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7話 いざ合宿へ

 合宿当日、俺達は電車に乗って合宿施設へと向かっていた。確か山の上にある施設だったんだよな……。いろいろとキノコやら山菜やらを使った晩飯が出てくるかと思いきや、定番のカレーで主人公ががっかりしていたのを思い出す。


 まぁ、キノコ狩りとかできると思うよな……。気持ちは分かるよ……。


「玲司、なーにぼーっとしてんだよ」


 そう言いながら俺の隣に座ったのは成田だ。


「いやぁ、お前の席は静かでいいなぁ……」


 見渡すと、俺の周りには誰も座っていない。ほとんどの生徒達が俺とかなりの距離を置いて座っていた。


 まぁ当然、こうなる事はわかっていたけどな。


「それは、俺に対するあてつけと捉えていいのか?」

「いやいや。別にそんな風でいったんじゃないぞ」

「ならいいんだけど」


 成田は少しほっとした様子だった。別に冗談と分かってるから何もしないんだけどな。もちろん冗談じゃなくても何もしないけど。


「ところでさー、合宿所で何するよー」

「適当にスマホを触ってれば良いんじゃないのか?」

「それが聞いた話だと、電波ないらしいぜ?」

「嘘だろ?マジ?」

「マジマジ」


 悠斗らってそんなに過酷な場所で合宿してたのか。すげぇな……。


「なんか、遊ぶものあるのか?」

「一応トランプとか、ボードゲーム類は持って来たけどなー。玲司は?」

「俺は電波がないって知らなかったから、何も持って来てねーよ」

「やっぱりなー。俺が持って来て正解だったぜー」


 そんな話をしていると突如として「こんにちはー」と言いながら琴音が俺達のいる席に近づいて来た。


「おっすー、天宮さんこんにちはー」

「天宮さん、どうかしたのか?」

「実は、城咲君に折り入って頼みがあるんだよねー」


 琴音が俺に頼み事?珍しいな、なんだろう?いやでもなんか嫌な予感がするんだが。


「実は私の班と城咲君の班を変わってほしいんだ」

「変わってほしい?」


 確か琴音は、調理班だっけ?琴音は個別ルートでは、悠斗にお弁当を作ってきたりして、料理が得意だと自分から言っていたんだけどな。


「天宮さん、何班だっけ?」

「調理班だよー」

「なんで、変わってほしいんだ?料理が不得意だったりするのか?」

「ううん、違うよー。実はさ、ここだけの話。班に苦手な人がいるから変わってほしいんだよねー」


 苦手な人?本編中では苦手な人なんていう設定はなかったはずだけど……。


「俺が変わってあげようか?俺はレクリエーション班だぜ」


 成田はそう提案するが、琴音は何度も首を横に振る。


「うーん、私はキャンプファイヤー班がいいんだよねー」

「そうかー。どうするんだ?玲司」

「そう言われてもなぁ……」

「お願い!一生のお願い!」


 手をパンと合わせてお願いしてくる琴音だったが、電車が目的地の駅に着き、生徒達は荷物をまとめて、降り始める。


「じゃ、じゃあ玲司君!班の件考えといてね!」


 それだけ言い残して、琴音は急いで自分の席へと戻って行くのだった。








 駅から、降りた俺達は山を少し上り、合宿施設に到着する。施設の人に案内され、俺達はそれぞれの部屋へ別れる。


 ちなみに、他のところは1部屋4人なのだが、俺達の所は皆怖がって成田と2人きりになってしまった。


「ふぅ……。やっと着いたなー」

「疲れたー……」


 部屋に着いた俺達はその場に寝転がる。


「で、天宮と交代するのか?」

「どうしようかなぁ……」

「それにしても、なんでキャンプファイヤー班になりたいんだろうなー?」

「俺もよくわからん……」


 やっぱり嫌な予感がするんだよな……。キャンプファイヤー班には綾乃がいる。ゲーム本編の琴音は嘘を感情巧みに表現し、バレにくくするのがうまい。


 嘘をついている、いないかわからない以上生半可な返事はできないんだよな。さてどうするか。

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