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第47話 二番弟子、工夫した敵の倒し方を考える

美少年コンテストの後、期末試験を終えて夏季長期休暇に入ると、俺はすぐに帰省した。

そして、休暇のほとんどを実家で過ごしていた。


もちろんゴドウィンも一緒だ。

最初は家族全員に「なんかテーラスが伝説の生物を連れてきたぞ!」と驚かれたが……今となっては、ゴドウィンも立派な家族の一員である。


そして実家では、俺はとある魔法の習得に勤しんでいた。


前世では、特定の資格をもつ者が特定の状況下で使う場合を除いて法で規制されていた魔法──サイコメトリーである。


この時代ではこの魔法そのものが知られていないので、規制する法律も存在しない。

だからと言って、この魔法を使うのは褒められたものではないだろうが……自衛のために、俺にはこの魔法が必要だと思ったのだ。


なんせ、美少年コンテスト得票率97%の顔面である。

兵!兵!兵!には高位の貴族も多く集まるし……そう言った立場の人に一目惚れされ、知らない間に婚約を結ばざるを得ない状況にされてしまう恐れもあるだろう。


相手の恋愛感情を事前に察知し、対策を講じる手段として、サイコメトリーは正当防衛の部類に入るのではないか……と、思うのだ。


もちろん、それ以外の用途で(みだ)りにこの魔法を使うつもりはない。

サイボーグ化と同じで、俺は禁断の魔術は節度を持って行使するのだ。


俺はちゃんと魔法を覚えられているかの確認のため、試しにリビングでくつろいでいる姉に魔法をかけてみる。

……これは「濫りな使用」では無い。地道な練習の一環である。


(はぁ……喉乾いたなぁ……タピオカエルでも狩ってきて、紅茶にするか……)


姉は……実に年頃の女性らしいことを考えていた。


タピオカエル。

それは、菓子の材料や料理のとろみ付けに使われるでんぷん質の卵「タピオカ」を産む魔物のことである。


前世では、若い女性からの圧倒的人気から乱獲され、絶滅しかけていたはずなんだが……この時代まで生き残ってたんだな。


そんなことを考えつつ、俺はキッチンに向かい……弁当を何食分か作り始めた。


兵!兵!兵!の開催日が近づいてきてるからな。

そろそろ、家を出て会場に向かわなければならないのだ。


弁当を作り終えると収納術にしまい、家族全員の出発すると告げた。


そして……結界を展開してゴドウィンに乗り、空に舞い上がった。




☆ ☆ ☆




「テーラス、お前ほんと器用だよな。俺ずっと前から全然魔法使ってないぞ?」


ゾファレン学宮都市上空を超え、モミー穀物農地上空にさしかかろうかという頃。

ゴドウィンが、そう呟いた。


ゴドウィンが言う「魔法を使ってない」というのは、グライダー高速飛行においてフェンリルが担当する風魔法を発動していないという意味である。


本来、それが無ければグライダーで遠くまでは飛べず、途中で着地してしまうことが多いのだが……今日は運良く、上昇気流を乗り繋げているのだ。


まあ……


「ちょっと無理に遠回りした場所もあったけどな」


「それにしても、あそこまで華麗に上昇気流を乗り継ぐ人間は、お前の前世の時代でもそうそういなかったぞ?」


「……そういう日もあるさ」


そんな会話をしながらも、俺はLC共振探知や転生探知で周囲を探索する。

ちょっと日程に余裕を持って出発したからな。

貴重な魔物とかが狩れそうなら、狩っていってもいいかと思ってそうしているのだ。


ここに至るまでは、特にめぼしい奴はいなかった。

だが……ここにきて、ちょっと着地して近づいてみるかと思える奴が、探知に引っかかった。


高純度のワートの魂を持つ魔族だ。

純度は前サイボーグ化させた奴と似ているし……もしかしたら、サイボーグ本人かもしれないな。


そう思い、声をかける。


「おーい、久しぶりだなあ!」


「誰……お前、まさかレーロンか? ……ぶっ殺す!」


人違い……いや、魔族違いだった。

ならば、殺す一択だな。

サイボーグはそう何体も必要無いし……そもそも、あれはエイリアン級の強力な魔石あって初めて有効と言える手段だからな。


前回は死後硬直中のクトゥグアをぶつけることで、簡単に魔族を瀕死に追い込めた。

だが、あの時解体のために死後硬直が終了するまでクトゥグアを外に置いたため、今は死後硬直中のクトゥグアを持ってはいない。


である以上、今度は俺の力で、このクラスの魔族を倒さなければならないわけだ。


まあ、それ自体は問題ない。

リミッター解除した俺ならば、10秒もあればこの程度の相手は始末できるからな。


だが、俺は単純な実力差ではなく、もっと別の方法でこの魔族を倒してみたいと思った。

より高純度なワートの魂を持つ魔族──リミッター解除した俺の手にも追えないレベルの魔族が、この世に存在しないとも限らないからだ。


そういうのと対峙した際の、予行演習を兼ねた倒し方を、ここでやってみようと思うのだ。


実は魔族には、俺にしか突けない致命的な弱点が存在する。


そこをちゃんと突くことができれば……俺はリミッター解除を使わずとも、この魔族を退治することができるだろう。


【次回のあらすじ】

もちろん、この魔族を「工夫したやり方」で討伐するわけですが……

(こういう終わり方をした回って、ネタバレさせない方が良さそうだからあんまり詳しく書きたくないってのが本音です……)

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新作始めました! 「俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件について」という作品です。是非読んでみてください!

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あと僕の別の連載も載せときます。本作と同じく、ストレスフリーに読める主人公最強の異世界転生ものです。
転生彫り師の無双物語 〜最弱紋など、書き換えればいいじゃない〜
良かったら読んでみてください!
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