休憩
「その荷物何?一つ持たせてもらってもいい?」
アスカが紙袋を渡す。
「結構重いじゃん…」
「誕生日プレゼントなの」
アスカがさらっと口にする。
「え!これ全部?さすがだな〜」
スグルは驚きながらも荷物を返さない。
手を差し出すアスカ。
「重いし、僕が持つよ。濡らさないようにするから大丈夫」
「荷物まで持ってもらっちゃうのは悪いよ!」
アスカも食い下がる。
「本当はもう一つの荷物も持ってあげたいけど、手が塞がっててごめんね」
なぜ謝る?
「スグル君いい人だね」
アスカは感動した。
「そんなことないよ。母に女の子には優しくしろって口酸っぱく言われてたから。習慣だよ」
「傘持つの大変じゃない?私背高いから」
アスカは170センチある。一般的な男子生徒と並んでも同じ位なのだ。
「平気だよ。背は僕も高いから」
スグルは見た感じ180センチはあるだろう。
雨が強くなってきた。
「これじゃあ、プレゼントが濡れちゃうね」
スグルが荷物を大事に抱える。
いや、君の半身めっちゃ濡れてるから。
「スグル君、あの公園で雨宿りしよう」
公園の東屋に逃げ込む2人。
屋根の真ん中の方に行かないと、雨の勢いで濡れてしまうくらい降り出した。
並んで座る。
「アスカさん濡れてない?」
「私は大丈夫。スグル君めっちゃ濡れてる…」
ハンカチを差し出す。
「ありがとう。」
そう言うと、スグルは眼鏡を取って拭いた。
横顔を何気なく見たアスカ。
この顔、どこかで見たような…
「あ!」
「ん?どうかした?」
「いや、何でもない!です!」
手を振り挙動不審なアスカ。
スグルは、かつて自分が仕えていた王子に似ているのだ。
眼鏡してたから分からなかった…
スグルは眼鏡を東屋のテーブルに置いた。
「アスカさんも髪の毛濡れてるよ。拭くよ?」
スグルがアスカの髪の毛を触る。
アスカの心臓が跳ね上がる。
近い…!
「ちょっとよく見えないな…でも眼鏡まだ湿ってるから、痛かったら言って」
「スグル君、あとは自分でやるから!」
恥ずかしくなって、スグルからハンカチを奪おうと掴むが、スグルも掴んだまま。スグルが大勢を崩す。
「…」
これは事故だ…
2人の唇は重なっていた。




