第三二話
本編32話です。
六月一四日 一二時三〇分
「今日の講義はここまでにする。プリントを提出した者から退出して良い」
教壇に立つ教授が放った講義終了の声に周囲の人達は教壇横にある長テーブルにプリントを出し、講義室から出た。
「琴音~。お昼食べよう~」
「うん♪」
隣に座っていた大学の友人に誘われ、教授にプリントを提出した私は友人と一緒に大学から歩いて五分先にあるカフェに昼食を取りに行った。
カフェは他の学生や一般の人でいっぱいになっていた。ギリギリ二人席が空いていたので私たちはそこに座った。友人はミートドリア、私はサラダパスタを注文した。
「琴音~、プリントどうだった~」
「う~ん、出来たか聞かれれば出来た感じはするけど不安かな......」
「うちも......。あの感じだと前半部分が同じ、①か④だと思うけど......。みんな、それらのどちらかに分かれるでしょうね」
噂には聞いていたけど、本当に難しい問題だった。四つの選択肢があった事に関しては救いだったが、答えまでは資料や条件を基に導き出さないといけないから大変だった。
「期末試験があるから挽回できるけど。美容に悪いから不安は抱えたくないな~。もしもの時はお願いね、琴音」
「うん♪」
「そういえば、琴音は親戚の家に居候しているんだっけ」
「うん♪ そうだよ」
「良いよね。一緒に住む人が居て。私は一人暮らしだから孤独の日々......」
「いつものネガティブが出ているよ」
「だって寂しいんだもの」
「誰でも良いから付き合って欲しい。琴音でも良いから......」
「私......?」
友達の言葉が心に引っ掛かる。
「私も分かる、その孤独が。恵まれてチャンスがあるのに、うまく踏み込めない」
「琴音......。」
「良いよ❗ お互いに支えあいましょう。そうすれば寂しくない。確か一人暮らしだよね。時々行くから孤独を埋め合いましょう」
自分が考えた道に友達は来るか。
「うん...そうしよう」
結果、友人は私が考えた道に来ることを決めた。
美幸さんと里恵の間に入れない私は孤独を感じ、友人と孤独をなぐされることにした。
読んでいただきありがとうございます。




