者にとっても割のいい報酬が出されているみたいなので、緊急度は低いが……次サイボーグに会ったら、討伐した魔族をギルドに持ち込むよう指示しておくべきかもしれない。


まあ、それにしても、だ。

今の俺は、放置死体を回収してきたわけではなく、俺自身が持ち込んだ魔族について報告しにきているんだ。


だから……向こうのカウンターで処理してもらうのは、違うだろう。


そう思い、俺はこう告げた。


「魔族の死体回収ではなく、魔族の討伐報告に来ました」


【次回のあらすじ】

まさかの兵!兵!兵!がアレします(なんか最近、こんな感じの抽象的なあらすじが多い気がする)

何話か前に触れた「謎の男」にも迫っていくので、お楽しみに!

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新作始めました! 「俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件について」という作品です。是非読んでみてください!

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転生彫り師の無双物語 〜最弱紋など、書き換えればいいじゃない〜
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