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【第二章】第七部分

そして、この日の夜の巨人軍寮。

美散は目線を大きく下に向けて、智流美に諭すように話している。

「まわりにそれとなく話して仲間を増やす、アメーバ作戦だよ。」

「仲間?いったい何をしろって言うのよ。」

「担任が遠足を中止しようとしても、クラス全体が反旗を翻せば、スカートをめくるのと、同じ効果が見込まれるよ。」

「スカートめくりと何の関係があるのよ。」

「スカートをヒラヒラすればパンツがチラチラして、みんなが同じことに欲情するからだよ。」

「言ってることが全然わからないわよ。」

「要はみんなに遠足に行きたいと言わせればいいんだよ!智流美はあたしにぺたぺたしてほしいと言えばいいのよ。つるつるぺたぺた。」

 智流美は必死の形相で、美散による、胸部集中狙いアタックを防御するのに精一杯であり、アメーバ作戦を考える余裕を失っていた。


美散は完全体のボッチである。ボッチは美散が智流美に変わっても同じ。ボッチはDNAに組み込まれており、死ぬまで治らないものである。性格が変わったとかいうことは人間が成長する中でたまに起こる現象ではあり、美散は巨人軍入団後、おずおずとしたところは小さくなっている。しかし、ボッチは性格ではなく、本能である。五感と同じカテゴリーに属する機能であり、変わることはない。

美散ボッチはからだごと、智流美に伝わっており、智流美はボッチとして、教室の隅っこで遠足を叫んだが、誰も聞いてない。

「どうしようもないじゃない!美散の指示を果たせないわ!」

悲嘆にくれる智流美は、教室のカーテンの中で喚いていた。

そんなカーテン巻き寿司に声をかける者がいた。

「美散。そんなところで簀巻きになって、いったい、どうしたんだ。」

「彫り物背中がアタシに声をかけてくれた?」

美散は巻き海苔を剥がして、外気に触れた。

「べ、別に何でもないわ。」

「そうか。ならば良かった。カーテンを元に戻さないと、眩しいだろ。」

「あっ。そういうこと。ガックリ。」

急転直下、肩を落とす智流美。

「でもこんないい天気の中で、遠足したいよな。」

ポツリではなく、ハッキリとした声を口にした玲駆。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「そうだよね!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

遠足実施に女子全員が大呼応した。

男子の多くも女子たちに賛同し、男性教師に遠足実施を百姓一揆・強訴して、遠足は行われることとなった。

歓喜する智流美を眇めた目で眺めるエロザであった。


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