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記憶
小学校の入学式。
アスカは唐突に前世の記憶を思い出す。
中世の世界、私は騎士団の隊長を務めていた。魔物や敵国との戦いに明け暮れ、気付いたら味方からも恐れられる、強人の女騎士として戦場に生きてきた。
これは転生なのか?
今は日本に住む、いたって普通な女の子だ。むしろ、怖がりで両親に心配されている節もある。
これは…こんな平和な世の中で、もう生きるの楽勝なのでは?
小学校でのアスカは優秀だった。
勉強はもちろん、スポーツも万能なアスカは妬まれる事もあった。が、あの過酷な日常に比べたら何でもないことである。
突っかかってくる子もいたが、たかがかわいい小学生である。
ニコニコしていたら、勝手に慕い始めた。
よって、気付いたら小学校をまとめ上げていた。
「アスカ、お友達来たみたいよ」
母が呼ぶ。
「はーい」
アスカが返事する。
「アスカちゃん、おはよう」
「鞄持とうか?」
「アスカちゃん、今度勉強教えて」
「今日は一緒に遊べる?」
大人気である。
このまま順風満帆な生活が待っている。そう思っていた。




