三角持ち合いとは?
「株式取引で三角持ち合いの具体例と三角持ち合いが崩れた場合にはどうなるか詳しく教えて。
また、三角持ち合いの確認lineの引き方の具体例も合わせてお願いします。」
### **三角持ち合いとは?**
三角持ち合い(トライアングル)は、株価が収束するパターンの一つで、買いと売りの圧力が拮抗している状態を示します。価格が一定の範囲内で推移し、時間とともにその範囲が狭くなることで、最終的にブレイクアウト(上抜け)かブレイクダウン(下抜け)を迎えます。
### **三角持ち合いの具体例**
#### **1. 上昇三角形**
- **特徴**:
- 上値が一定(水平ライン)
- 安値が徐々に切り上がる
- 買い圧力が徐々に強まる
- **ブレイク後の動き**:
- 水平ラインを上抜けすると上昇トレンドが発生しやすい
- 失敗すると、急落することもある
**例**:
- A社の株価が1,000円で一定の上値抵抗線を持ちながら、安値が950円 → 960円 → 970円と徐々に上昇
- 最終的に1,000円を明確に突破し、1,050円、1,100円へ上昇
#### **2. 下降三角形**
- **特徴**:
- 下値が一定(水平ライン)
- 高値が徐々に切り下がる
- 売り圧力が徐々に強まる
- **ブレイク後の動き**:
- 水平ラインを下抜けすると下降トレンドが発生しやすい
- 失敗すると、急反発することもある
**例**:
- B社の株価が800円で一定の下値支持線を持ちつつ、高値が850円 → 840円 → 830円と徐々に低下
- 800円を明確に下抜けし、750円、700円へ下落
#### **3. シンメトリカルトライアングル(対称三角形)**
- **特徴**:
- 高値が切り下がり、安値が切り上がる
- 買いと売りのバランスが拮抗
- **ブレイク後の動き**:
- どちらにもブレイクしうる
- ブレイク時の出来高が増えると、その方向への動きが強くなりやすい
**例**:
- C社の株価が1,500円 → 1,400円 → 1,350円(高値切り下げ)、同時に1,000円 → 1,100円 → 1,200円(安値切り上げ)
- どちらかにブレイクすると、勢いよく動く
---
### **三角持ち合いが崩れた場合の影響**
1. **上にブレイクした場合**
- 大口投資家の買いが入り、一気に株価が上昇しやすい
- ブレイクアウト後に押し目を作ることもある
- 目標価格の算出方法として「三角形の高さ」を上乗せすることが多い(例:レンジ幅200円ならブレイク後の目標も+200円)
2. **下にブレイクした場合**
- 投げ売りが発生しやすく、急落する可能性が高い
- 特に安値を更新すると損切りの連鎖が起こりやすい
- 目標価格の算出方法は、レンジ幅を下抜け方向に適用
---
### **三角持ち合いの確認ラインの引き方**
#### **1. 高値・安値をつないでラインを引く**
- **上昇三角形**:水平な上値抵抗線と、安値の切り上げライン
- **下降三角形**:水平な下値支持線と、高値の切り下げライン
- **対称三角形**:高値と安値をそれぞれ結ぶ
#### **2. 出来高をチェック**
- 収束するにつれて出来高が減少し、ブレイク時に増加するのが理想
#### **3. ダマシ回避のためにブレイク後の確認**
- ブレイク後に出来高が伴うか
- 一度押し戻されても、再度ブレイクするか
- 終値が明確にブレイクラインの外に出ることを確認する
---
### **まとめ**
- **三角持ち合いは「価格の収束と拮抗」の状態**
- **ブレイクの方向で大きなトレンドが決まる**
- **ラインを引く際は、高値・安値をつなぎ、出来高の推移も確認する**
- **ブレイク後のフォロー(押し目や戻り売り)でエントリーを狙うのも有効**
以上が三角持ち合いの具体例とラインの引き方、崩れた際の影響です。
「どのタイミングでラインを引き直す?」
### **三角持ち合いのライン引き直しのタイミング**
三角持ち合いのラインは、市場の動きに合わせて適切に修正する必要があります。以下のような状況で引き直すと、より正確な判断ができます。
---
### **1. 高値または安値が更新されたとき**
#### **(A) 直近の高値・安値を大きく更新した場合**
**高値を超えた場合**(上昇圧力が強まる)
**安値を割った場合**(下降圧力が強まる)
- 例:
- 1,000円の水平抵抗線が引けていたが、新たな高値1,020円が形成された
- その場合、水平ラインを1,020円に修正する
---
### **2. サポートライン(支持線)・レジスタンスライン(抵抗線)の角度が変わったとき**
#### **(B) トレンドの勢いが変化した場合**
+ 安値の切り上がり(または高値の切り下がり)の角度が急になる
+ 逆に、三角持ち合いが緩やかになった
- 例:
- 直線的な上昇だったが、急な安値切り上げが発生(例:950円 → 970円 → 990円)
- その場合、新しい安値ラインを反映する
---
### **3. ダマシ(フェイクブレイク)が発生したとき**
#### **(C) 一時的なブレイクが発生し、再び持ち合いに戻った場合**
+ 一度ブレイクしたが、すぐに元のレンジ内に戻った
+ 市場参加者の意識するラインが変わった可能性がある
- 例:
- 1,000円の水平ラインを超えたが、1,010円で失速して下落
- 1,000円ラインが機能しなくなったため、新たなレジスタンスを1,010円に修正
---
### **4. 持ち合いの期間が長引いたとき**
#### **(D) 時間経過による市場の変化**
三角持ち合いが長引き、より多くのデータポイントができた
新しいラインのほうが、より多くの高値・安値に適合する
- 例:
- 1ヶ月間の持ち合いだったが、さらに2週間経過してより明確なパターンが見えてきた
- その場合、より適切な角度でラインを引き直す
---
### **5. 重要な経済イベントや決算発表後**
#### **(E) 市場の環境が変化した場合**
+ 決算発表や経済指標の影響で、株価の動きが大きく変わった
+ 直前までのトレンドが通用しなくなった
- 例:
- IHIの決算発表後、それまでの三角持ち合いが崩れ、方向感が変わった
- 新しいレンジを探るために、ラインを修正
---
### **結論:ライン引き直しの具体的な指標**
**最低3点の接触があるラインを維持**(2点だけだと精度が低い)
**ブレイクしたと思ったら、翌日以降の動きも確認**
**相場の勢いが変わったらすぐに調整**
このように、適切なタイミングでラインを引き直すことで、より精度の高いトレードが可能になります!