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転生した女騎士 恋愛レベル0  作者: 紙絵


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5/6

王子

「ご、ごめん!」

スグルがアスカからすぐ離れる。

「いや、私が急に引っ張ったから…ごめん」

アスカもしどろもどろである。

なかなかに気まずい沈黙である。

「雨小降りになってきたし、行こっか」

「そ、そうだね!」

何とか家にたどり着き、アスカは盛大に息を吐いた。


まさか王子が…

しかもキスを…!

守る対象として、仕える身として尊敬し、慕っていた存在にこの世で会えるとは!

でも、今はただの同級生。

私はどうしたらいいのか!

アスカは眠れない夜を過ごすのだった。


翌日、昇降口でアヤと会った。

「おはよーアスカ」

「おはよ…」

スグル君がいる!

向こうもこちらに気が付く。

「おはようアスカさん」

「おはようございます!」

咄嗟に敬語が出てしまうアスカ。

スグル君は微笑んで歩いて行った。

「アスカ?どうしたの?」

アヤが怪しんでいる。

言えない。昨日の事は言えない!

「いや、何でもないよっ」

「ふぅ〜ん?アスカ顔赤いけど、熱ある?」

おでこを触るアヤ

「わかんないや。具合悪くなったら保健室行きなよ?」

分かんないのかい。

授業も頭に入らない。

これは風邪かな…

保健室にはアスカを心配して何人か着いてきてくれた。

「はいはい病人だけ入ってね〜」

先生がアスカ以外を追い払う。

そこにはスグル君もいた。

「え?どうしてここに?」

アスカが訊ねる。

「なんか寒気がして、熱あるかなって思って、アスカさんは?」

「私も頭がぼーっとするの」


「それじゃあ2人とも寝てなさい。先生ちょっと職員室行ってくるから」

先生は保健室から出て行った。


「きっと昨日の雨だよね、ごめんね」

アスカがスグルに謝る。

「僕が勝手にやった事だし、謝らないで」

「うん、寝よっか」

授業中に保健室で寝るのは初めてだ。

夢の中で、アスカは騎士になっていた。武功を納め、隊長として王子への謁見をしている。

ありがとう、君は国の宝だ。これからも国の為に尽力してくれ。

王子の手が肩に触れる。

頼りにしているよ、隊長。

優しく笑う顔、穏やかな声、やっぱりスグル君は王子と同じだ…

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