6話 俺と可愛いと中央役所
更新遅れてすみません・・・
今回はシリアスは一切なしです。
いろんなネタをぶち込みました。
「ハァハァ・・・」
クレイムさんと分かれた、俺たちは ひたすら走った。
俺の体は限界だった。
ボーとしながら走っていると、マックさんが走るのをやめた。
なにごとかと思い立ち止まった。
息が上がってしまい、呼吸が整わない。
膝に手をついて、大きく息を吸う。
「ついたぞ」
そう言われて、顔を上げた。
そこにはコンクリート製の巨大な建物が建っていた。
白い塗装がなされた、高いビル。
レンガ造りの家ばかりの世界では、異物に見える。
壁には窓がたくさんついており、中の光が漏れ出している。
ん・・・?光?
電気がないはずのこの世界に光?
大型のランプでもあるのだろうか?
そういえばこの世界には、水道とかはあるのだろうか?
フロは?ご飯とかは?
「行くぞ」
マックさんの言葉に思考を停止する。
マックさんを先頭に中央役所の入口に近づいていく。
ガラス張りのドア。中にはたくさんの人が見える。
こんなに暗くなってもまだ働いてるんだろう。ご苦労様である。
そしてドアと1メートルくらいまで近づく―――
ウィィーン
ドアが勝手に開いた。
なんで自動ドアがあるんだよっ!
さっきの俺の思考時間を返せっ!
中世ヨーロッパ風の異世界じゃなかったのかよっ!
いきなりハイテクなもんを出してんじゃねーよっ!
この分じゃ水道だって―――
そのとき、両手にバケツを持った男が走ってきた。
「どいてどいて!井戸水くんできたよ」
・・・言葉を失った。
井戸水ですか?自動ドアは?
ハイテクは?
誰か説明をお願いします。
[いやーそれはですね]
出てくんなっ!
作者は出てくんなっ!
お前が悪いんだからなっ!
お前がちゃんと考えればこんな変な矛盾は起きなかったのに・・・
「何してるんだ?早く行くぞ」
マックさんに言われたので、中央役所の中に入っていく。
中に入ると広いロビーが現れた。
天井や壁はタイルが敷き詰められ、床はなぜかフローリングである。
いたるところに銅像のようなものがたっており、それが光を放っている。
おそらく魔法がかけられているのだろう。
このロビーには二つ階段がある。
しかし階段には像がなく、薄暗い。
その時目の前にあった銅像の光が消えた。
すると奥のカウンターにいた女性が走ってきた。
その女性はこちらを見て微笑むと、魔法を唱えた。
「光り輝く」
魔法をかけられた銅像は、さっきまでのように光を放ち始めた。
「あの・・・マックさん。こちらの方々は?」
先ほど銅像に魔法をかけた女性がマックさんと話していた。
俺たちが見たこともないような囚人服のような格好をしていたからか
不思議そうな顔でこちらを見つめている。
肩くらいに切り揃えられた茶色の髪。
身長は俺より頭一個分ほど低く、大人びた顔立ち。
多分俺とあまり変わらないくらいの年齢だろう。
この役所の制服と思われるスーツのような格好がよく似合っていた。
っていうか普通に可愛い。
俺のタイプな顔だ。丸い黄色い瞳に小さい口元。
「この人たちは、例の計画の・・・」
マックさんが意味不明な紹介をした。
女性はその説明で納得したようで
「ああ、あの計画のですね。では市長室に案内しますね」
計画ってなんだろ・・・?
女性が歩き出そうとしていると、ヒロが質問をした。
「あの計画って何ですか?」
「え、えっと気にするな」
「ひ・・・秘密ですよ」
急に言葉を濁す2人。うーん・・・怪しさ満点です。
「と、とにかく行きますよ」
と言って女性は歩き出す。
女性って呼ぶのも変だな・・・
「あのー名前は?」
おずおずと聞いてみる。
すると女性はこちらを振り返り、深々と頭を下げた。
「もうしわけけございません!名乗り遅れました!
私はバルバ民国メルタン市中央役所三番区所属職員のタミアと申します。
え、えっとスリーサイズは―――
「ま、待った!そこまで聞いてないっ!
王道ファンタジーのはずだからそういうのはアウトだと思う!」
「え・・・?別にいいんじゃないの?」って思う作者がいる。
そんな作者の考えは無視して、タミアがステータスを開く。
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タミア LV7
職業 僧侶
年齢 18歳
性別 女
種族 人間
状態 普通
覚醒スキル ―――
HP 35/35
MP 19/28
FAT 47%
ATK 26
DEF 21
CLV 11
LCK 16
装備品
右手
左手
腹部 職員制服 (上)
腰部 職員制服 (下)
頭部 ヘアバンド
腕部 ブレスレッド
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レベルの割には能力が低いな・・・
それが率直な感想だ。
多分非戦闘員だからだろうが、システムのことはよくわからない。
それと職業が僧侶になっているのにも驚いた。
たしか、説明書に「職業とは才能的なものである」って書いてあったから
プリーストの才能を持っているのに、公務員をやっているという意味だろうか。
ということは・・・
俺はフリーターの才能ってことかよっ!
薄暗い階段を上り三階に上がった。
銅像が並ぶ廊下を1番奥まで進んでいく。
そして扉の前でタミアさんが立ち止まった。
「ここが市長室です」
白い鉄製のドア。
そこにはプレートがかけられていた。
『市長質』
漢字が違うんですけどっ!
次回もコメディーのみの話になると思います。
あくまで予定ですが。