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ましゅまろ始動①

 "ましゅまろの里"として僕の土地が認定した翌日。

 僕の家には移民団代表キンリー、孤児院院長ミリンダと副院長シェスタ、大工ラニアが集まっている。子どもたちはまだ心身の傷を癒す為に外に遊びに行き、残りの大人が見守りとして動向している。

 移民組以外のオブバーザーとして、棟梁─棟梁としか言わなくて名前忘れた─に『神癒隊』ギルドマスターのモフィ、サブマスターのリンゴ。『神護隊』ギルドマスターのモッサン、サブマスターのぺードゥ。『Fair Maiden』ギルドマスターのオリヒメ、サブマスターのサンライトという三ギルドから代表二名ずつの大人数で話しあった。

 どうやら『神癒隊』のギルマスはまた変わったらしい。そして『神護隊』の人たちとは会話はしたことあるが、名前まで知らなかったので改めて一同での自己紹介で然り気無く解り助かった。

 オリヒメのギルド名も初めて知ったし、サブマスターがシスコン盗撮魔のサンライトだと驚いた。このギルドますます危険。


「先ずは今の状況からでいいんだよね」


 里長として進行役を促されたけど、不安になり隣に座るキンリーを見てしまう。キンリー曰く、長としての経験を積むのに人前で話す事や纏めることを少しでも多くこなした方が言いと言われたから進行役を引き受けたけど不安しかない。進行役って他の人でもいいんじゃないかな。


「えっと、今回は『アネサス』襲撃で孤児が増えて、えーと……街で暮らすのも大変な状態だから、土地があるここに移住してもらいました」


 なんだか、皆に生暖かい眼で見られているのは気のせいだろうか。


「移住者は大人が九人。子どもが二十三人。棟梁は仕事として依頼を受けてくれるみたい。あと、三つのギルドが協力してくれて最大四十人、です。あとは……」


 周囲を伺いながら、キンリーに補佐してもらいながら話を続けていく。

 ちなみに、代表以外で手の空いているギルドメンバーは棟梁から購入した境界となる柵の設置と除草と整地をお願いしている。


「しばらくは子どもたちが環境になれてもらう感じで生活してもらうって感じでいいかな。やりたいことや適正見て、お仕事手伝ってもらうのに、暫定で班分け考えよう」


 話しているうちに少しはスラスラと言えるようになったけど、長らしい威厳なんか出せないよ。

 そして大人の役割分担と子どもたちの3ヶ月おきのお手伝いのグループを決めていく。なるべく兄弟は同じグループにして、年齢をバラけさせてやりたいことを見つけるまでは順番にお手伝いの内容を決める。


【大人組】

LiLi……女性/ましゅまろの里長/里運営と開拓担当/孤児院理事長。

キンリー……女性/移民団代表/里長相談役。

キケルス……男性/代表補佐/警備と戦闘指導。

ミリンダ……女性/孤児院院長/運営と《料理》担当/《応急措置》にて救護室も併用して代表。

シェスタ……女性/孤児院副院長/《料理》と予算管理担当。

カニス……男性/《農林業》にて畑の管理と孤児院の用務員を兼ねる。

ラミナ……女性/《農林業》と《裁縫》があり、幼児の世話と礼儀作法や勉強指導。

ホッシュ……男性/《農林業》と《製薬》があり、畜産と畑の管理担当。

サリー……女性/《料理》と《裁縫》があり、どちらも子どもたちへの指導担当。

ラニヤ……男性/《建築》にて家屋や家具製作と開拓担当。


【子ども組・一班】

ミク……13歳/女性/家事全般得意/ラッシュ・ネルの姉。

ラッシュ……10歳/男性/ミクの弟。

ネル……7歳/男性/ミク、ラッシュの弟。

マッシュ……8歳/女性。

サーシュ……6歳/女性。

ラナ……4歳/女性。


【子ども組・二班】

キキ……11歳/女性/優しいが芯がある。

アルク……9歳/男性。

ハーケン……7歳/男性/ナーケン・マール・ケールの三つ子の兄。

ナーケン……5歳/男性/三つ子の一人。

マール……5歳/女性/三つ子の一人。ブラコン。

ケール……5歳/女性/三つ子の一人。

ハリシュ……4歳/女性。


【子ども組・三班】

アキヤ……11歳/男性/力仕事が得意。

ヤミ……9歳。女性/サミの双子の姉。

サミ……9歳。女性/ヤミの双子の妹。

ターナー……8歳/女性。

イミル……7歳/男性。

ヒュー……4歳/男性。


【院内養育組】

チュール……/3歳/女性。

セリヤ……3歳/女性。

ムー……3歳/男性。

ルル……2歳/女性。


 兄弟一緒を考えると年齢に偏りが出来たが、暫定でもあり興味があることが見つかれば順次班編成を行うのでこれで様子を見ることになった。

 ミク、キキ、アキヤをそれぞれの班長として、初めに家畜・畑の世話をミクの班に。《料理》や《裁縫》など家事全般と育児やペットのお世話など家の中を中心としたお手伝いをキキの班に。警備や戦闘訓練、《建築》関連や開拓のお手伝いをアキヤの班に。

 比重で二班が楽そうだが、あくまでもお手伝いとしてなので水やりや餌やり、軽く走りながらの警備や石ころ拾いなど簡単な物を中心にしていく予定。礼儀裁縫や計算などのお勉強は夜の空いた時間に行っていく。お勉強に関しては僕も時間が合えば参加する予定。礼儀作法の勉強だよ、長だからね。決して算数を習うわけじゃないよ! たぶん。

 現在、転移装置は高くて補助金では買えない。なので開拓と同時に特産品の開発も急務となる。外貨を稼がないと、これから増える可能性もある孤児たちなどの生活も苦しくなるし、貧しい思いはしてほしくはない。

 土地は僕の家がある元からが一キロ四方、それに開拓可能エリアが五百メートル四方が追加された。本来はこの開拓可能エリアが住民の生活エリアとなってくる。

 先ずは開拓後にきちんとした孤児院をそこに建設すると同時に畑など生活に直結する土地も整えないといけない。

 三ギルドは開拓しながらギルドハウスを作る予定でもある。『神癒隊』と『神護隊』は各村街の郊外にセーフティーハウスと言う小さな家を格安で購入してリフォームして使用しているが、僕の見守り隊が前身だったので、今回を機にそれぞれ本部となる大きなギルドハウスを建設するらしい。

 オリヒメたちはギルドハウスを購入したが、やはり小さな家なので今回、ここに建設したら今のギルドハウスを売りに出すそうだ。首都や副都市内はお手頃なギルドハウスや土地は売り切れているので、すぐに買い手が決まりそうとの事。副都市は半壊状態でもギルドハウスには被害が出ない仕様であり、復興する動きがあるので結局売り払うプレイヤーはいないだろうとの推察を聞いた。


「ギルドハウスや孤児院の場所はまた後で決めるとして、特産品決めないと畑とかの大きさも変わるんだよね?」


 キンリーが頷くのを確認して、皆に向き合う。

 やっぱりキンリーが進行役のほうが時間の節約にもなるんじゃ。


「嬢ちゃんは《製薬》が中心だろ?なら、特産品もそれでいいんじゃないか?」


 棟梁とは一番この土地について話し合ったり過ごしたからそう思うよね。


「でも、僕のは趣味みたいなのもあるし。一番効果があるのはつくれないよ?」


 細々と販売しているが、基本は僕のファンが買ってくれているみたいだしね。味付けは獣人領では自信持てるけど、回復効果自体はすでにトップでもなんでもない。LiLi素材はリンゴたちにしか売らないし、そもそもそんなに僕から採取できない。


「あとは……ダンジョン?」


 この呟きに棟梁やラニア以外が驚いた。立ち入り制限していたし、話していなかったから当然か。


「えっと、棟梁が……」


 言葉に詰まると、棟梁が説明してくれて助かった。ただ、これに関してはダンジョンマスターの僕とダンジョンマイスターの棟梁がいないと管理できない。副産業としてならいいけども、住民の仕事がなくなり、経済が回るのに支障がでる。

 ダンジョンで鉱石などが出るようにして、ダンジョンを中心にした街作りもラノベとかにはあるけど、安定性はないようにも思える。まあ、それを言ったら枯れたり病気を患ったりと安定性はないけども。主産業にはならないように思える。


「なら、縫製や製糸はどうですか? 一通り見て回りましたがレインボーシープがたくさんいますし、薬草など難しい温度調節や土壌管理もしなくて済むんじゃないですか?」

「家畜も大変なんだぞ。餌の種類や牧草の管理。体調管理やブラッシングなどの世話やら沢山ある」


 ミランダとホッシュが意見を出して、さらに他からも意見を言われる。


「うーん、じゃあ主産業にレインボーシープによる製糸から縫製までの反物や軽衣装。副産業にダンジョンと温泉による湯治の観光。レインボーシープと薬草の料理は要検証で」


 幸いにもダンジョン以外に温泉があった。戦闘で疲れても入れるし、温泉と薬草によるリラックスできるのは観光にも良い。何処までの範囲で温泉があるか、開拓時に調査しなきゃね。

 薬草の一部は家畜の餌に入れたら体調も改善され、毛艶などにも影響がでるらしい。ホッシュは畜産について詳しく、《製薬》を修得したのは餌の研究の為らしい。ただ、一人でどちらの管理もは無理があったので畜産だけに絞ったとか。

 ウチの皆は野性的だからね。放牧状態で、ログインした時じゃないと餌あげられないからね。川から小川が分岐して牧草の育成が早いから助かった。


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