表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/42

第3話 超大惨事! 街を復興せよ!

 前回のあらすじ。


 命の負債が1万年になりました。




「ここまで来るのにどれだけかかったと思ってるのよ! クソッ、クソォ!」



 なにやらブツブツと怨みごとを言いながら草をブチブチとひきぬいている。

 正直関わりたくない。取り敢えず今の状況をおさらいしておこう。



 まずスキル『世界の監視』これは俺が悪と見なされることをするとその悪さの度合いによって寿命が減らされる。

 

 そして『神の慈悲』これは逆に善と見なされることをするとその善さ度合いで寿命が増える。ただし自分が壊したものを治すなどしても増えることはない。

 

 それ以外にも色々の制約があるらしい、ただ胡散臭い契約書並みに回りくどく、やたらと長いので落ち着いてから読むことにしよう。



「おい! いつまでやってんだよ! このままいったら俺達は死ぬんたぞ!」


「うるさいわね馬鹿! お茶くみとかカバン持ちして築き上げた私の地位がなくなりかけてんのよ! アンタはただのニートだからわからないかもしれないけど、世界を任されるまでどれ程プライドを削り捨てたことか!」


「う、うるせーよ! 馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだよバーカ!」



「アンタなんかに手心を加えたのが間違いだったわ……」



 それにしてもおかしい話である。いくら可哀想な人生をおくっていたとは言え、不釣り合いなほどえげつないチート具合なのだ。




「そもそもなんでこんなに力をくれたんだ? 下手にバッドスキルつけるぐらいだったら控えめにしてればよかったじゃないか」


「ふっ、アンタのご先祖様と深い繋がりがあってね、ついやりすぎたのよ、実は言うとアナタと私は家族のようなものなの」



「まじか!? じゃあ俺には神の血が流れてるのか?」


「まー間違っちゃないわね、だからちょっとやりすぎちゃったの、でもこの秘密はもっと盛り上がってから解き明かされないと駄目よね! 詳しくはラスボスの前でドラマティックに判明するから好ご期待!」


 

 もしかしたら神に関わる何かがあるかもしれないと、ステータス画面を見る。

 そうすると膨大なスキルの羅列の中に目を引くものがあった。



 『アカシックレコード』あらゆる記憶を有する。このスキルを使うと何でもわかるぞ。

 


 とんでもねぇチートだな……取り敢えず使ってみるか。



「スキル発動、『アカシックレコード』この女神について詳しく」



 『アカシックレコード』起動

 女神カヤノ、1000年以上前に産まれた神である。古くからマサルの先祖とは密接な関係にあり、その一族を見守っていた。



 おお、本当に俺と関係がある神様なのか。

 ただこのスキルかなり説明がアバウトだ、もっと詳しく知りたい。



 注意、このスキルは本人の知能レベルに合わせて表示される。

 知能レベルを超えて使用しすると世界の記憶を見てしまい人格が変化する可能性あり。



 怖! 俺の力はデメリット付ばっかりかよ! どうやら多用しすぎると俺が俺でなくなってしまうらしい、やめておこう。

 


「というか元はなんの神様だったんだ?」


「え!? それはそのー、まあいいじゃない! いい女神には秘密があるものよ!」



「じゃあスキルで調べるか」


「まった! 言うわよ! 自分で言うから!」



 なんだか知らんがあまり言いたくないらしい、神様にも言いたくない秘密があるのだろうか。

 


「私は元々つ、、、、しの神なの」


「え? なんだって?」



「だから! つ、、、、しの神よ!」


「ゴニョゴニョ何言ってるからわかんねぇよ、つくしか? お前つくしの女神か?」



「…………つけものいし」


「…………はい?」



 聞き間違えたかもしれない。

 ツケ・モノイシ? つけものいしってなんだっけ?

 

 あまりの出来事に思考がフリーズしてしまう、神様って色々あるんだなぁ。



 …………まさか漬物石か?




「ぶははははははははははは!!」


「何がおかしいのよ! 漬物石よ! 悪い!? アンタの先祖は昔から漬物屋さんでアンタの一族は皆私の力に頼ってたんだからね!」



 漬物石! 漬物石の神! そう言えば俺の家は代々続いてる漬物屋だった。

 俺も毎日の食事にお世話になってると欠かせない物だが漬物石かよ!

 まさかこいつの髪が薄緑なのはキュウリか!?

 

 その後喚きながらも首を絞められたが、俺の笑いは止まらず息が切れるまで笑い転げた。



 〜1時間後〜



「ちょっと、もういいでしょ! そんな事よりこれからの事を考えないと」


 確かにその通り、俺の寿命は23時間をきっていた。

 このまま行けば俺とコイツは何もしなくとも明日の朝日は拝めないだろう。



「スキル発動、『千里眼』おお! デカイ街が目の前に見えるぞ! あそこに行けば困ってる人なんていくらでも居るはずだ!」


「なるほど、人が大勢いればそれだけ善行を積めるわね、いい考えじゃない! 早速行くわよ!」



「よし! スキル発動『転移』! あの街まで!」



*****



「うわーん! ママー!」


「俺の家のローンが! コレじゃ生きてけねぇよ!」


「災いだ! この街はもうおわりなんだぁ!」



 はい、大惨事です。

 そう言えば神様がそんなこと言ってたな、街がメチャクチャだって。

 

 神の力のおかげか、かろうじて死人は出てないらしい。だが泣き叫んでる子供、崩れ落ち絶望してる人、大きく立派だったろう屋敷が廃墟に。



「……………………。」

「……………………。」


「旅のものか、すまないが今ご覧の通り街は大変な状態で案内はしてやれそうにないよ。もし良ければ救助を手伝ってほしいんだが」


「ハイ、ナンデモシマス」

「ソウネ、ミヲコナニシテハタラキマスワ」



 この後スキル『万物創造』でメチャクチャ復興した。




最強の男、マサル


残り寿命、10時間12分


命の負債、《1万年》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ