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僕の私の夢は超イージーモード。だった・・・  作者: ma-no
四章 宇宙人との戦争

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48/52

48 残り三日


 グオ~ン、グオ~ンと(おぞ)ましい音。その音は、テレビ、スマホ、外からも引っ切り無しに鳴り響いている。


「「ついに来たね……」」


 その音に、蒼正と純菜は何が起こっているかすぐに気付き、顔を見合わせた後は手を繋ぎ、緊張した顔でテレビに視線を戻した。

 それからしばらくすると音が止まり、神妙な顔のアナウンサーから天皇陛下の御言葉があると、日本語や英語、中国語で説明し、その他の言語は画面の下にあるアドレス等にアクセスするようなアクションが浮かんだり光ったりしている。


 それを三度繰り返したら画面が切り替わり、天皇陛下が映し出された。


「日本国民の皆様、並びに世界各国の皆様、これから大変なお知らせがあります。心してお聞き下さい」


 天皇陛下から語られる宇宙人襲来の話。宇宙人と聞いて、最初は世界中はワッと湧いたみたいだが、侵略目的で今の地球の技術力では勝てる可能性が限り無く低いと説明されて体が固まる事に。

 地球上が静まり返る中、天皇陛下は淡々と地球滅亡の知らせを告げて、最後に唯一の希望を見せる。


「これから我々は、最後の攻撃を行います。その結果が分かるのは三日後です。それとほぼ同時に、大きな精神エネルギーの集合体に地球は呑み込まれる事になっています。

 もしも我々が勝て無くとも、肉体が消滅して宇宙人の一員になり、永遠の命を与えられると言う情報も有ります。これは、宇宙人と接触した者からの情報ですから確実です。

 ですから、皆様……投げ()りにならず、その時まで、愛する人と共に、穏やかな時間をお過ごし下さい」


 この御言葉の後、アナウンサーの画面に変わると図解で詳しく説明したり、また天皇陛下の録画映像に変わり、説明を繰り返す映像がエンドレスで流れるのであった……



 玉音放送を見た蒼正と純菜は黙っていたが、1時間ほど経つとテレビを消した。


「NASAじゃなかったね……」

「うん……」


 今まで人知れず宇宙人と戦ってはいたが、何処か夢心地だったので、天皇陛下の御言葉を聞いてようやく地球滅亡の危機を噛み締める二人。


「どうして天皇陛下だったんだろう?」

「私に聞かれても……てか、よく生きてたね」

「そういえばそうだね。中国人や韓国人に真っ先に殺されそうなのに、なんでだろう……」

「まぁ生きてたからの適材適所かも? 権力者は皆死んで、唯一生きているのが天皇陛下だからかも?」

「確かに……ぽっと出の大統領やNASAより説得力あるかも?」


 次に思う事は、天皇陛下の出番。これは予想しか出来無いので、次の疑問に移行する。


「あの話、しなかったね? 悪人は宇宙人の一員にはなれないの」

「だね。言っちゃうと、自棄(やけ)になった人が暴動を起こす可能性があると思ったんじゃない?」

「そりゃそうか。ま、悪人はだいぶ減ってる可能性はあると思うけど」

「私達をイジメてた人は、まだ……生きてるのかな?」

「うちは三人死んだって校長先生から連絡来た」

「私は知ら無い……それだけ恨まれていたなら、死んでそうね……」


 蒼正と純菜はイジメっ子に手を下していなかったが、誰かが代わって天罰を与えていたなら結果オーライ。忍ぶ気持ちも無いみたいだ。


「後はNASAじゃ無い事が問題だね~?」

「まさかの天皇陛下だもんね。ママ達、嘘吐いたとか言わ無いかな~?」

「僕は疑われそう。なんか信用されて無いんだよな~」

「うちもそんなもんだよ。体の関係は無いって言っても信じてくれないもん」

「けっこう凄い話を家庭でしてるんだね」


 母親にはNASAが発表すると説明していたので、この心配をしたかった蒼正だが話は脱線。純菜も恥ずかしいから言う訳が無いと反論していたら、お互いのスマホが鳴った。


「ママからだ……なんでショートメール?」

「刑事さん? なんだろ……」


 現在インターネットや電話はパンク状態。繋がり難いので、各自繋がり易そうな方法で連絡を取っているらしい。


「ママ、何処に居るのだって? 本当の事書いていい??」

「うん。心配してるんだから、安心させてあげて」

「有り難う。刑事さんはなんて?」

「明日、時間あるかってさ。多分、報告か何かじゃないかな?」

「それだったら私も聞きに行こうかな」


 とりあえずお互い返事していたら、蒼正の母親から遅れて連絡が届く。もうこの際、母親同士も会わせようかと二人は話し合い、蒼正の家で両家のご挨拶となった。

 まず最初は、蒼正達を疑っていた事の謝罪が有り、続いて宇宙人の詳しい情報や会ったことがあるのかの質疑応答。母親達には二度目の話なのに、終始驚いて聞いていた。


 その後は、母親同士の会話。どちらもシングルマザーなので、すぐに打ち解ける。イジメの事も相談され無いと愚痴っていたので、蒼正達は自室に逃げ込んでいた。

 日が暮れると、両家で買い出し。スーパーは人でごった返していたが、残り三日しか無いので買い溜めする人は少ない。普段売れ無い高級品ばかりが狙われている様子。


 もうお金を持っていても意味を成さ無いので、レジはほぼ素通り状態。それでも大半の人は、財布に入っているお金を適当に置いてから店を出て行っている。

 蒼正達もそれに(なら)ってレジに並び、お金を置いてから外に出たら、地球最後の日は一緒に過ごそうと約束して、両家は解散したのであった。


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