第一七・五話
本編第一七・五話です
さっきまで、美幸さんと別の女性の方、目の前に座っている女性の四人と一緒にピザを食べていた。香澄さんがスイーツを取りに行っている。今、テーブルにいるのは、私とご一緒している女性の二人。
「里恵ちゃん、美味しそうに食べていたね♪」
ピザを食べている私を見て、相手の方は頬をつきながら言った
「本当に美味しいので、つい食べてしまいますね」
「このお店は友人が働いていて、『安くするから来て』と言われてきたんだ」
「どうりで安かったんですね」
「里恵ちゃんが喜んでくれるなら、美味しいお店に連れていってあげるよ。そろそろ年越しも近いから、蕎麦とか」
「その時は、よろしくお願いします」
今まで、和気あいあいと会話をしていたが、ある言葉で雰囲気は引き締まったように変わった
「里恵ちゃんは、美幸と一緒にいて、楽しい?」
「そうですね。職場の話や趣味の話など、いろんな話をしてくれので、楽しいです」
「そうか、良かった。もし、あいつが変な事してきたら、私に言いなよ。その時は、あいつをけちょんけちょんにしてやるから」
「さすがに美幸さんが私に変な事してきませんよ(笑)」
「あいつと話している時の里恵ちゃん、活き活きしているから、安心するよ。なにせ、みんなの人気者だからな」
「そんな事ないですよ」
人気者と言えば、そうである。みんな、私を人気者のように可愛がってくれる。
「だから、里恵ちゃんが元気なら、私たちも元気になるし、里恵ちゃんが悲しい時は私たちも悲しくなるんだ。なぜ、こんな事を言ったかと言うと、最近の里恵ちゃん、いつもよりどこか浮かない顔しているんだ。特に美幸と話している時、笑顔だけど浮かない顔をしているよ」
この人の言う通り、美幸さんと話している時、浮かない顔をしている自覚はある。それは美幸さんへの好意に由来する。もっと話したい、もっと一緒に居たい、もっとあの人の事が知りたい。でも、私があの人を拘束していると思うと、どこか心が苦しくなる。
「でも、美幸の野郎は里恵ちゃんと話していて、楽しいのは間違いない。さっき美幸が里恵に袋を渡しているところを見させてもらったけど、間違いなく里恵の事を思っている。誰かの事が大切だから、できる事なんだと思うよ。だから、自信を持って笑顔で美幸と話しな」
その言葉のおかげで、私の心にあった不安はきれいに吹き飛んだ
「ありがとうございます」
「うん、その意気!!あっ、あいつらが戻ってきた。まっ、頑張りなよ」
「頑張ります!!」
美幸さんが戻ってきて、私たちの分まで持ってきてくれた。本当に私はたくさんの人に可愛がってもらってた。だから、私は決めた。美幸さんに打ち明けると。恐いけど、勇気をもらったのだから。
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「でっ、そっちはどうだった?」
「う~ん、美幸ちゃんも同じだったわ」
美幸と里恵の二人と別れた二人は、ファミレスでお茶を飲みながら話していた。
「こっちも同じ」
「やはり、二人は・・・。まっ、美幸ちゃんが幸せなら良いんだけど」
「まっ、俺も里恵ちゃんの幸せなら、良いんだ」
「未練はないの?」
「そういうお前も、美幸にアタックしてたけど、未練は無いのか」
「未練が無いと言ったたら嘘になるけど、これ以上は勝機が見えないから、ここで諦めないと、ずるずる引っ張ってしまうわ」
「そうだな・・・」
「・・・」
お互い、思ってない結果にはなったが、後悔はない。
「これ以上、落ち込んでいたら、美幸に心配される。そんな事になったら、俺のプライド許さない」
「もう、なんで昔からそうなの。小学生の時も男子と喧嘩しては先生に怒られるわ。中学の時も喧嘩して怪我したのを私が介抱したり、苦労したんだからね」
「そっちが勝手にお節介をやいたんじゃん」
「心配だったのよ!!」
「・・・」
些細な事で、口げんかになってしまった。今までも同じ事があった。
「・・・ただ、ありがとう・・・」
「?」
「私が不良に絡まれていた時、ぼこぼこになって、助けてくれてありがとう」
「まぁ、あの時はたまたま通りかかったから助けたのであって、お前を助けたいからあの場所にいたわけでないからな」
「!!」
今まで喧嘩してきたが、毎回こんな感じで仲直りする。
「あぁ~、喧嘩してたらお腹すいたな~」
「昼にたくさん食べていたじゃん」
「人間なんだから、腹が減る時は減るもんだ。そうだな、この前作ってくれたビーフシチューが食べたいな」
「ビーフシチューなんて、ここで食べれるでしょ」
「ここのではなく、お前が作ってくれたのが良いの」
「!!」
「なんだよ、その反応」
「良いわ。ちょうど、私も食べたかったのよね」
「昔から正直にそういえばいいのに」
「何か言ったかしら!」
「いや、なんでも。さて、行くぞ」
「待ってよ」
(いつも本当に面倒で、お節介なところもある。俺の身にもなってほしい。でも・・・)
(昔から強気でいつも誰かと喧嘩する。それを収める私の身にもなってほしい。でも・・・)
(親身に俺の事を心配してくれるから、こいつと出会えて良かった。そして、本当に好きになって良かった)
(一緒に居ると頼もしく安心できるからこの人と出会えて良かった。そして、この人を好きなって良かった)
お店の照明で綺麗に彩られた通りを二人は仲良く歩いて行った
読んでいただき、ありがとうございます。
朝早く起床しているためか、眠気が凄まじく、(小説の書き方の)勉強用に読んでいる小説が中々に読めずにいる今日この頃です
冬ということもあり、早朝は暗く、寒さが心身に凍みます
こんな自分を支えてくれる家族に感謝しつつ、今日も小説を書いています
では、次回もよろしくお願いします




