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第2話 借金地獄! 残り寿命-1万年!?

 前回のあらすじ。

 

 残り寿命が1日になった。





「アァaーーーーーー!」



 俺の寿命が1日!? 

 ちょっと汚い女神を突き飛ばしただけでペナルティが重すぎないか!



 「ーーーーーーーばへっ!」



 まさかの事態にあわてふためいていると、背中に何かが物凄い速さで激突してきたのだ。

 突然の事に驚き振り返るとそこには先程吹っ飛んでったはずの女神の姿がそこにあった。



「あ、あが、世界が、まわる、わ」



 見るに耐えないほどボロボロになった女神が仰向けに倒れ、目を回している。

 もしかしてコイツこの世界を一周してきたのか?

 

 それにしては頑丈だな……。



「貴様ら! 何をやっておるんじゃ!」



 空から怒鳴り散らす神の声が聞こえてきた。



「貴様が突き飛ばしたコイツのせいで人間達の街や城がメチャメチャじゃぞ! 今の貴様はとんでもない力を持っておるんだ! 手加減せんか!」



 世界一周するほど強く突き飛ばした覚えはない、流石にここ迄の力があると誰が予想するものか。



「まさかここまでとは思わなかったんです! それに本当に1日で死ぬのか! 俺死ぬのか!」


「ワシが手心を加えなかったら今頃貴様はチリも残さず消え去っとるわ!」


「どうかご慈悲を! ガミザバ! ごしびをー!」



 正直チートなめてた! 

 

 死んだばかりだというのにもう一度死ぬなんて嫌だ!

 俺はありとあらゆる体液を噴き出しながら天に向かって土下座して許しを請うた。



「あいたた……ほら見なさい! 女神の忠告を聞かないからです! 私に対する非礼を詫びるなら慈悲を与えてもよろしくてよ!」



 世界一周旅行をして目を回していた癖に女神がドヤ顔でふんぞり返ってやがる。

 クソッタレ! ここぞとばかりに復活して偉そうにしやがって!

 

 ただこれ以上何かをして死んでしまったら元も子もない、一先ずはこの状況を切り抜けなければ!



「私めが悪うございました! 偉大なる超絶美人女神様!」


「口だけではなんとでも言えるのです。そのような態度では許すことなんてできませんね、オホホホホ!」



 どこが女神だ!

 とんでもない性悪女じゃねぇか! でもここは耐えて頭を下げなければならない、俺の明日を握ってるのはコイツだ。



「ワタクシのようなゴミが世界最高の女神様になんてことを! どうか哀れみを〜!」



 プライドなぞ全て投げ捨てデコで地面を堀りながら頭を下げる。

 その代わりここを切り抜けたら空の彼方に消し飛ばしてやる!


 「オホホホホ!」と、絶頂してしまいそうなほど気分を良くした女神であったが。



「何か勘違いをしておるみたいじゃが、コヤツが死ねば貴様は責任を取って神を辞めてもらうぞ」



 神の言葉で一変した。



「なぜ? なぜなぜ?? 神様! どうしてでずが〜!」


「お許しを〜! ワタクシにお許しを〜!」



 あまりの無情な言葉に2人して泣け叫び土下座を始めた。

 全国土下座大会があるなら俺達はワンツー・フィニッシュだ。



「アホみたいな力を与えた責任じゃ! 元の寿命より早く死んだ場合責任を取ってお前は神界追放!」



 神からしたらとんでもない罰なのだろう、彼女はイヤダイヤダと駄々をこね地面を転がり始める。



「ふむ、しかし慈悲がないこともない、このような不祥事が他の神に知れたのならば責任問題になりかねん。ただでさえワシの座を狙ってるものがおるのだ、それは避けたい」



 なんだか汚い大人の事情みたいな話になってきたぞ。

 だが死ななくてすむなら何でもいい! 媚びまくって慈悲をもらうのだ!



「へへぇ、そうですよね! いやー神様は大変ですよね! 気苦労が耐えないでしょう! イケメン! 渋い! 憧れるぅ!」


「偉大なる神様! 私もあなたに憧れて女神になったんですよ! 偉大! 最高! モテモテ!」



 どうにか機嫌を取ろうとヨイショをしまくる。

 しかし語彙力がショボいのが知能の無さをモロに表しているのが哀しい。



「ふむ、そなたらは見込みがあるな。 ワシは心が広い、慈悲を与えてやろう」



 「ちょろ、有難うございますぅ!」



「では特別にスキルを与えよう、ステータス画面を見るがいい」



 俺はすぐ様ステータスを見た。

 


 スキル 【神の慈悲】NEW‼




「そのスキルは善き行いをすれば寿命が伸びるというものだ、では検討を祈っておるぞ」



 スキルの詳細を見ると。


 善き行いをするとその程度によって寿命が伸びる。

 ただしマッチポンプは認められない。

 

 現在の負債は1万年。



 善き行い、人助けをしたらいいんだな、この力があれば簡単な事だ。

 

 マッチポンプと言うのは、例えば自分が壊したものを直してもそれは善き行いとしてカウントされないって話か……



「んんんんん????」



 下に書いてある負債とは? 1万年? どういうことだ?

 エラーか? バグか?



「おお、ちなみにじゃが先程犯した罪が多すぎてな、負債は女神にも受けてもらうぞ」


「!?」


「なんとか1日抑えてやったがな。このまま多大な負債を抱えたままコイツが死ねば貴様も死ぬ。以上じゃ、お主等の活躍に期待しておるぞ」


「?!?!?!」



「ぞんな〜! おじひを〜!」



 とんでもないことになった。

 異世界でチートを貰ったはずが残り寿命が1日、さらに命という借金を背負ったとんでもない状況。

 


 空に問いかけても神の声が聞こえてくることはなく、只々女神の絶叫が辺りに響き渡る。

 


「これはもう、詰みだな」





 最強の男、マサル


 残り寿命 23時間40分(数多の物を壊し、人を傷つけた為マイナス1万年と1日)


 命の負債 《1万年》


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