過去(最近)に何度か同じ状態を繰り返しているからでは、投資根拠は弱い?
「過去に何度か同じ状態を繰り返しているから」という根拠は、**必ずしも弱いわけではありませんが、不十分な場合が多い**です。特に、過去のパターンに基づいて未来を予測する場合は、以下のリスクや限界を理解することが重要です。
---
## 「過去の繰り返し」を根拠とする場合の問題点
1. **市場環境の変化**
- 株価や価格は、過去の動きだけでなく、現在および将来の市場環境(マクロ経済状況、規制、競合など)に大きく左右されます。
- 過去のパターンが再現される保証はなく、むしろ市場環境が変化している場合、そのパターンは無効化される可能性があります。
2. **偶然の可能性**
- 過去の「繰り返し」が本当に意味のあるトレンドなのか、それとも偶然の一致なのかを検証する必要があります。
- 「何度か同じ動きをした」というだけでは、再現性を確信するには弱いです。
3. **統計的な誤解**
- 株価の動きが規則的に見えても、実際にはノイズやランダムウォークの一部である可能性があります。特にボラティリティが高い銘柄では、過去のパターンが「錯覚」である場合も少なくありません。
4. **心理的バイアス**
- 人間は「パターンを見つけたい」という心理的傾向があります。これにより、過去の一部の事例に基づいて、過剰に未来を楽観視するリスクがあります。
---
## 「過去の繰り返し」を活用するための補強策
「過去の繰り返し」を根拠にする場合、以下の方法で論拠を強化することができます。
1. **追加のファンダメンタルズ分析**
- 「なぜそのパターンが繰り返されたのか」を検証する。
例えば、BTC価格が上昇するたびに機関投資家が参入して価格を支えている、などの裏付けを探す。
2. **より長期的なデータの確認**
- 同じパターンが短期的だけでなく、中長期でも確認できる場合は信頼性が高まります。
- 10回中3回だけ発生しているのではなく、70~80%の確率で繰り返されているなら根拠として強固です。
3. **他の指標や要因との組み合わせ**
- テクニカル指標(RSI、移動平均線など)や、ファンダメンタルズ(収益、事業進展)と合わせて、根拠を補強する。
4. **検証可能なデータを使う**
- 「過去の繰り返し」が統計的に有意であるかどうかをバックテストやデータ分析で確認する。
5. **代替シナリオを設定する**
- 過去のパターンが今回再現されなかった場合にどうするか(損切りラインや撤退戦略)を計画する。
---
## 結論
「過去に何度か同じ状態を繰り返している」という根拠だけでは、投資判断としては弱いと言えます。ただし、そのパターンがなぜ起きたのかを分析し、他の要因と組み合わせて裏付けを強化すれば、信頼性を高めることが可能です。
最も重要なのは、過去のパターンが「偶然」ではなく、「論理的な理由で繰り返される現象」であると示すことです。それができれば、ギャンブルではなく投資として位置づけられるでしょう。