第4話 爆乳美女! その体はダイヤモンド!?
前回のあらすじ。
壊した街をめちゃくちゃ復興した。
あと女神は元漬物石の神だった。
「旅の方なのにこれだけ我が街に尽くしてくれるとは、世の中捨てたものではありませんな!」
「アハハ、タイシタコトナイデスヨ」
「デハ、ワタシタチハコレデ」
俺の寿命のため、困っている人はいないかと意気揚々街に来た俺達だった。
確かに困っている人は山ほどいたよ。俺のせいでな。
残り寿命、10時間
「やっぱり、俺が原因だから増えねーよな……」
「流石にあの惨状を見て放っておけないわよね……」
いくら自分の命が終わりそうだとはいえあの惨状を見て無視するわけにはいかないだろう。
『神の慈悲』の誓約を見ると、マッチポンプで金を得たり不必要に名声を得るとペナルティが加わるらしく、表では普通に手伝い、裏で隠れてスキル『万物創造』で壊したものを治していった。
「スキル発動、『ヘル・イヤー』うん、もう困ってる人はいないみたいだな」
「それはよかった。けどそれは困ったわね……」
復興のついでにあらゆる手伝いをして来たが、ほぼ全て俺に原因があるので寿命が回復することはなかった。
残り10時間をきっており、このままではまずい、非常にまずい、なにか小さな事でもいい! なにか困ってる奴はいないか!
「た……けて……」
「ん? なにか聞こえるぞ!」
「え!? なになに? 困ってるひとがいるの! どこよ!」
「たすけ……て……ワタシはここに……」
かすかに俺の『ヘル・イヤー』で助けを求める声が聞こえた! かなり遠いみたいだが今すぐ助けに行くぞ! 俺のために!
「カヤノ! 遠くで助けを求めてる人がいる。すぐに行くぞ!」
「よし! ここから離れてるならペナルティはないわね!」
「待ってろよ! 『転移』!」
スキル『天の目』で声が聴こえてきた場所を特定し、転移することができた。
しかしなんとも不気味なとこである。
なにやら幽霊でもでそうな程暗いボロボロの神殿が建っていて、この中から声が聞こえるのだ。
「うっ、なにかわからないけど気持ち悪いわ、早く助けてここから出ましょう」
「すいませーん! 誰かいますかー! 助けに来ましたよー!」
いくら最強のステータスを持っているからとはいえ怖いものは怖い。
助けを求める人のため、何より自分の命のため勇気を振り絞り中に入っていった。
「ああ、助けに来てくれたのですね。有難うございます……」
今にも崩れ落ちそうな扉を抜け、神殿の中央に行くとそこには魔法陣の上で鎖に繋がれた金髪のエルフがいた! エルフだ! 耳長い! 胸大きいぞ!
「大丈夫ですよ、お嬢さん。フッ……僕が来たからにはもう安心です」
「有難うございます。貴方はなんと心優しい方でしょうか……」
何やらとても弱ってる様子で、これは今すぐ助けねばなりませぬなぁ!
できる限りのイケメンボイスで彼女を優しくいたわりポイントをあげようとした時、カヤノが茶々を入れてきた。
「ちょっと待ってマサル、なんだかおかしくない? 生贄にしては呪術士はいないし、この魔法陣は封印するためのものよ、しかも強力なやつ」
「ワタシは高位の僧侶でして、その力を妬んだダークエルフに封印されてしまったのです……」
「なぁーんだ怪しくなんかないじゃないか、可愛そうだしすぐ助けてやらなきゃな、スキル発動、『解呪』」
「ちょっと! まちなさい! もしかしたら……」
妬みで囚われてたなんてまるで俺のようじゃないか、(違います)そんな人は放っておけないにきまってる。
『解呪』で封印を解いてやると、ステータス画面の寿命が3日プラスされていた。
よかった。やっぱりいい事じゃないか……
だがこんなとこに強力な封印をされていたのだ、それを助けたのに3日は少なくないか?
「ありがとうございます。 おかげで……300年ぶりに自由の身になれましたわ」
「え? 300年?」
そんなに封印されているならば余計に3日はおかしいはずだ。
そう疑問を浮かべると、エルフの体から禍々しい何かが吹き出してきた。
「ちょ、これって弱体化の霧よ! やっぱりコイツ危険だから封印されてたのよ!」
「愚かな方々、今頃気づいてももう遅いわ、もはやあなた達は立つこともできない!」
「……………………?」
「………………………。」
「……え? どうして?」
「私女神だからこの程度の呪い系は効かないわよ」
「ステータスオープン、まあ、∞て下がっても∞だしなぁ」
「え!? なんで? どうして効かないの!?」
スキル『大賢者の知恵』で解析したところ、この弱体化の霧はかなり強力でまともに浴びればやがて心臓を動かす力もなくなるほどらしい。
まぁ強すぎてデバフなんてかけられても意味ないんだけどね。
「はぁ、やれやれよね。待ってなさい、より強い封印してあげるわ」
「ま、待ってください! これには訳がありまして!」
「まてまて、なんでか寿命が3日伸びたんだ。このまま封印したら元に戻っちまうぞ」
「あー、ナルホドね。300年の封印から解き放った善い事とそんな化物エルフを解き放った悪い事で相殺されてプラス3日になったのね。仕方ないから聞いてあげるわ、早くして頂戴よ」
「いいんですか! ありがとうございます!」
よほど自分の力が通用しないことに恐れをなしたのか土下座をして感謝をしだす金髪エルフ。
土下座ってのは力があるな……
何やら深い事情がありそうだし聞いてみることにした。
「……というわけなんです」
「あぁ……そう、」
「気持ちは分からなくはないけどそれはどうなの?」
詳しく話を聞いた結果、とても微妙な気持ちになった。
このエルフの名前はユリヤと言う。
ユリヤは産まれ付き身体が弱く、何時も家に引きこもり友達と遊ぶことさえできなかったようだ。
そんなある日エルフの里に1人の僧侶が現れ体を強くする所謂バフ魔法を教えてくれたらしい、そのバフ魔法のお陰で外で遊ぶことができるようになり、幸せに暮らしていた。
だが常日頃から身体にバフをかけ、魔法が馴染みやすいエルフの身体が異変をきたしてしまい……。
とんでもないマッチョになってしまったらしい。
「そうなんです……そのせいで! ワタシはエルフの里から迫害されて……!」
「でも今はその……胸が大きいだけでふつうの可愛らしい見た目してると思うのだけど?」
「はい、それからこの見た目を抑えるため、悪魔に騙されて買った弱体化の魔石を使ったらまたしても魔法が身体に融合してしまいこんなことに」
なんというか……不幸なエルフだ。
それで弱体化の霧が身体から溢れるようになり封印されたということらしい。
「なるほどね、じゃあ簡単なことじゃない! マサルがスキルで解呪してあげればもう封印されることはないわね。それに善い事をして寿命も伸びるし一石二鳥だわ!」
「あ、なる。よし、スキル発動『解呪』」
「ちょ! ちょっとまってくだ……」
BOM!
『解呪』を発動し、弱体化の魔石を無効化すると。
そこには金剛石のごときマッチョがいた。
最強の男、マサル
残り寿命、2日と5時間(エルフ解放で3日プラス、全裸にしたためマイナス1日)
命の負債、《1万年》
漬物の神様でカヤノヒメという神がいらっしゃいます。