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【第一章】第九部分

背中を丸めていた美散は、後ろを振り向いてナッキーの方を見た。

「そ、そのナッキーっていう人、何か変わってるよ。指が伸びてるよ。いや、そうじゃなく、爪が伸びてるんだ。そ、それで何をしようって言うんだよ?」

ナッキーは長くなった爪で自分の顔を強く引っ掻いて、出血している。

「これは、狂気な凶器ですっ。痛いけど、実に気持ちいいですっ。」

ナッキーは爪を前後左右に動かして、目の周りを強調し、そこから顔全体に引っ掻き傷を作り、その溝を出血で埋めていく。次第に髪も伸びてきて、腰まで達した。

出来上がったナッキーの顔と髪を見て、美散は思わず声に出した。

「こ、この造形美、カブキモノだよ!」

「わははは、その通りですっ。いよぉ~、ぺんぺんぺん。」

ナッキーは鼓を叩くような仕草をして音を出して、美散を見つめている。

「そちの姿、見苦しきなり。かくなる上は、左様な鈍亀様式、現世(うつしよ)より放逐するなり~。ですっ。」

ナッキー(カブキモード)は、亀状態の美散をひっくり返して、お腹を露出させた。

「きゃああ。や、やめて~。あははは~!」

ナッキー(カブキモード)は美散をくすぐっている。美散は苦しみ、悶えている。決して喜び、快感の様子ではない?

「ほれほれほれ、どうじゃ、どうじゃ。我が掻痒流法は、ですっ。」

「やめて~。このままじゃ、狂い死ぬよ~!バタン。」

ナッキー(カブキモード)のくすぐりパワーの前に、美散はあえなく力尽き、それを見たナッキー(カブキモード)は、つまらなさそうにダッグアウトに引き下がっていった。


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