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【第二章】第三十七部分

バッターボックスに立ったランボウは、エロザの言葉に真っ向から対抗した。

「あたいには、そんな脅しは通用しないぞ。キャプテンなんだからなっ!」

一番ランボウは全力で打つ気満々である。

「やめて~!」

美散の声に押されて、中途半端な打撃。あたりそこねのヒット。というより、わざとセーフにしたエロザは次のバッターを指名した。わざとセーフにした場合、相手から一度指名できるシステム。『指名代打』と呼ばれている。

エロザは左手を巨人軍ベンチに向けた。

「アナタガ、取リ戻シタイモノハ、ワカッテマスヨネ?星ニ手ガ届キソウダト思ウノハ、タダノ幻想、妄想デス。」

「むむむ。そんなことない!どんなに遠くてもいつか掴むことはできるんだよ。愛の広がりは、宇宙を遥かに超えるんだから。」

「無駄ニ強気ヲ標榜シテモ、打ツノハ、コレダトイウ事ヲ、オ忘レニナラナイヨウニ。」

エロザは右手に握り締めたスケルトンボールを美散に示した。

こうして代打美散登場となったが、美散の顔色は曇りを超えてすでに雨天状態である。

「あの中にはレイちゃんが入ってるんだよ。それを打てるわけないよ。」

美散はバットを持つ手が震えていた。

「負けたら、玲駆譲りの調印式だぞ!」

一塁からランボウは強い調子で、美散をけしかけた。

「そ、そうだね。ぜ、全力で軽打するよ。」

矛盾に代わる新たな四字熟語、全力軽打を作った美散。

「衝撃ノ少ナイ、バッティングヲシヨウト、シテルンデショウガ、僧ハ、ウマク、逝キマセンヨ。コノ一球デ、婚姻ノ権利ヲ奪取シマス!」

エロザは、剛球を投げてきた。球の威力に対抗するためには、かなりのパワーが必要となる。

「無理、無理、無理~!」

美散が叫んだ時、ボールから声が聞こえた。

「俺のことは気にするな。全力で戦え。これは真剣勝負のスポーツなんだぞ!」

「そんなことできないよ。まともにバット振ったら、レイちゃんは確実に死んじゃうよ!」

「そんなことはない。俺は富士見の玲駆だ!」

「こんな時に、富士山見物?レイちゃんはただの人間だよ。レイちゃんを殺すなんて、あたしにできるわけないじゃない!」

「いいから打つんだ!俺の言うことが信じられないのか?お前は好きな男の声に傾ける耳を持っていないのか!」


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