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僕の私の夢は超イージーモード。だった・・・  作者: ma-no
四章 宇宙人との戦争

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42 堀口家


 石坂と情報交換していた蒼正は時計をチラチラと見て、頃合いとなったら用事があると立ち上がる。


「なんだか緊張しているように見えるが、これから何かするのか?」


 流石はベテラン刑事。石坂は蒼正の顔が徐々に強張っていた事に気付いている。


「これから彼女のお母さんと初めて会うので……」

「フッ……そういうことか。父親と会うよりマシなんだから、気楽に行け。堀口の母親も優しそうな人だったから大丈夫だ」

「そうなんですか……ちなみに石坂さんは、結婚の挨拶とかどんな感じだったんですか?」

「結婚の挨拶?? 相手の父親に刑事なんかと大反対された」


 石坂は変な事を聞くなと思ったが、蒼正の緊張を(ほぐ)してやろうと結婚について語る。

 相手方の父親に反対された後は、誠意を見せてなんとか結婚が出来たらしい。だがしかし、職業柄、家に全然帰って来無いので、10年で破局。子供の親権も当然母親になり、養育費を払いながら一人で生活しているそうだ。


「と言う訳で、義父が正しかったという訳だ。助言は聞くもんだな」

「はあ……それで石坂さんは幸せなんですか?」

「考えた事が無い。俺の子供が幸せならそれでいい。そうだ。俺も最後になるかも知れ無いんだから会いに行か無いとな。忘れる所だった。有り難うな」


 少し石坂の事が格好いい大人に見えた蒼正であったが、子供の事を忘れていたから、だから離婚されるんだと納得する。


「それじゃあ……そうそう。これ、アメリカ土産だ。これから彼女に会うなら渡しておいてくれ」

「あ、有り難う御座います」

「頑張れよ」


 こうして石坂は紙袋をふたつ蒼正に押し付けると、右手を軽く挙げて振り返らずに去って行くのであった。



 ちょっと石坂と話をし過ぎた蒼正だったが、元々早く出過ぎていたので、堀口家に余裕を持って到着。早く着き過ぎたのでどうした物かと考えた結果、とりあえず純菜には連絡する。

 遊園地デートでは、1時間も近くに立っていて時間を無駄にしたから、それを考慮したらしい。


 するとすぐに純菜から返事が有り、外に出て来てくれるとのこと。母親はまだ準備中だから外で二十分程お喋りしながら待ってから、二人で家に入った。


「純菜さんとお付き合いさせていただいている、吉見蒼正です。宜しくお願いします。こちら、つまらない物ですが受け取って下さい」

「ウフフ。そんなに(かしこ)まらなくても大丈夫よ。さあ、上がって上がって」


 蒼正が緊張して手土産を差し出しながら挨拶をすると、晴美は笑顔で受け取って奥へと案内する。リビングまで入ると純菜がダイニングテーブルに連れて行き、そこに蒼正と共に座った。


「大したおもてなしが出来無くてゴメンね。お口に合うといいな~」

「い、いえ。美味しそうです」

「アハハ。有り難う。そっちの料理は純菜が作ったから、絶対美味しいわよ~?」

「もう! ママ。早く食べようよ」


 晴美がからかって純菜が怒った所で、歓迎会の開始。一先(ひとま)ず蒼正は純菜が作ったという料理を食べて、美味しいと褒める。

 その言い方が大袈裟だったので、純菜は照れて蒼正の肩をバシンと叩いていた。晴美はそんな二人のやり取りを微笑ましく見て、「若いな~」とか思っている。


 蒼正は母親から出された物は全部平らげろと言われていたけど、晴美が張り切って作り過ぎていたので、ギブアップでランチは終了。しばらく動けそうに無い。


「蒼正君。有り難う」


 純菜がトイレに入ったタイミングで晴美から感謝の言葉が出ると、蒼正は(ほう)けた顔になる。


「なんの事ですか?」

「小学校の時に純菜を助けてくれたらしいじゃない? それに今も、暗かった純菜をこんなに明るくしてくれて……全て蒼正君のお陰よ」

「いや、僕は別に何も……僕も純菜さんに助けられているのでお互い様ですよ」

「そんな事無いよ。ずっと純菜と仲良くしてくれると、安心出来るからお願いね?」

「はい。それは約束します」


 二人が喋っていたら純菜が戻って来てどんな会話をしていたか聞かれていたが、晴美が誤魔化すのでそれに合わせる蒼正。

 しばしその場で世間話をして、お腹が少し落ち着いたら、蒼正は手を引かれて純菜の部屋に移動した。


「僕と一緒で本がいっぱいだね。こ、これは……」

「まだ残ってた!?」


 初めて女子の部屋に入った蒼正は手持ち無沙汰だったので、なんとなく本を手に取ってみたらBL本。タイトルが普通だったから漏れがあった模様。

 なので蒼正が普通の本を読んでいる間に、純菜は慌てて怪しい本はクローゼットに押し込んだ。


「卒業アルバムとかって取ってあるの?」

「一応……酷い写真ばっかりだけど……」

「あ、見せるの嫌ならいいよ。小さい頃の写真とかは見たいけど」

「ううん。ちょっと待って」


 純菜は小中とイジメられていたから見られたく無いが、蒼正はイジメが酷かった頃の卒業アルバムも見せてくれたので、覚悟を決めて持って来た。

 ただ、卒業アルバムには純菜がほとんど映っていなかったので、すぐに終了。小さい頃の写真に移るが、蒼正はずっと可愛いと言っていたから純菜は顔が真っ赤だ。


 写真等を見終わると、蒼正は石坂から得た情報を報告。意外と話が進んでいたから、純菜も驚いていた。

 それからこれからの話をしていたら、晴美がおやつと飲み物を持って来てくれたけど、ノックも無しに入って来たので純菜に怒られていた。晴美はガッカリした顔をしている所を見ると、イチャイチャしてる所を見たかったのだろう。


 晴美が出て行った後に、もういいかと甘い一時を送る純菜と蒼正。こんな事もあろうかと、二人共我慢していたみたいだ。


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