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琴音の声
第二八話の後日談です。
私にとって里恵お姉ちゃんは何だろう。私の母はお姉ちゃんの叔母である。近い位置にいて、遠く感じる。お姉ちゃんは幼い頃から年長者として面倒見てくれて、頼もしい年近者であった。だから、困った時は頼っていたし、遊んでくれた。しかし、その頼もしさ表面上のもので、内面は私と同じか弱い人だと知っていた。それでも私はお姉ちゃんを頼っていたから、あの時、お姉ちゃんは苦しい思いをした。
私はそのお詫びをするために今ここにいる。一生掛かっても、償いきれるか。好意と罪への意識が渦巻く心の中で、償おうと決心した時、私はもう一つの現実を突きつけられた。そう、お姉ちゃんはあの人と付き合っていること。香澄さんからは仲の良い店員と常連さんと聞いていたが、お姉ちゃんがあの人とキスをしていた場面を遠くから隠れて見た時に実際は店員と顧客の関係ではないことを確信した。私がお姉ちゃんといるより、あの人といる方がお姉ちゃんは幸せになれるだろう。いや、『なれる』が正しい。
なぜなら、私は『過去にお姉ちゃんを苦しめた人』であるから。
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