表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/58

第34話 二番弟子、「妖艶なるもの」をスナイプする

「……設置完了」


俺は1本の木の上に、特殊加速装置を設置した。


この加速装置は、魔石を消費して気功波を加速するという点まではオーラバズーカと一緒だ。

オーラバズーカと違う点は、生じる気の場を調整することで、気功波の進行方向を変えられるとこだな。


これを自分と遠く離れたところに設置し、この装置に向かって気功波を撃って敵を狙えば、敵に自分の居場所を勘違いさせることができる。


また、オーラバズーカで直接狙うのと特殊加速装置を経由して敵を狙うのを交互に行えば、敵を混乱させることもできる。


安全な場所からの不意打ちで戦闘を開始できるのが、この装置を使う利点ってなわけだ。


もちろん、用途が用途なので、この装置には自動で魔石をリロードする機能を搭載してある。

機能が複雑な分、オーラバズーカに比べて制作は面倒だったな。


まあ、オーラレールガンの制作に比べればどんぐりの背比べもいいとこだが。


「ねえ、そういえばさっきさ、特殊加速装置で使う魔石に変わった術式を施してたのは何だったの?」


特殊加速装置の設置場所から離れるための移動中、マイアがそう聞いてきた。


「あれは『妖艶なるもの』に気功波が効くようにするための術式だ」


「なるほどね。それで、ピアヴェルピアを唱える事なく『妖艶なるもの』にダメージを入れられる、と」


俺の解説を聞き、マイアは納得したようだった。


そう。「妖艶なるもの」は、通常時には実体を持たない魔物だ。

「妖艶なるもの」に実体を持たせるには、声に魔力を乗せ、「ピアヴェルピア!」と唱える必要がある。

そうすれば、唱えてから3秒の間だけ、「妖艶なるもの」は実体化する。


ちなみにこれは、「妖艶なるもの」に近づいて戦う段階になったらマイアに担当してもらう予定だ。

声に魔力を乗せながらだと、攻撃の威力が落ちてしまうからな。攻撃役とサボート役を分担できるのはありがたい。


だが、これは「妖艶なるもの」に声が届く場所でやらないと意味がないため、近接戦闘でしか使えない実体化手段とも言える。


特に、不意打ちをする際には用いようの無い手段だ。

実体化させる過程で敵に居場所が判明するなら、それはもはや不意打ちと呼べないしな。


だから、別の方法で「妖艶なるもの」への攻撃が有効になるようにする。


その為に、特殊加速装置に用いる魔石にそれ用の術式を施したのだ。




「ここら辺でいいかな」


しばらく歩き、「妖艶なるもの」視点だと60°くらい違う場所についたところで、俺は不意打ちを開始することにした。


加速装置を起動する魔法を放ったあと、それを追うように気功波を放つ。


気功波が作動中の特殊加速装置を通ると、飛ぶ方向を変え、スピードも上がって「妖艶なるもの」に向かって飛んでいった。


数秒後。


遠目にわずかながら見える「妖艶なるもの」に、気功波が命中したのが見てとれた。


「妖艶なるもの」は、特殊加速装置に向かって一直線に動き出した。


あの速さなら、「妖艶なるもの」が特殊加速装置にたどり着くまでにあと3発は打ち込めるな。


そう思い、立て続けに2発、起動用の魔法と気功波のセットを放った。


そして3発目は特殊加速装置を通すのではなく、手元のオーラバズーカを用いて放った。


最初の2発が当たるまでは特殊加速装置まっしぐらに進んでいた「妖艶なるもの」だが、3発目が別方向から当たったところで動きを止め、戸惑うような素振りを見せた。


……これなら、戸惑っている隙にもう一発打ち込めるか?


特殊加速装置には、ちょっと余分にと思い計5発分の魔石をセットしてある。

オーラバズーカ用の魔石も手元に2つ。


「妖艶なるもの」実体化術式を施した魔石は、ほかの術式に干渉してしまう場合が多く、別用途に用いるのに適さない。


どうせなら、術式がかかった魔石は「妖艶なるもの」相手に全て消費してしまいたいんだが──


「始まったね、メニイコール」


「そうだな。こうなっては、これ以上の不意打ちは難しい。近接戦闘に切り替えるぞ」


メニイコール。

「妖艶なるもの」の主要攻撃手段である、強化版ケ・アナケアの大量召喚術である。


実体を持たない「妖艶なるもの」は、逆に言えばこちらに物理攻撃を加えることも不可能だ。


だから、召喚した手下に攻撃させるという手段に走るのだ。


まあ「ピアヴェルピア」の効果時間内に殴り返してきもしなくはないが、その頻度はあってないようなものだしな。


「妖艶なるもの」がメニイコールを始めると、殆どの遠隔攻撃は手前のケ・アナケアが身代わりとなってしまう。


だが、メニイコールを発動しているという事は、実は「妖艶なるもの」に結構なダメージが入っている証拠でもある。


しっかりと有利に立ち回ったところで、本番といこうか。


まあ、あれですわ。

特殊加速装置は、サイクロトロンの一部みたいなもんと思って頂ければ…… 


それと1つ、お知らせがあります。

僕、ブログ立ち上げました! リンク→http://novelimprove.net/


まだプロフィールページしか作ってませんが、これから僕の小説の裏話・裏設定などの記事を書いていこうと思っています。

興味のある方は是非見にきてね!


【次回のあらすじ】

2人による怒涛の連携攻撃のオンパレードです!

(多分討伐完了まで行けると思う)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作始めました! 「俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件について」という作品です。是非読んでみてください!

応援よろしくお願いします!小説家になろう 勝手にランキング



あと僕の別の連載も載せときます。本作と同じく、ストレスフリーに読める主人公最強の異世界転生ものです。
転生彫り師の無双物語 〜最弱紋など、書き換えればいいじゃない〜
良かったら読んでみてください!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ