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東京へ

 なんだかんだでギルドメンバーはあっさり集まった。

 規則も緩く、干渉しすぎることもなく。僕の人望も少しは有るかもしれない。

 当時の四人から現在は十一人に増えた。その中には『ましゅまろの村』に辿り着いた従姉妹も含まれる。

 戦闘職九人に生産職二人。それが現在のギルド『みるくせーき』の人数。

 メインストーリーもギルド立ち上げイベントもすぐに終わらせることが出来たが、ギルド名の決定に二日を要した。

 『あいす』や『しふぉん』も候補に上がったけど、すでに使われていた。

 最終的に『ザッハトルテ』と『みるくせーき』になったが、『ザッハトルテ』は格好良すぎと却下。僕らしい感じと言うことで『みるくせーき』になった。意味不明。

 そもそもが『ましゅまろの村』繋がりで甘味中心で名前が相談もなく上がる状態であり、片仮名より平仮名を皆選んでいた。成るべくして成ったギルド名だ。

 現在は複数のギルドハウスが建ち並ぶギルド通りと名付けられた孤児院近くの一角に、僕らのギルドハウスを建築して貰っている。

 地下二階、地上三階に屋外訓練場と庭も完備なかなりの敷地面積を誇るが、そこは村長権限で安く販売。

 村になってからは税金システムが稼働したことで、一定の収入があるので、そこから僕の給料も賄われ小金持ちになれていたが、再び貧乏に逆戻り。お金に縁がないのが寂しい。

 村は建設ラッシュなので、ギルドハウスが完成する日も未定。獣人領以外からも大工は来てくれているが、まだまだ発展途上なので急かす訳にも行かない。


「ユーちゃん、眠い?」

「ちょっと、だけ」

「私の肩で寝る?」


 ギルドの事を考えていたけども、早起きしたためにまだ眠い。尻尾も力なく垂れ下がって、時折揺れるくらい。

 あれから時間が経ち、今日は東京に向かう始発の新幹線に乗っている。

 そう、明日には招待状が届いたプリハの記念パーティーがある。

 前日入りして、今日東京に着いたらアリスンと合流することになっている。アリスンも母親が有給が取れたから参加出来るようになったと聞いて嬉しかったのは覚えている。

 そんなアリスンもこの新幹線に乗っているはずなのだけど、向こうは高級シートに居るみたいでこちらからは行きづらい。

 アリスンも東京に着いてから会おうと言ってきたので、もどかしくも早く会いたくてドキドキしている。

 アリスンは母親と来るので、初めに親とも会うけど状況によって別行動になるらしい。

 僕たちの印象が悪ければアリスンとは顔を合わせるだけになりそうなので、しっかりしておかなきゃいけない。


「ユーちゃん。そのまま寝ていいからね」


 肩に凭れてうつらうつらしていると、頭を撫でられて尚更睡魔が襲ってくる。


「……うん」


 アリスンはどんな感じなのかな。

 一緒に遊べるかな。

 そう期待を胸に数時間の新移動では睡眠に充てた。

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