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優理の昔

 遅くなりごめんなさい。

 感想をくれた方々ありがとうございます。

 感想返しが下手過ぎて不快感を与えると思うので、こちらで失礼します。

 こんな亀更新、設定ガバガバ? でも良かったらまた読んで頂けると。

 改めて読んで下さる皆さん、ありがとうございます。

 九月の連休が終わって一週間。

 領地となる『ましゅまろの里』はゆっくりだけど確実に回り初めた。

 法律は基本の「盗まない・騙さない・怪我させない」のような普通の倫理的なものだけ。露出? 家の敷地や牧場なら大丈夫だよ。僕の領地だから、押しきった。あの開放感には誰も文句は言わせない。基本、犬だから裸は変わりないんだけどね。

 住人たちは生活リズムを整えながら試行錯誤。

 棟梁たちは整地とテーブルやベッドなど生活に必要な家具作り。大工の工房を建てる許可も出して、土地代を取らない代わりに可能な範囲で安く開発を受け入れてくれた。男前だね。

 プレイヤーは私事とギルド優先で活動して、特殊クエストとして開拓等を行っている。クエストをしたら比例して土地代を安く、土地面積を広くするの二択で各ギルド平行して率先してくれている。もっともオリヒメはボランティアで子どもと遊んだり勉強を見たり、お風呂に一瞬に入ったりと事案スレスレなことをしている。

 僕は僕でアリスンと会ったり、開拓に精を出している。シティ系のゲームだっけ?


「あふっ」


 今日が休日だから、夜は遅くまでプリハに行っていて少し寝不足だ。

 階下からの話し声が聞こえなくなったので、一階へ降りていく。

 最近緩くなったパジャマのズボンがとうとうゴムが耐えられなかったみたいで、ずり落ちてしまう。お母さんに直して貰わないと。裁縫苦手なんだよね。玉結びがね。


「おかーさーん?」


 ずり落ちるからズボンは手に持って降りていく。

  家の階段は玄関の対面にある。玄関から入ってすぐ横にリビングダイニング。反対に仏間のある和室と奥に伸びる廊下。だから……。


「……おう。ユーリ、はよ」

「…………え、はよ?」


 もう、お客さん居ないんじゃなかったの?

 なんで樹がいるのかな。そしてパンツ見られた!!

 続く悲鳴に、樹の苦笑と急いでやって来たお母さんの笑い声。

 恥ずかしい。プリハなら見られても気持ちいいだけなのに、よりにもよって樹に。


「お前のパンツなんて別に興奮しないっつーの。幼女なら拝み倒して写真に即保存なんだがな」


 ゆるゆるパジャマをお母さんに渡し、着替えてから樹を部屋に招いた第一声がこれ。ロリコンでよかった。


「それで……それ持って来てくれたの?」


 半眼で樹を睨む。恒例のぬいぐるみ譲渡会。最近は回数も減って来ていて今年はようやく二回目。学校が別だと会うタイミングないもんね。代わりに一回が大量なんだけど。


「おう、特にこれデカすぎて置き場に困るしな」


 抱き枕サイズの……なんだろこれ?

 今までも巨大サイズは何個か貰ったけども、クレーンで取れるサイズじゃないよね。


「言ってなかったか? 他のゲームの景品なんだわ。ちなみにチンアナゴとかのキャラらしいぞ」


 細長くて抱き枕に良さそうなチンアナゴ? を抱いて他のぬいぐるみたちも順次受け取っていく。

 この部屋を占領しそうなぬいぐるみは全て樹からのプレゼント。女の子の部屋に見える原因の一部は樹によってだね。まあ、ウサミミ達の部屋にこんなに大量のぬいぐるみはなかったけど。百……二百はあるかも。もっとかな、キーホルダーサイズも含めると莫大な数になる。


「ところでプリハやってるのか? お前が動物みたいに走ってるって噂はこの辺じゃ有名になってきたが、プリハに関係ある?」


 夏休みから始めた四足歩行は学校が始まってからは週末にだけは続けている。全身運動だから、一時期よりも脂肪も減り、体力も戻ってきた。それが公園を訪れる人に見られて、周囲に拡散しているみたいなんだよね。子どもたちにお手とかさせられたけど、条件反射は怖い。アリスンで犬生活が慣れすぎたかも。


「プリハはしてるよ。レベル上げとかメインクエの5とかはまだだけど」


 メインクエスト5までがチュートリアルって認識。魔術開放と、不明だった防衛や潜入などが今回の襲撃イベントの為のチュートリアルだと判った。それを思えば早く達成する必要があるんだけどね。


「なにしてんだ」

「別に、耕したり薬草育てたり?」

「……ユーリって生産職だったか?」


 言われるように冒険はしてないね。シティ系やファーム系のゲームをやってる感覚。手を広げすぎて、どれも中途半端なんだよね。やりたい事が多すぎるのがいけない。里長は大変だけど、どんどん形になるのは楽しいしね。


「俺んとこは、ギルド拡張クエストだな。社会人ばっかだし、癒しがない」


 九月連休も終わった翌日、今週にギルド拡張クエストが発生した。今までも一部条件を満たしていたら特殊クエストがあったらしいけど、これで倍の30人にまで増員出来るようになったらしい。以降は5人置きの増員をクエストで拡張。ギルドのことは今一つ理解してないから、ざっくりと。


「どっかに幼女落ちてないかな」


 ギルドの話しから癒しが足らない、幼女欲しいと話題が変遷していくけど、ついていけない。


「ユーリがもっと小さかったらな。いや、合法ロリはロリに在らず」


 そもそも俺はロリコンじゃないしな。アリスコンプレックスやハイジコンプレックスだしなと、ブツブツ言っている。友達だけど、キモい。


「ユーリも昔は可愛かった……はず?いや、小学生の時はさすがに俺もロリコンじゃないし、同学年はロリの対象じゃないよな」


 なんだか哲学的なことをほざいているけど、ただの変態だよね。


「よしっ、ユーリ」

「な、なに?」

「お前のアルバム見せろ。俺には今、癒しが必要なんだ」


 何か言っている。え、ここまで酷かったかな。僕が対象じゃないとか言って、アルバム見せろとか。前は……前から酷かったね。アルバムも過去に見られてたの思い出したよ。


「えっと、確かこの変に。あった。お、また少女マンガ増え……これBL本か?」

「あっ、それ! 違っ、先輩から借りて読んでるだけだよ」

「読んでるんだな」

「うー、がう」


 意地悪言うなら噛みつくぞ。チンアナゴの抱き心地いいな。


「それに、下に置いてるのオムツ? ユーリ、おまえ」

「それも違うの! 毎回じゃないもん」


 おー、チンアナゴは打撃武器にもなるね。

 そうじゃなく、プリハの陰謀だもん。生体危機システムと別の嬉ションだったり、マーキングのせいでそれに引っ張られて警告出る時には濡れちゃってるだけだもん。


「ユーリ、強く生きろ」


 そうやって僕の頭撫でても、片手のアルバムは離さないんだね。


「昔はほんとに女だと思ってたからな」


 可愛いって誉めたって何も出ないからね、嬉しいのも誤魔化してやるんだから。

 確かに昔は、物心付いた時には男女半々の服だったんだよね、アルバムを見ると。女の子の服は従姉妹のお姉ちゃんのお下がりだったけど。

 それからもお下がりを着て、親と服を新しく買う時も可愛い女の子の服を選んでたから、次第に女の子の服しか着なくなったんだよね。


「入学式も女の列だよな、ユーリ」


 入学前に買ったランドセルはピンク寄りの藤色やラベンダー色というかピンクパープルやピンクラベンダーとか言う色にして貰った。

 卒園式に入学式や卒業式は女の子用のフォーマル。


「スク水は神器だよな。ブルマが生きていればよかったのに、穢れた大人のせいで!」


 樹も穢れてると思うよ。

 学校指定の体操服や水着は当然女子用を男女どっちか親に聞かれて、迷うことなく女子用で頼んだらしい。覚えてないけど、当時はもう自分を女の子と認識していたんだよね。

 保育所も女の子のグループだったし。

 学校側も僕を女子として入学させてくれたんだと思う。色んな手続きがあったはず。今みたいに病院で診断受けている訳じゃないのに。

 トイレや着替え、身体測定も女子と一緒。

 男女別れる体育も女子と共に。宿泊合宿も仲良しな女子のグループに入って、一緒の部屋で宿泊。お風呂も一緒だった。

 友達の女の子の家に泊まりに行った時も一緒にお風呂入っていたからなにも変だと思わなかったし、小六までは従姉妹のお姉ちゃんが泊まりに来たら一緒にお風呂に入ってもいたしな。

 でも性教育の授業を受けて、次第に胸が発達する子や初潮を迎えた子の話しには羨ましくもなかなか話しに入れなかった。

 女の子として小学生を過ごし、でも最後には少し違和感を抱いて中学に。


「俺、ユーリが男だって中学入ってすぐには信じられなかったからな」


 自分は男なんじゃないか。男でいなきゃいけないんじゃないか。

性教育の最中にマイノリティについては話があった。普通のことだって、オリンピックや万博を経て遅れていた日本も同性婚が認められて。夫婦別姓は未だに叶わないけど、同性婚はもはや異常でもなんでもない。普通のこと。性差や恋愛観もそれぞれ。

 なのに僕は中学を男として行こうとした。

 小学生を女の子としてだったから、中学校側も当初大変だったのかも。どう接したらいいかとか。もちろん、両親も。

 今に思えば、一番信用しなかったのが僕自身だと理解できる。

 男として通い、仲の良かった女友達の一部もどう対応したらよいのか、今まで騙していたのか不安や不信感で離れていった。

 もちろん、変わらず友達でいてくれた女の子もいるけど、それも次第に樹たち男友達が出来て疎遠になった。高校も違うし、今では本当にたまにメールでやり取りするくらい。今の状況をどう思うのかな。

 樹とは小学生のころから、クラス替えしても同じクラスになることが多かった。たまに話はしていたけど、友達ってほどではなかった。

 中学に入り、朝からの移動教室の際に迷子になった僕を見つけて手を引いて連れて行ってくれたのが友達への始まり。

 初めはなんで男としてや、本当に男なのかなどの質問が多くてウザかったな。

 体育の着替えも恥ずかしくて最後になっていたけど、待ってくれていたし、男子トイレの使い方も教えてくれた。でも立ってはムリ!

 中学にプールがなくて水泳の授業がなくて助かった。

 修学旅行は樹やクラスで仲の良くなった満光たちの班で行動して、楽しかったけどお風呂が恥ずかし過ぎて二日目からは部屋のユニットバスを使っていたな。

 部活は男女共にあるテニス部で思いの外楽しくて打ち込んだ。まさか副部長になるとは思わなかったけど。

 女子テニス部のさくらとも知り合って、空いた時間によく話していた。

 それがまさか人質に取られるなんて。


「ユーリの女テニユニフォームも似合うんだよな。つか、短いスカート最高」


 樹はほっとこう。

 更衣室は勿論別々だけど、ラケットなど用具も置く部室はテニス部共有での使用だった。男子がよくラケットやシューズをそのままにし、使い方が汚いと抗議にもなった。

 何を思ったか、女テニの部長となったさくらが男子が片付けるまで僕を女テニ預りとして人質に取った。満光と僕はよく部室を掃除していたけど、それじゃ他の男子は散らかすだけと言うことで、満光の同意の元で人質に送り出された。

 男女共に試合以外は体育服でやる事が多いのに、僕は見せしめとしてさくらの試合用ユニフォームで部活をすることになった。部長の満光以外の男子が掃除を終わらせるまで。

 短いスカートで久しぶりに嬉しいとも思ったけど、男子って意識も少しずつは出来初めていた。恋愛対象が女性なのはこの時からかな、今では恋愛なんて思わなかったし。初恋と呼べるのは従姉妹のお姉ちゃんだったし。

 とりあえず人質期間はさくらのユニフォームで過ごす事になったけど、すぐに開放されると思っていた。二週間経っても男子がろくに片付けないことに、さすがに顧問も怒った。

 そもそも顧問も以前から男子で片付けるのが僕か満光だけだったことを知っており不満を募らせていた。人質作成は顧問すら一枚噛んでいた事実に絶望したけど、それ以上に男子に不満を持った。そして、定期的かつ恒例となった人質期間で男子は片付けるようになった。

 さくらは面白がるし、僕にユニフォームを着せるのは抵抗はなかったらしい。そもそも、僕の小学生からの女友達がさくらとも友達となり、僕のことを知っていたから抵抗もなかったらしい。

 だから、部活の合間に生理がとか、ナプキン貸してとか言ってきてたんだね。今なら一応親が買ってきたナプキンもオムツもあるから貸せるけどね。え、おねしょはしないんだっけ。


「元サヤに戻るっていうんか? やっぱ今の方がユーリらしいよな。中学のは笑顔も少ないし、表情堅いのが多いよな」


 アルバムを見ていた樹がそう言って僕を肯定してくれる。

 どこかでムリをしていた中学生時代。

 男でいなきゃいけないんじゃないかと、自分を疑った三年と少し。

 ようやく、本来の僕でいられる。まだ、三年間で矯正した一人称のままだけど、昔のように"私"になれるのかな。

 それもこれも、気付かせてくれたプリハのお陰だ。


「それはそうと、こっそり友達と入ってるお風呂の写真抜き出さないで。どうするつもりかな」


 幼女の裸。でも、同学年。樹にとってのロリに在らずだよね。

 こんな変態さんには遠慮せず強く怒ってもいいよね。


「ちっ、バレたか。……もう少しだったのにな"LiLi"」

感想返し難しすぎる。

特に設定の説明や、裏説明に書くほどじゃない些末な部分の説明。

他の作者の方のを見ても、難しい。

場合によっては反抗的にとれて不快感与えちゃう。

説明下手、口下手なのが一番ダメなんだけどね。

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