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【第二章】第四部分

「ツーアウトか。あとがないな。でも真打ちのひと振りがあればそれで十分だ。」

バットを引きずりながら、ゆっくりとバッターボックスに向かうランボウ。引きずられた跡は、枯れた川のようである。

ピッチャーの視線は、それまでとは違って、獣のようなものに変わっていた。

ピッチャーは、ランボウが打撃の構えをするや否や、ボールを投げた。

『ギュルル~』と唸る豪速球は、ホームベースではなく、ランボウのヘルメットを目掛けていった。

「おおっと!いつもの洗礼か?狙っていたようにしか見えなかったが。」

上半身をそらして、事もなげに衝突を回避したランボウ。しかし、ボールはバックネットではなく、前に飛んでいき、二塁線のファールとなった。

「サア、ドウデショウ。手元ガホンノリ、クレージーダッタヨウナ、気ガシマシタケド。シカシ、アンナ、セクシーナ腰ツキ、イヤ態勢デ、バットニ当テタトカ、クレージーデス。」

「ははは。クレージーとは、褒め言葉と受け取っておこう。」

ランボウはビーンボールに対して、のしをつけて打ち返していたのである。

「トモヨンサンモ、ムカツキマスガ、コノ乱暴者ハ最悪バッターデス。ダカラ、コノコースニ投ゲマス。」

すぐに投球動作に入って、今度はランボウのお腹辺りにやってきた。

『カキーン』という綺麗な金属音を残して打球は、軽くフェンスを超えた。ドラエロ悶の判定はファール。

「ヤッパリ、悪球打チノ、ランボウサンデスネ。ヘンタイ的ナ、フォームデ、タマタマヲ、アシライマスネ。」

「さすがエロトークの大家だな。でも次もあたいのからだを狙うなら照れちゃうな。」

「ソンナ余裕ハ、コレデ、萎エ場スキー場デス!」

今までにないぐらい、肩の筋肉に気合いを入れたピッチャーは、乾坤一擲の一球をランボウに投げ込んだ。

「コレナラ、ヨケタリ、当テタリ、スルコトモ、デキナイデショウ。オーホホホッ。」

ボールはバックネットにぶつかり、ボールと判定された。

「アレ?バッターガイマセン?」

「ここだよ。」

「ドコニイルノデス?」

「ここだよ、ここ。」

「ツ、土カラ、バットノ木ガ生エテマス!」

「違うよ。ビーンボールが危なそうなので、土の中に潜り込んだだけさ。巨人軍のパワーなら、土を瞬時に掘るのはお手の物さ。」

グラウンドには、直径1メートルの穴が開き、そこからバットの太い部分だけが出てきており、スイングができる状態ではない。バットの先端に穴が空いており、『スー、ハー』という音が聞こえることから、どうやら池に潜る忍者が呼吸するために使っているのと同様に見える。

「ナント、卑怯ナ。昼間ニ、バットヲ振ラナインデハ、野球ニナリマセンワ。夜マデ取ッテオクツモリデスカ?」

「陽動には乗らないよ。これがあたいのやり方さ。自分の身を守ることが第一だから。試合結果は二の次。」

「「「「「キャプテン、ダメだ。」」」」」

双方のベンチからブーイングが大量発生した。

「これがランボウ野球なのさ。巨人軍は淑女誰?と言うだろう。」

「「「「「言わない!」」」」」

これまた双方のベンチの呆れボルテージを増幅させるだけだった。


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