第八話
本編第八話です
私の両親は厳しい人だった。父は地域で有名企業の役員を務め、絶対的な結果を求める性格で、失敗を絶対に許さない。 母は教師で、父と同じように厳しいが、絶対的な結果を求めず、失敗から学び自ら目標を掲げる事が大切だと考えており、失敗を許す人だ。私の家は男優位で門限があったため、母や私は それに苦労した。就職や結婚の話まで持ち込んできたため、私は我慢できず父に反抗した。殴られたし、母にも私の育て方で当たった。母が私を庇わなかった事は不満だが、家の状況を考えれば仕方がない。
私は父の力から免れ、自由で一個人として尊重された生き方を欲していた。だから、私は就職を口実に実家を出ることにした。母にも一緒に行こうと勧めたが、行くか迷っていたため、結局、私だけ出ていくことにした。お盆と正月には帰るが、片手で数えられるくらいしか帰ってない。
今日の場合は例外だ。里恵と香澄さんたちとの、イベントに参加した日の夜に母から『父が倒れたため、至急帰ってきてほしい』とのメールが来た。本当なら帰りたくないが、親不孝な娘と言われるのは ゴメンだ。次の日、早めに出社し、上司に三日間の有給を申請し、同じプロジェクトチームの副リーダーに資料を引き継ぎ、昼頃には会社を出た。私の実家は新幹線と普通列車を乗り継ぎを含めて三時間、駅から車で一時間掛かるので、移動が大変だ。職場から直接行くことにし、長い移動の末に故郷の駅に着いた。駅には母が迎えに来てた
「忙しい時に来てもらってゴメンね」
「うん・・・。」
私は母からの言葉に返す言葉が見つからなかった。それから父が搬送された病院に向かった。父の容態については車中で詳しい話を聞いた。父は脳梗塞で倒れたようで、命は助かった。普段の生活に支障はある上に仕事をするのは困難な状態。私は 命が助かった事にホッとし、病院の待合室で母から今後の事について話した。しかし、話の菜かで私は母のある言葉に衝撃を受けた。
「お父さんが前に言っていた事なんだけど、『もし自分の身に何かあったら、美幸に仕事を引き継ぐように』と言ってたわ」
「なんで私が・・・。私にはあっちでの生活がある上に、急に言われても無理だよ」
「お母さん自身、無理にとは言わないわ。あなたには自分の人生を歩んでほしいわ」
母のその言葉が出たことは嬉しかったが、母は話を続けた。
「ただ、お父さんは地域にとって重要な存在でもあるから、今回の件は影響が大きいわ。急に言われて混乱したと思うわ。一週間以内に返事をちょうだい」
「うん・・・。分かった」
その言葉が心に重くのし掛かった。私も故郷が好きだ。しかし、父の考えに従ってしまうと、ここに生活を戻さなければならない。私にとって、引き受けたくない。今でも父からの拘束があるとは。里恵と会えなくなることは私にとって、耐えられない事。
(里恵と会えなくなるなんて、嫌よ!)
自分にとって、苦しく、辛い決断をしなければならない今の状況から逃げたい気持ちでいっぱいになった。その瞬間、視界が急にぼやけ始め、私は そのまま床に倒れた。
「美幸!! しっかりして美幸!!」
母からの呼び声に返事しようとしたが言葉が出せず、少しずつ意識が遠退いていった。
今回は重い内容となっています
最近、小説を書いている時に間違いが多く、特に香澄と美幸を逆に打ち込む事が目立っています
油断せずに引き続き書いていきたいです




