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第1話:予算オーバー、でもこの子にした。

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ひより @hiyori_vanlife 2025年4月8日 15:27 JST ID:hiyopon28

「三菱にしときなって、ちゃんと理由あるから」

先輩の言葉、信じてよかった。

デリカミニ、かわいいし

なんかこう…構造的にしっくりくる(語彙力)

#車中泊はじめました #デリカミニ女子 #予算オーバーでも後悔ゼロ

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「で? なんで軽バンなん?」


会社、最後の打ち上げ。

焚き火の煙。

フリースに染み込む。

高倉先輩が聞いた。

火が、パチパチ音を立てる。

私も、じっと見た。

夜風。心地いい。

でも、少し切ない。

もう、ここに来ることもない。


「んー、旅とか…」

私、答えた。

先輩、「ほう」とだけ。

コーヒー、すすった。

煙の匂い。

コーヒーの香り。

混ざり合う。

この匂い、自由。そう思えた。


「旅っていうか、寝るだけでも」

言葉、探した。

「布団にくるまれて、外の音聞きながら、朝迎えたい…的な?」


先輩、笑った。

「それ、たぶん“車中泊あるある”の入り口な」


あるある。

言われたら、気恥ずかしい。

でも、本当にそう。

SNSの「車中泊女子」。

キラキラしてる。

その裏には、きっと、漠然とした憧れ。

自由への。


私には、まだ漠然。

一歩、踏み出せない。

会社、辞めて数週間。

人生、リセット。

決めた。

でも、次、何?

見えない。

焦る。

でも、どこか期待。

胸の中、ごちゃ混ぜ。


その夜、帰り際。

会社、出た。

駅へ、歩いた。

先輩、ボソッと。

「迷ってんなら、デリカミニにしとけ。構造しっかりしてるし、屋根高い。あと…三菱、車中泊好きな人多いぞ」


迷ってんなら。

その一言、胸にすとん。

落ちた。

霧の中に、光。

そうだった。

あの言葉、なければ。

今も、カーセンサー。

開いて、閉じて。

「できるのか?」不安。

無為な時間。


だから、今日。

私、言えた。

自信持って。


「この子にします」


駐車場。

中古車、並ぶ。

明らかに。

こっち、「選ばせにきた」。


ちょっと丸い。

目が合った。

そんな気がした。

ボディ、アイボリー。

下半分、濃いカーキ。

たぶん、私のこと、わかってる色。


「……予算、超えてるけどさ」

私、小声。

営業さんの前じゃない。

クルマに向かって。


助手席、ドア開けた。

ふわっと、新車の匂い。(※中古だけど、整備済みだって)


一瞬で、負けた。

たぶん、これ、「ビビッときた」。


その日。

見に行くだけ。

そう、思ってた。

ほんとに。「見てから決めよう」。


でも、店員さんが言った。

「実はですね…このデリカミニ、展示車両だった未使用車でして。走行ほぼゼロ。で、いまキャンペーン中なんですよ」


私の中の、“車に詳しくない人格”。

そわそわし出した。


(え、まじ?)

(これって…つまり?)

(“運命の1台”ってやつ?)


ドアを開け。

ハンドル、握った。

その瞬間。

たぶん、決まった。


「この子にします」


私の、“第二の家”。

決まった。

たぶん、人生で、いちばん高い“寝袋”。


予算、ちょっとオーバー。

でも、それ以上に。「ピンときた」。

そして、たぶん。

高倉先輩の声。

頭の中に響いた。


──「迷ってんなら、デリカミニにしとけ」


買った理由?

ちゃんとあるよ。

……かわいかったから。

そして、「今、出会ったから」。


ちょっと、ワクワクしてる。

すごく。


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ひより @hiyori_vanlife 2025年4月8日 21:00 JST ID:hiyopon28

デリカミニ買っちゃった!

勢いって怖いけど、この「運命」なら後悔しない。

新しい人生、ここから始まるんだ。

#デリカミニ #車中泊女子 #相棒ゲット

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次回予告!

ひより:「え、シャモニーですか? でも、私、コールマンに…」

ディーラー:「実は急なキャンセルが出まして。これが運命なんです!」

次回、第2話:急にキャンセルが出たから、ですって。

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