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16話 俺と夢と裁きの間

ついに2章完結です!

「―――う・・・うぅ」


俺は目を開けた。

ま、まぶしいな・・・!


目に入ってくるのは白一色。

それが、白い天井を見ているのだと気づくのに時間がかかった。


俺・・・どうしたんだっけ?


ギガノフロッグの目に剣を突き刺したところまで記憶がある。

その後、下に落ちて―――どうなった?


俺の記憶はそこで途切れていた。


俺には布団がかけられている。

寝かされていることは理解できた。


「お。気が付いたか?」


横から聞き覚えのある声が聞こえる。

俺は首を傾ける。


そこには見覚えのある相棒を見つけた。


白いローブ姿の男。黒髪の天然パーマ。


「・・・ヒロか?俺、どうしたんだ?」


ヒロは落ち着けと言いながら答えてくれる。


「ギガノフロッグは討伐した。お前は力を使いはたして気を失ったんだよ。

 そして、今はメルタン市の中央病院にいる」


そうか・・・あぁ、俺助かったんだ。


「まだ、動かない方がいいらしい。何かいるか?」


俺はそう言われて、体を動かそうとする。

しかし、簡単には動かない。

がんばれば動くのだろうが、思ったように力が入らない。


俺は無理やり踏ん張りながら起き上った。

ベットの上に座る形になる。


「水が・・・水が欲しい」


「オッケー!取ってくるよ」


ヒロは椅子から立ち上がり、部屋から出ていこうとする。


「ヒロ・・・そ、その・・・ありがとう」


俺は素直に気持ちを伝えた。すごく恥ずかしかったが。

俺も恥ずかしかったが、ヒロはもっと恥ずかしかったようで


「なっ!なんだよ急に?」


頭をかきながら部屋を出ていった。


静寂が訪れる。


そのままボーとしていると


コンコン


ドアがノックされた。

ヒロか?いや、違うな。ヒロはノックしない。


ドアが開かれて、顔をのぞかせたのは

黄色の瞳の女性だった。


「タミアさん・・・」


タミアさんは無言のまま部屋に入ってきて

そのまま、ズカズカと俺に近ずいてきた。


「え、ちょ?タミアさん?」


タミアさんはなにも言わないまま、どんどん俺に近ずいて来て―――


「・・・ぇ?」


―――気が付いたら、俺は温かくて柔らかいものに包まれていた。

目の前に広がるのは、薄い茶色の髪。

いい香りが漂ってきて、俺の気持ちを高ぶらせる。


「え・・・えぇと・・・なに、して」


言われなくても分かる。俺は抱きつかれている。

タミアさんの柔らかい手が俺の背中にまわされてお互いの体が密着する。

何とは言わないが柔らかいものが俺の胸部にあたっている。

彼女の吐息が俺の耳をくすぐる。


俺は抱きつかれている。脳では分かっているのだ。

だけど、それを否定し続ける自分がいた。


なんでかって?あり得ないからだ。


超美少女のタミアさんが俺なんかに抱きつくはずがない。

俺は、容姿は普通。成績も平凡。運動神経も微妙の特徴のない高校生。

釣り合わない。釣り合わない。


そうか・・・!俺は一つの結論にたどりついていた。


夢なんだな、これは。


そんな俺にタミアさんはささやく。


「ダメダメなんですから!

 私がどれだけ心配したと思っているんですか?」


「え・・・ご、ごめんなさい」


思わず謝ってしまう。

タミアさんのいつもより甘い声にドキドキしてしまう。


だまされるな俺よ!これは夢だぞ!


しばらくして、タミアさんは俺の拘束を解く。


「もう無茶しないって約束してください!」


「は、はい。わかり・・・ました」


いつもより強気なタミアさんに押されてしまう。

どうしたんだろう・・・?


「あ、えっと・・・タミアさん?」


俺は用事もないのに話しかけてしまう。

俺の心臓は音を立てて激しく稼働していることだろう。


俺の心拍数は確実に跳ね上がっていた。

夢とはいえ、こういう体験は初めてだったからだ。


ふと、タミアさんを見る。

やべ・・・目があっちゃた・・・


二人で見つめ合い、顔から火が出るように熱くなる。


「そ、その・・・『タミアさん』って呼ぶのやめてくれませんか?

 なんだか、心の距離が遠いように感じちゃって・・・」


「???」


タミアさんって呼ぶな?どういうことだろう?

じゃあ、なんて呼べばいいんだろう?


タミアちゃん?いや、恥ずかしすぎるだろ・・・


あ!そうか!

こう呼べばいいんだな。


「え、えっと・・・タミア様?」


「ハァ・・・なんでそうなるんですか・・・」


すごく心外みたいな顔をされた。


「えっと・・・じゃあなんて呼べば?」


「普通にタミアって呼んでください!」


あ。そっか・・・


「あ、えっと・・・その。タ、タミア?」


「なんですか?リューくん?」


「リューくん!?」


「ダメですか?」


「え、いや・・・いいけど」


思はず認めてしまった。

ま、別にいいか。夢なんだし。


ガチャ


誰かがドアを開けて入ってきた。

シルエットは二人。どうやらヒロではないようだ。


「お兄ちゃん元気ですかぁ?」


「・・・無事?」


メグちゃんとミーホさんだ。

なんだこの夢は・・・ハーレム展開か?


「お兄ちゃんかっこ良かったですぅ!」


「あ、ありがとう」


「・・・変態呼ばわりしたの、訂正する」


「あ、うん。別にいいよ」


目を輝かせてはしゃぐメグちゃん。

何度も丁寧に謝るミーホさん。

面白くなさそうにそっぽを向くタミア。


なんか、幸せだなぁ・・・


17年間、母親以外の女性というものに全く縁がなかった俺は

こんなことで幸せを感じていた。


こんな時間がずっと続けば―――


「ナニヤッテルノカナー?」


―――嫌な予感。


慌ててドアのところを見ると目を虚ろにしたヒロがいた。

マズイ!!ヒロが狂人化したっ!


「リア充発見!隊列を組んで包囲しろ!」


「「「「「リア充に裁きを!!」」」」」


あと、余計なのも少々。


ドアのところは狂戦士であふれかえっていた。


これでは部屋から出られない!

その時、視界の中で何かが動いた。

風のような速さでアーローさんが接近してくる!


「―――ぐぅぅぅ」


俺の鳩尾にアーローさんの拳がめり込む。


俺の意識はそこで途絶えた―――


「よし。裁きの間へ連れて行け」


「「「「「了解」」」」」


「イッタカナー?シンダカナー?」




真夏の一日はまだ終わらないようだ。


今まで、お世話になりました!

とはいっても、まだまだ完結ではありません!


3章もがんばっていきます。

が、少しの間ストーリーは進みません。

なんだかんだ言っても、作者は受験生なのです。

高校入試が終わるまではしっかり勉強しなくてはなりません。

受験生らしく勉強したいと思いますので、

1週間くらいストーリーはお休みです。


書き溜めている資料集を投稿したりはします。


ご迷惑をおかけします。


3章もよろしくお願いします!

では、また機会があればお会いしましょう!


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