第五話
本編第五話です
秋と言えば、「食欲の秋」「読書の秋」・「スポーツの秋」など様々な過ごし方がある。食欲の秋に関しては、秋の味覚やスイーツなど美味しい食べ物があるので私にとって楽しみの一つでもある。しかし、食べることは良いことだが、その先に待ち構えているのは悲劇だ。秋の味覚を堪能することは悪いことではないが、気がついたら体重が増えている。むしろ、私は太らない代わりに体重が増えるので体重計に乗らないと限り気がつかない。他の読書やスポーツは好きだが、私は そこまで やる方ではない。先に述べた通りに、食べることが好きだ。それに秋の風景は紅葉があって、優雅な気持ちにさせてくれる。
(本当に秋は最高だ!!)
「じゃあ、みんな、秋を楽しむわよ!」
「おー」
香澄さんの掛け声に対し、私も返した。さて、私は家から電車で30分の大学のグラウンドにいる。ここにいる理由は、香澄さん主催のイベントに参加しているからだ。参加者は香澄さん、里恵、私、常連客、合計二八人。
「いや~、みんな集まってくれて、ありがとう」
常連の九割が参加しており、香澄さんは大喜びしている。中には仕事を休んだ人もいれば、彼氏とのデートをキャンセルした人もいた。
(彼氏さん・・・、ファイトです)
なぜ、このようなイベントがあるのか簡単に説明すると、『夜以外の時間での交流も必要だし、秋の魅力による悲劇を回避するために、みんなで運動をしよう』 という香澄さんの考えから始まり、毎年開催している。加えて、香澄さんが東北出身ということで芋煮を食べながら、秋を楽しもう という意図がある。とりあえず、『秋を堪能する事』が目的だ。
「香澄さん、よく大学のグラウンドを借りれましたね」
常連客の一人がグラウンドの事について香澄さんに聞いた。
「いや~、大学関係者に知り合いがいたものだから、二言で了承してくれたわ」
(香澄さん、あなたは何者ですか)
「今日やる種目は 鬼ごっことドッジボールの二つ。鬼ごっこは前半戦と後半戦の二回、ドッジボールは一回勝負、計三回勝負で、先に二回勝った方が勝ち。事前にチーム分けしたから、各自確認するように。勝ったチームにはご褒美をやるわ!さっそく始めるわよ!」
「おー」
香澄さんの掛け声により、始まった。チームは赤チームと白チームの二つあり、私は赤チームで、香澄さんと里恵とは別チームだ。
「美幸さん」
里恵が私に声を掛けてきた
「あっ、里恵。今日は精一杯楽しみましょうね」
「はい、いつも仲良くしてますが今日は全力でいきますので、美幸さんも全力できてくださいね」
「臨むところよ!」
(里恵と違うチームなのは悲しいけど、だからといって負けられない)
「まず鬼ごっこの説明をするわよ。一回あたり五分、鬼役は3人、逃げる方は六人とするわ。前半戦は白が鬼役、後半戦は赤が鬼役とするわ。一人でも生き残れば勝ち。では前半戦に出る六人は前に出なさい」
チームで話し合った結果、私は前半戦で出ることになった。鬼ごっこの段階で勝つつもりだ。私以外のメンバーと共に前に出ると、目の前には里恵がいた。
「まさか、最初の試合で里恵と戦うことになるとは思わなかったわ」
「私もです、美幸さん」
(里恵と戦うことができると分り、嬉しくなったわ)
「三〇秒後に開始するわよ。それまで赤チームは逃げなさい」
私達、赤チームは遠くの方に まんべんなく逃げていった。グラウンドはとても広いので、上手く逃げれば勝てるし、私は子供の頃から鬼ごっこは得意な方だ。
「それでは、よーいスタート!」
開始の合図と共に鬼が走りだした。
(里恵の事だから、絶対私を狙ってくるはず)
私は思い込んでいたら、里恵は私以外の人に向かい、残りの鬼二人が私に向かってきた。
(それも、とてつもない悪い予感がする)
そして、悪い予感は的中した。追ってきた二人は私が苦手とする二人だった。一人は美姫。彼女はのことが好きなのか、会う度にアタックしてくる。もう一人は千夏。里恵を可愛がっていて、里恵と仲良くしている私を目の敵にしている。
「美幸ちゃん、大人しく捕まりなさい♪」
「いつも、里恵ちゃんと イチャイチャしていて!私達の里恵ちゃんを返せ!」
(あの二人、勝負に勝つというより、個人的理由で私を狙っている)
二人は他の人に目もくれず、私を追っかけている。私は全力で逃げた。しかし、相手は恨みや欲望を原動力としているのか、バテる様子を見せない。私も負けずに逃げた。そして開始三分が経ち、四人が捕まった。里恵も見た目によらず、スポーツはできる方だ。 初っ端から、私達は危機的状態にある。
「大人しく捕まりなさい♪ 大丈夫、優しくするから。うふふ♪」
(なんか、別な意味でもっと怖くなった。絶対あの人には捕まりたくない)
「おらっ、美幸、観念しろ。そして、私達に『里恵を独り占めして、ごめんなさい』と謝れ!」
(こっちもこっちで怖い。里恵を独り占めしてた自覚はないのに。なんで)
「残り一分」
里恵は私以外の仲間二人を追っている。里恵や仲間二人は疲れが見られたが、里恵は一人を捕まえた。
一対二
「うふふ♪ 美幸ちゃん、用意は良いかしら?さぁ、行きましょう、二人の楽園へ」
「おらっ、覚悟はできたか! 歯、食いしばれよ!」
(完全に絶体絶命のピンチじゃん。どうしよう。前と後ろの挟み撃ち。)
「美幸ちゃん♪ 」 「美幸!」
二人が同時に飛び掛かって来たとき、私は咄嗟の判断で身体を屈めた。そして、二人は空中でぶつかり合い、私の前後に倒れた。
「いたた・・・。何、邪魔しているのよ!」
「そっちこそ! せっかく、美幸ちゃん を捕まえられたのに」
「はぁ、何を言うと思えば」
(今がチャンスだ)
二人は喧嘩を始めてしまい、美幸への目が離れた隙に、美幸は走っていった。
「あー、美幸が逃げた。あんたのせいよ」
「あなたせいだわ。 昔から その態度が気にくわなかったのよ」
(二人は長年の友と聞いてはいたが、私の事で あそこまで喧嘩するとは。まぁ、そのお陰で 逃げられたし。あとは逃げきるのみ)
「残り三〇秒」
(このまま逃げきれば)
「残り二〇秒」
「この勝負いただき♪」
「この勝負は白チームが頂きます!」
勝利へ近づいていることを喜んでいた時 、横から手が伸びてきた。そして、私は間一髪のところで回避した。伸びてきた手は里恵のだった。私は里恵が向かってきた方を見ると、もう一人の仲間が倒れていた。
「まさか、里恵一人に仲間が潰されるとはやるわね」
「そういう美幸さんも、二人相手に逃げ切るとは、やりますね」
お互い、動かず睨みあった。
「残り一〇秒」
(この後の動きで決まるわね)
残り三秒になった時、里恵が仕掛けてきた。右手を延ばしてきたので、後ろに下がった瞬間、左手を延ばしてきた。私は里恵の懐から抜けたが、倒れてしまった。
「私の勝ちですね」
そう言って、私に手を延ばした。
「終了ー!赤の生き残り一人。よって、赤の勝ち」
間一髪、里恵が私に触れようとした瞬間に終了の合図が出た。
(助かった・・・)
「いや~、さすがですね、美幸さん」
そう言って、倒れた私に手を差し出してきた。私はその手に掴まり、立ち上がった。
「美幸ちゃんー(泣)」
「また、やられたー!」
良いシチュエーションなんだけど、二人の視線が気になる
「はーい、一回目の勝負は赤チームの勝ち。次の試合まで一〇分間の休憩。それまで作成を練るように」
(一回目の勝負は勝ったし、この調子で二回目も勝ちにいこう♪)
しかし、私は次の試合で衝撃的な光景を目の当たりにする
読んでいただき、ありがとうございます
今回は秋をテーマにしてみましたが、自分は芸術と食欲の秋でした
秋のスイーツは甘く、食べ過ぎてしまうので毎年 体重計の上で泣いてます
今年も秋を精一杯楽しみましたので、この先の冬の寒さに負けないよう、頑張りたいと思います




