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心の声(美幸)
妹が亡くなってから、一〇年が経った
この子の命日の日になると、もう一〇年が過ぎたのか、それとも まだ一〇年が経った と捉えるべきか 、悩む
あの子は私と違い、昔から人付き合いが得意で、評判が良い
それに対し、私は長女という立場から厳しく育てられため、人との付き合いには苦労した
小さな事まで気にするものだから、トラブルになった事もある
それは家族以外の人だけでなく、あの子にも厳しく接してしまった
あの子が出掛けようと誘ってくれても、冷たく断る
あの子が勉強を教えて と頼まれた時も、厳しく教え、酷い事を言った事もあった
そして、あの子が亡くなってから、大切なものを失った気持ちになり、今まで あの子に厳しくしてしまった事を後悔した
ただ厳しくするのではなく、あの子の姉としての優しさもあれば良かった
そして、数年後に里恵と出会った
初めて会った時は、あまりにも あの子と似ていたため驚いた
そして、あの子は 浮かない顔をしていた
亡くなった妹への償いのために、里恵に声を掛け、喜ばそうとした
しかし、今は違う
償いという当初の目的から、気がついた時には恋心に変わっていた
本当に良いのだろうか、私が里恵を好きになって良いか
里恵を好きになって、妹の事を忘れてしまったら、どうしよう
恋心と罪への意識に押し潰されそうで怖い




