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3話 転生してから一週間

 入学してから一週間が経った。


 この一週間、俺は真面目に授業を受けて、積極的に委員会にも参加した。そのおかげで俺に対する見方はほんの少し変わってきているようだ。


 今もサボらず、真面目に放課後に花壇の花へ水をかけている。その様子を見た数人の生徒達がひそひそと話しながら、俺の前を通って行く。


「なんかおとなしくない?」

「絶対何か企んでるだろ……」

「いつか何かしでかすに違いない……。機会を待ってるんだ」


 まだ信用されてなさそうだな。もう少し時間をかけないとダメそうかな。


「よっ、玲司。何ぼさっと考えてるんだよ?」

「別に何も考えてねぇよ」


 隣で同じように水やりをやっているのは、成田浩司。高校で玲司の悪行の手助けをするモブ生徒だ。ゲームをやってる奴からは玲司の次に嫌われているキャラである。


 一応玲司に脅されて悪行をしているという設定らしいので、俺が何も指図しなければ、ただの普通の男子生徒のようだが。


「ていうか、来週1年だけで合宿があるって知ってるか?」

「あぁ、そうらしいな」


 合宿イベント……。これ確か、悠斗がどのヒロイン達と過ごすかで、どのルートに進むか決まる重要なイベントなんだよね。


 かなり重要なイベントだったので、脳裏へ焼き付くように覚えている。


「飯も俺達で作らないといけないらしいぜ?だりぃよなー」

「出来れば楽な班がいいよな」


 通例だと玲司は成田と綾乃と一緒にキャンプファイヤー係になって、いろいろとちょっかいをかけて、悠斗が助けに入って来て、玲司と成田が別室になってしまうというシナリオだったけ?


 流石にそうはならないとは思うが……。何かあってからでは遅いので、キャンプファイヤー係も絶対辞退しよう。


「ところで、篠宮綾乃って娘さ、めちゃくちゃ可愛いよなー」

「確かにな……」


 当たり前だ。俺の初恋のゲームヒロインだぞ。なんて言う事は言えず、俺は冷静に答える。


「皆に優しいさー、スタイルも良い……。しかも胸もでかいしさー」

「あんまり女の子をそんな目で見るなよ……」

「えー、かく言うお前も、結構そういう目で見てるだろー?」

「俺は別に……」


 初恋の相手をそんな目で見ているはずがないだろう。エロゲーのキャラとは言え、俺はその辺はちゃんと弁えていたぞ。


「本当かなぁ?」

「本当だって……」

「そう言う事にしといてやるかー」


 まぁ、全然見ていなかったかと言われれば嘘にはなるけど。綾乃の3サイズも調べなくても言えるくらいには覚えてたし……。


 そんな事を考えていると、俺達の元へ麗奈がやってくる。


「すいません、お2人共……。今よろしいでしょうか?」

「どうした?」

「どうしたんすか?」

「今、図書委員の手が足りないそうなので、お2人共手伝ってもらえませんか?」

「別にいいけど」

「俺、用事があるんで帰ります」


 成田は、そう言い残して逃げるように帰って行ってしまった。

 

 アイツ……。面倒な事になると逃げるような奴だったの忘れてた……。


「城咲君、向かってくれますか?」

「わかりました……行きます」


 こうして俺は花壇の水やりを終えた後、図書館へ1人で向かう事になったのだった。


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