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8話  俺と決意とドS門番

では、どうぞ。


(サブタイトル変更しましたが深い意味はありません)

「アウェーキング部隊・・・ですか?」

「何ですか?それ?」


俺とヒロはそろって疑問文を口にした。


「このメルタン市には市営ギルドがいくつかあってね。

 その中の一つに『ヴァルハラ』という名前のギルドがあるんだけど、

 その『ヴァルハラ』に覚醒する者の部隊、通称アウェーキング部隊が

 発足したんだよ。覚醒という能力は、未知の力を秘めている。

 その力を市民の平和のために使って欲しい。 で・・・どうだい?入隊してくれるかい?」


え、えっと・・・いろいろあって混乱してきたぞ。

少し整理しよう。


① 覚醒という能力を持ったものが集めた部隊を作った。

   ここに行けば地球人に会うことができる。


② 俺は金が欲しい。というより金が必要だ。

   ギルドで働けば報酬が手に入るはずだ。


③ できるだけ仲間が欲しい。

   ここに行けば、仲間ができるだろう。


あれ?これって入隊するしかなくね?


俺はヒロの顔を見た。

ヒロは覚悟を決めたような顔をしている。


「市長。俺・・・アウェーキング部隊に入隊します!!」


ヒロが高らかに宣言した。


じゃあ・・・仕方ないか。俺も。


「俺も入隊します」


こうして俺たちは、ギルド『ヴァルハラ』に入隊することとなった。







「お、おい。これからどうする?」

「俺に聞くなよ・・・」


俺とヒロは中央役所の前に立っていた。


「明日、10時にここに来てくれるかい?

 『ヴァルハラ』に案内するから。今日はもう帰っていいよ」


というありがたいお言葉を市長からいただいたのであった。


あの野郎っ!今何時だと思ってんだっ!

真っ暗なんだぞっ!異世界なんだぞっ!

宿がどこだかすらわかんないんだぞっ!

腹が減ったぞっ!


いや、最後のは完全に八つ当たりだな。


この世界に来てからおそらく7時間くらい経過している。

ここに来たときはまだ明るかったし、そりゃあ腹が減っても当たり前だ。


「とりあえず、宿を探さないか?」


ヒロが提案してきた。


「ああそうだな・・・だけどどうやって?」

「・・・え?そ、それは・・・」


そんな時、背後から声をかけられた。


「あれ?お前たちまだいたのか?」


俺たちは振り返った。

そこには、メルタン市の門番であるマックさんがいた。


「あ、マックさん。また会いましたね」


「もう帰ったかと思ってたんだが。何してるんだ?」


「実は―――


俺たちは、宿がなくて困っていることを話した。

もちろん異世界からきたことは伏せておいた。

遠い地図にも載ってない島から来たことにしている。


「それなら俺の家に来るかい?ちょうど余っている部屋があるけど?」







「ここだ」


マックさんの家に到着した。


住宅街にある一軒家。

レンガ造りの家は異世界感たっぷりだ。

離れもあって、結構大きな家だ。

「元貴族だった」っていう感じだろうか。


こんな家に泊まれるなんて・・・

マックさん神様です!


「離れに案内するね」


離れに泊めてもらえるんですか。

マックさん最高です!


離れの前に立った。

離れといってもただの小屋ではない。

結構しっかりしたレンガ造りに、木製のドアだ。

ほんとに貴族だったりして。


ギイィィィ


マックさんがドアを開けた。

中は月の明りが差し込んでいて、暗いがなんとか視覚を使うことができる。


地面にはワラが敷き詰められていて、ニンジンようなものが転がっている。

プンと鼻にさす独特の匂いがしている。

その匂いは学校のトイレを連想させる。

ドアを開ける音で気づいたのか、何かがこちらへ近づいてくる。

それは・・・馬だ。


「やっぱり馬小屋だっ!」


馬と一緒に寝ろってか?

さすがにひどすぎんだろっ!

なにがプンと鼻にさす独特の匂いだっ!馬糞の匂いじゃねぇか!

マックさん悪魔ですっ!


「え?ダメなの?」


「「だめだろっ!!」」


ヒロとはもってしまう。


なに?マックさんってドSですかっ!?

それともまさか本気で言ってんのっ!?

マイクさん最低だぁっ!!


「じょ・・・冗談だって。落ち着けよ」


「「で、ですよね・・・」」


マックさんドSに決定。




そのあと俺たちは、マックさん家の客間に案内された。

マックさんはこの家で一人暮らしをしているそうだ。


「いや・・・馬小屋って分かったときはびっくりしたよ」

「ああ。あんなに思っきりツッコミしたのも久しぶりだった」


レンガ造りの中世ヨーロッパ風の家のはずなのに

この客間はなぜか和室なのだ。床は畳だし、窓は障子窓だし。


自動ドアがあったり、和室があったり・・・

このゲームの製作者は何を考えてんだよっ!


そんなことを話していると、部屋のふすまがガラガラと開いた。


「おにぎり持ってきたぞ」


マックさんがおにぎりを持ってきてくれた。


「ありがとうございますっ!」


白いおにぎりが2つ。

しかも高校生のお腹にうれしい大きいサイズだ。


何味だろう?やっぱり塩かな?鮭だと嬉しいな・・・

一番はロー○ンのツナマヨだ。あれ、めっちゃおいしいですよね!


などと楽しいことを考えていると、マックさんの声が聞こえてきた。


「片方にはしびれ薬仕込んどいたから。気をつけろ」


はいぃっ!?

何考えてんだっ!

なんでしびれ薬なんか入れたんだよっ!


「冗談だ」


「「いいかげんにしろっ!」」




おにぎりは美味しくいいただきました。


マックさん・・・怖いです・・・


作者は、おにぎりは鮭マヨ派。

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