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第二五話

本編第二五話です。

四月二日


私にとって、桜とは何だろう。春の花。それとも出会いと別れを感じさせる花。一つの物から、いろんな事がイメージできる。少なくとも、私の中では出会いと別れを感じさせる花だとおもつている。お姉ちゃんと長い間、会えずにいた。しかし、今月からお姉ちゃんと住む事になった。会えなかった分の穴埋めとして、これから楽しく過ごしていきたい。今日もその一つで、お姉ちゃんや香澄さん達と一緒に桜を見に来た。『お姉ちゃんと良い思い出を作るぞー!』と思った矢先に私はお姉ちゃん達とはぐれてしまった。人がたくさんいて、お姉ちゃん達がどこにいるか、そして、自分がどこに今は、分からない。

「うぇ~、どこにいるの・・・。あっ!」

私の横を長身の女性が後ろから勢いよく走ってきた。一瞬、目の前の人混みの中にお姉ちゃんと同じ服を来た人を見つけた。私は急いで駆け寄り、お姉ちゃんだと思い服の裾を引っ張った。しかし、その人はお姉ちゃんではなく、全くの別人だった。

「本当にお姉ちゃん、どこだろう・・・」

心の中に不安が募り、私は今にも泣きそうになりながら、身体を縮めて歩いた。その時、私は誰かとぶつかった。私は急いで謝ろうとしたが、開いての方が先に謝ってきた。

「すいません、お怪我はありませんでしたか」

「こちらこそ、すいません。人探しをしていまして、私が悪いんです。よそ見をしながら、歩いていた私に非があります」

「あまり重く思いつめないで。あなたも人探しをしていたんですか。すみませんが、私くらいの身長で勢いよく走ってきた女性の方を見ませんでしたか」

「あぁ、そういえば先ほど、はしゃぐように走ってきた女性を見ましたよ。確か、あっちの方で見ましたよ」

「ありがとうございます」

「あっ、すいま・・」

女性は私の聞かれる前に自分が指差した彷徨へ走っていった。便りがない状態でお姉ちゃんを探すことになったが、もう嫌だと思い近くの桜の木の下に足を止めた。昔も同じ事があった。自分が山で迷子になり、あの時はお姉ちゃんが泥まみれになりながら、自分を見つけてくれた。

(昔と同じように見つけてもらえないんだろう)

心が諦めかけていた時、聞き覚えのある声が聞こえた。

「琴音ー!」

「お姉ちゃん!」

すぐにお姉ちゃんの声だと気付き、私は声のしてきた方へ走った。そして、声の主を見つけた。それは自分が探していたお姉ちゃんだった。私はお姉ちゃんを見つけ、抱きついた。

「琴音!良かった」

「お姉ちゃん・・・」

「良かった・・・本当に良かった・・・」

私とお姉ちゃんは今にも泣きそうになっていた。そして、お姉ちゃんのいた方向から香澄さが来た。

「あらっ、見つかって良かったわ」

「香澄さん、お姉ちゃん、ごめんなさい」

「気にすることないわ。さっ、行くわよ。早くしないと置いていくわよ」

香澄さんが歩き始め、お姉ちゃんは私の手を握った。はぐれないように。優しく、そして温かく。

読んでいただき、ありがとうございます。

次回の信頼の百合の華ですが、2月17日に投稿します。

その代わりに別作品の百合短編を書きましたので、2月10日はそちらを投稿します。

タイトルは「あなたが居てくれて」です。

よろしくお願いします。

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