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6話 合宿の班決めだけど、悠斗の様子がおかしい?

 次の日、教室では合宿の話になり、班を今回もくじで決めるという事になっていた。


 この学校、いろいろ物事を決める時、くじが好きなのか知らないけど、なんでもくじで決めようとするんだよな。ゲームをプレイしている時も何回も、」何回も出て来てた気がする。


 ぶっちゃそれならあらかじめ先生が決めるか、あみだくじの方が良いような気がするけど……。


 そんな事を考えていると、委員会の生徒らの開封により、次々と班が決まって行き、ようやくキャンプファイヤー係の番が回って来る。


「それでは、キャンプファイヤー係は、城咲君、篠宮さん……」


 やっぱり来た。俺はすかさず手を上げようとすると、先に悠斗が手を挙げた。


 なんだ?なんで悠斗が手を挙げたんだ?


「城咲と俺を変えてくれ、綾乃とそいつが一緒なのは、嫌だ」


 マジか。悠斗から、提案してくれるとは、話が早い。


 けど、悠斗ってこんなに積極的に手を挙げる奴だっけ……?


「お兄ちゃん、恥ずかしいからやめて」


 呆れた表情で綾乃が立ち上がった。


「で、でも!」

「私は大丈夫だから……。すいません。私はそれで大丈夫なので進めてください」

「わ、わかりました」


 教室内がざわつく中、綾乃の一声で俺はキャンプファイヤー係に決まってしまった。


 本当にこれで良かったんだろうか……?俺のせいで変な噂とか立てられたりしないんだろうか?そう考えていると悠斗は机を思いっきり叩いて怒りを露わにし始める。


「なんで、兄の言う事を聞けないんだよ。俺は綾乃が城咲といる事が心配なんだよ!」

「私は大丈夫だから……お兄ちゃん落ち着いて……」

「落ち着けるか!頼むから兄の言う事を聞いてくれ」


 本編にこんなシーンなかったはずなのだが……。というか悠斗が完全に頭に血が上ってしまっていて、綾乃が恐怖で怯えてしまっている。


 てか、他の委員の奴らも、教室にいる生徒達も見ているだけで誰も綾乃の事を助けようとしないのかよ……。流石に我慢の限界だ。


「おい、篠宮。ここは教室だぞ?気持ちは分かるけど、まずは落ち着けよ」


 俺が声を上げた瞬間、教室が「やばいよ」とざわざわと騒ぎ始める。

 

「なんだよ……。ただ心配だって言ってるだけじゃないか」

「それは分かるんだけどさ?よく見て見ろよ妹を。アンタの事が怖くて震えてるぞ」


 ようやく気付いたのか悠斗は「あ……」とやってしまったというような表情をする。


 そんな事ばっかりしていると、綾乃好感度下がってしまうぞ?叱ってやりたいが、ここはぐっと我慢する。


「悪かった。でも、綾乃に何かしたら俺が許さないからな」

「わかってるよ」


 何事もなく終わって、教室にいた生徒や綾乃はほっと胸を撫でおろした。


 にしても、悠斗のあの態度……。本当に本物の悠斗なのか?本編では確かに別のヒロインのルートにいったりすれば高圧的な態度を取ったりするが、あそこまで綾乃を脅すような態度を取るような奴ではなかったんだよな。


 恐らく、別のヒロインのルートに行っているのだと考えられるのだが……。これも俺が転生して来た影響なのだろうか?謎は深まるばかりだ。







綾乃視点


 はぁ……今日は散々な目にあった……。お兄ちゃんったら教室の中であんな事言って……。


 恥ずかしいなんてレベルじゃない!後で友達に「お兄ちゃん優しいねー」なんてからかわれたし……何を考えてるの?


 そんな事を考えながら昇降口から出ようとすると、聞きなれた声で「おーい」と呼び止められた。


「綾乃ー!今日は一緒に帰ろうぜ」


 噂をすればなんとやら、諸悪の根源であるお兄ちゃんがやって来た。

 

「ふん……勝手にすれば……」

「お、おい!ちょっと待ってくれよー悪かったって……」

「なんであんな事教室の中で言ったの?」

「綾乃が心配だったんだよ……。ほら……一緒にいる奴が城咲だろ?そりゃ誰でも心配するぞ?」

「別に私は大丈夫だから……。それに城咲はお兄ちゃんが思ってるよりもいい人だよ?」


 そう私は力説すると、お兄ちゃんの表情が一変する。


「それ、本気で言ってるのか?」

「うん、そうだよ……」

「いいや、綾乃は騙されてるぞ?アイツは中学時代にかなりの人数の生徒をいじめてきた極悪なやつだぞ?今はなぜかおとなしいけど、いつ爆発するかわからないんだぞ?」

「で、でも……図書委員の仕事も最後まで手伝ってくれたし……」


 違う、違うんだってそうじゃないよお兄ちゃん……。どうしたらわかってくれるの?なんとか説得しようとすると、お兄ちゃんがっしりと肩を掴まれてしまう。


「騙されちゃいけないって言ってるよね……?」

「お、お兄ちゃん……?」

「分かった?」


 怖い……怖い……目の前にいるのは本当にお兄ちゃんなの……?


 本当はいいえと言いたかったのに、私は恐怖のあまり、はいと答えてしまった。


「うん、わかればいいんだ。綾乃……」

「……はい……」


 やっぱりおかしい……。入学してからのお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃな気がする?


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