10話 俺と隊長とハゲドレス
作者の勘違いでマイクというキャラクターが発生してしまいました。
マックの間違いです。
本当に申し訳ありませんでした。
8話と9話の誤字を訂正しています。
ほこりだらけの部屋に荷物だけ置くと、ほうきを借りて掃除をすることにした。
ほこりをとってもボロい部屋のままだが、今さら他の宿にかえる気はないし
7ゴールドで泊まれるかすら分からない。
とりあえず部屋をキレイにして、宿を出た。
屋台は準備を終えたらしく、景気のよい声が聞こえてくる。
大通りはさっきよりずいぶんと人通りが増えており、活気があった。
果物を売っている屋台を覗いたが、リンゴ一個が7ゴールドくらいする。
リンゴを一個買ったら全財産がなくなってしまう。
「まずいな・・・早くゴールドを稼がないと」
「ああ。飢え死にだけは勘弁だな」
市場をぶらぶら見て回って、時間を潰した。
8時半。約束の時間に近くなったので、中央役所に向かう。
中央役所は大通りにいれば、かなり離れていてもでも見ることが出来る。
日本のようにビルのように高い建物がない町なので、5階建ての中央役所はすごく目立つ。
1階は玄関ホール。2階は市長室や会議室。
3階以降は何に使われているのだろうか?
そんなことを考えながら歩いていく。
中央役所の前まで来た。少し約束の時間より早いだろうがいいだろう。
玄関ホールで待っておけばいいだろう。
ウィィィン
何度見ても違和感のある自動ドア。まだ3度しか見てないが・・・
中に入って辺りを見回す。昨日とあまり風景に変化はない。
一つ違うのは、銅像に光がともっていないことだ。
ボーと突っ立っていると後ろから誰かがぶつかってきた。
「い、いたっ」
「おう。すまん」
ぶつかってきたのは男。
190センチくらいある巨体。筋肉ムキムキの体はそうとう鍛えているのだろう。
背中にからっている手斧は攻撃力が高そうだ。
坊主頭は野球少年というより、ヤクザを連想させられる。
そして着ているピンクのドレスがとても似合って―――
「変態だっ!!」
「変人だっ!!」
「ま、待てっ!何で俺はいきなり変態よばわりされてるんだ!?」
自覚ないのかっ!重度の変態だっ!
男はやっと自分の格好を見て慌て始めた。
「ん?この格好のことか!これには深いわけがあってだな」
ああ。そうだよな。何か理由があるんだよな。
そう考えると、いきなり変態よばわりして悪かったな。
「いろいろ試してみたんだが、これが一番似合って―――
「やっぱり変態だっ!」
「しかも救いようがないタイプだっ!」
どうしよう早くこいつから離れたい。
そして出来れば二度と関わりたくないっ!
「あれ?キノシタさん。どうしたんですか?」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。俺たちは声のした方を振り返った。
昨日も会った中央役所職員のタミアさんだ。
「おはようございます。タミアさん。また会いましたね。
ちなみにこの変態とはまったく無関係ですから。
一緒にしないで下さいね」
「おはようございます。え、えっと・・・リューヤさんとヒロさんでしたね。キノシタさんもおはようございます」
タミアさんはニコッと笑うと、ペコッと頭を下げた。
やばい・・・笑顔が可愛いんですけどっ!
っていうかキノシタさん?この変態の名前か?
「タミアちゃん聞いてくれよ。この二人が俺のこと変態呼ばわりするんだぜ」
おい変態。ちゃん付けして呼ぶな。
「そうですか。3人には仲良くしてもらわないと困るんですが・・・」
タミアさんはなに言ってるんだ?
この変態と仲良く?出来れば一生話したくないんだが。
「ずっと気になってたんですけど。変・・・キノシタって名前・・・」
「今、俺のこと変態っていいかけたよなっ!」
ヒロが変態に聞いている。
そうだ。俺も気になっていたんだ。
「もしかしてキノシ・・・変態って日本人なんですか?」
「合ってたからなっ!なんでわざわざ言い直したんだっ!」
ツッコミを入れた後、男は腕輪のボタンを押した。
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キノシタ LV19
職業 格闘家
年齢 36歳
性別 男
種族 人間
状態 普通
覚醒スキル 逆境覚醒
HP 163/163
MP 39/39
FAT 9%
ATK 96
DEF 58
CLV 20
LCK 76
装備品
右手 ハンドアックス
左手
腹部 ピンクドレス
腰部 短パン
頭部
腕部
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覚醒スキルをもっているということは、やはり地球人プレイヤーだろう。
それにLV19って・・・なんでこんなに高いんだ?
俺たちも、ステータスを開く。
「ほう。あんたらも日本人か」
このステータスを見せ合うのって、名刺交換みたいだな。
それはいいんだが・・・
「ところでタミアさん。なんでこの変態と仲良くしなくちゃいけないんですか?」
「なんでって・・・2人が配属されるアウェーキング部隊の
隊長を勤めているのがこのキノシタさんなんです」
「「なにぃぃぃ!!」」
今、俺はとても憂鬱だ。
ブルーな気持ちってやつだ。
俺は市営ギルドである『ヴァルハラ』に向かっている。
それはいいのだ。いいんだよ。
問題はメンバーだ。
超イケメンの市長。
オヤジ顔の高校生。
坊主にドレスの変態。
周りから、どんな目で見られているのだろう。
すれ違う人がみんな2度見していく。
理由ははっきりしている。
「こんなの嫌だぁぁっ!!」
まじでストーリーが進まん・・・
あと2~3話で1章をまとめたいな。




