37.
勇者「幻の石板集めも佳境だね」
魔法使い「全部集めるとクリスタルの地図になるって噂だったわね」
僧侶「残すはあと一枚! ふんばりどころですっ」
戦士「しかしここまで来ると、場所の全体像がなんとなく分かるな」
魔法使い「まあ地図のほとんどが完成してるようなモンだからね」
勇者「――いいこと思いついた!」
魔法使い「……一応聞くわ」
勇者「地図は大半が見えてる。だからさ」
勇者「これ、このままクリスタルの所まで行けないかな?」
戦士「おいおい、まだ完成してないぜ?」
勇者「うん。でも行ける気がするんだ」
僧侶「ここまで来たなら全部集めましょうよ~」
勇者「そりゃ行き詰まったら集めるよ。でもさ、やってみたくない?」
魔法使い「まーた始まった……」
戦士「でもこのままじゃ、具体的なクリスタルの場所は分からないぞ?」
勇者「僕が思うに、クリスタルは最後の石板の範囲にあるはずなんだ」
僧侶「どうしてそう思われるのですか?」
勇者「まず、北の石板はロザリオの町を示してる」
戦士「おう」
勇者「町にクリスタルがある可能性は低い」
魔法使い「あるならオラクル討伐の時に渡してくれても良さそうだしね」
勇者「次に西の石板。ここにはオラクルの城があった」
僧侶「隅から隅まで探索しましたね」
魔法使い「本当に、ね……」
戦士「だがクリスタルは無かった。そうだろ?」
勇者「うん。だから西の石板範囲にはクリスタルは存在しない」
魔法使い「ちょっと待って。何かガバガバじゃない?」
勇者「それから東の石板だけど――」
魔法使い「話聞きなさいよ」
勇者「一面ただの原っぱだから、クリスタルは無い」
魔法使い「余計ガバガバになっちゃった」
僧侶「中央の石板はいかがですか?」
戦士「俺たちが初めから持ってたやつだな」
僧侶「魔法使い様の購入した魔道具たちに紛れていたものですね」
魔法使い「フフン、買い漁って正解だったでしょ?」
戦士「そのせいで路銀が底を尽きたがな」
魔法使い「……反省してます」
勇者「初めから持ってた石板の範囲に宝はないよ」
僧侶「断言ですか?」
勇者「うん。だってそういうセオリーだからね」
戦士「本当にそういうモンなのか……?」
勇者「――というわけで、最後の南の石板にクリスタルはある!」
魔法使い「陰謀論と同じくらい信じてるわ」
戦士「お前が言うと確度があやふやになるな」
僧侶「そういえば、残された範囲には神殿があるそうですよ」
勇者「ほら! 確定コース!」
魔法使い「興奮する気持ちは分かるけど」
戦士「……はあ。しゃあねぇ、行ってやるか」
僧侶「ふふ、そうですね」
魔法使い「ま、こうなった勇者をアタシたちは止められないから……」
勇者「じゃ早速、神殿に向けて出発だぁー!」
死まで、あと64日




