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寂しがり屋の嫌われ者

作者: 笑う私
掲載日:2010/03/18

1人。

私が1人。

私の部屋で私は1人。

私の家で私は1人。

私のクラスで私は1人。

私の学年で私は1人。

私の学校で私は1人。

私の街で私は1人。

私の国で私は1人。

私の地球で私は1人。


1人。


1人?


1人!


1人ー。


ひっとり。


ヒトリー。


ひとーりー。





独りぼっち。


私は独りぼっち。


どこを探しても見つからない。


机の下にも居なかった。


引き出しの中にも居なかった。


押入にも居なかった。


トイレの中にも居なかった。


洗濯機の中も確かめた。


食器洗い機の中も。


ゴミ箱も。


ランドセルも。


給食袋も。


長靴も。



どこを探しても見つからない。



かあ様に聞いたら笑われて。

とう様に聞いたら怒られて。

ポチに聞いたらほえられた。


私はいったいどこだろう。

どこに行けば逢えるだろうか。

どこをさがせば良いのだろうか。


スイカを割って探しているとき、テレビで誰かが言っていた。お墓で泣いて言っていた。


「私は決して忘れない。彼女は私のなかにいる。」


あなたの中に誰かがいるの?


誰かの中に私もいるの?


大好きな先生に聞いたら、にっこり笑ってそうだと言った。


あなたの大好きな人は、きっとあなたを大好きだから。大切だから。」


だから、先生の中をさがした。


でも私は居なかった。

赤や薄い肌色やベトベト気持ち悪い物しか入っていない。


先生は嘘つきだ。

嘘つき?


いや、違う。

先生は今まで一度も嘘は吐かなかった。


だからきっと、先生は私のことが嫌いだったんだ。


だから私は居なかった。


次は親友のミカちゃんの中をさがした。

ミカちゃんは最初はうるさかったけれど、しばらくして返事もしてくれなくなった。

中に私は居ない。


ミカちゃんも私を嫌っていた。



とう様ならとさがしてみたが、やっぱり居ない。


みんな私よりもベトベトでぐちゅぐちゅな物が好きなんだ。



かあ様にだって私は居なかった。

中には知らない小さな奴が入っていた。

私じゃない。

なんで私じゃないの?

何でもこんな気持ちの悪い小さな変な奴が居て、私は居ないの?

私は好きじゃなかったの?


腹が立ったからかあ様はゴミ箱にすててしまった。



ポチが私にすり寄ってくる。

ポチなら私が居るはず。

だっていっぱい遊んだもの。

いっぱいいっぱいお話ししたもの。

私のこといっぱいいっぱいいっぱい舐めてくれたもの。

居ない筈がない。


私はポチを開こうとした。

するとポチは私を咬んで、私が開いた。


中には、先生もミカちゃんもとう様もかあ様もポチも。


私も居なかった。





1人。

私が1人。

私の部屋で私は1人。私の家で私は1人。

私のクラスで私は1人。

私の学年で私は1人。

私の学校で私は1人。

私の街で私は1人。

私の国で私は1人。

私の地球で私は1人。


1人。


1人?


1人!


1人ー。


ひっとり。


ヒトリー。


ひとーりー。





独りぼっち。


私は独りぼっち。


どこを探しても見つからない。


先生 ミカちゃん とう様 かあ様


そして 私 の中にも居なかった。


私はこんなに大好きなのに。

誰にも私は居なかった。


独りだ。


独りぼっちだ。


寂しいよぉ。


独りぼっちは嫌だよぉ。



ポチの中には居て欲しい。

せめてポチだけは私を嫌いにならないでほしい。



でも、私はもう居ないから。



結局私は1人だけ。



私はやっぱり独りだった。

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