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僕の私の夢は超イージーモード。だった・・・  作者: ma-no
四章 宇宙人との戦争

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40 被害状況


 宇宙軍は、地雷と純菜の聖魔法でほとんど壊滅。それでも歩兵が諦めずに突っ込んで来たが、純菜から出番を譲られた蒼正が聖属性の付与されたドローンで蜂の巣にして殲滅となった。


「ちょっとやり過ぎたかな~?」

「次回はまた難易度上がっちゃうかな?」


 千人規模の近代軍隊を割とあっさり殲滅してしまったので、蒼正と純菜は少し心配。今まではわざと時間を掛けて、宇宙人の戦力を大きく増やさ無いように努めていたからだ。


「次は何が来ると思う?」

「う~ん……向こうの方が未来の戦争の知識があるだろうから、そういう戦略かな?」

「あ、そうか。いくつもの星を落として、そこの人達を仲間に加えているんだから、科学技術の高い戦争も知識にあるのね……」

「たぶんね。でも、普通に考えたら、大気圏外からの遠距離砲だと思うけど」

「それってどう対応をするの?」


 流石にそこまで来ると蒼正も対応策は防御に徹するぐらいしか思い付か無い。その他、核兵器等も対応策を考えていたら、朝になるのであった。



 宇宙軍を撃退してから二日。その間、宇宙人の襲来は止まっており、学校も終業式となった。純菜と蒼正は終業式が終わると、二人が初めて会った高台の神社で顔を合わせた。


「なんか照れるね」

「夢では毎日会ってるのにね」


 二人は照れながら、町が見渡せる位置にある石のベンチに並んで座る。賽銭を回収しに出て来た住職は、その二人の背中を微笑ましく見ていた。

 しばらく無言で町並みを見ていた二人だが、蒼正が口を開く。


「学校、どうだった?」

「イジメっ子が居なくなったから、すっごく平和。今日なんか、数人の子に無視してゴメンって謝られたよ」

「へ~。いい傾向だね。友達になれそう?」

「それはどうだろう? 夏休みが終わっても地球があるかによるかな~?」


 純菜は少し嬉しそうな顔をしているので、蒼正も嬉しくなる。


「蒼君はどうなった? 校長先生達は頑張ってる??」

「うん。すっごく頑張ってる。夏休みが終わったら、イジメ加害者は全員別の教室に隔離して、グループセラピーや授業受けさせるんだって。教師も半分ぐらい追い出すみたいだよ」

「わ~。凄い決断。でも、授業とかどうするの? 先生足りなくない??」

「なんかね。オンライン塾みたいな事をするから、少なくてもやって行けるような事を言ってたよ。元々そういう改革をしたかったみたい」


 蒼正もイジメ被害が無くなりそうだが、純菜としては最先端の授業に興味があるのか、ちょっと羨ましく感じる。


「まぁ、ぶっちゃけ、性格の悪そうな人はガンガン減ってるから、今更なんだけどね」

「だよね~? 今更対策やられても、イジメる人は居ないもんね~」


 しかしながら、現在の日本は……いや、世界中は、大変な事態になっている。君主や政治家といった権力者側に居る人間は、毎日のように殺害されたとニュースになっているので切りが無い。

 露出の少ない国の実務者や経済界のトップクラスも死ぬか大怪我を負っているけど、報道し切れ無いので小さな記事。

 学校や会社といった小さな組織でも、嫌われ者はどんどん消えて行くから、世界中は何が起こっているのかと恐怖に震える事になっている。


「これって宇宙人の攻撃が始まったって事かな?」


 純菜の問いに、蒼正は軽く首を横に振った。


「怪我人って報道もあるからまだじゃ無い? アイツらのあの感じなら、悪者は即死刑でしょ」

「そうだよね~……人類って、どれだけ他人を恨んでいるんだか」

「僕達も人の事言え無いけど……まぁ偉い人を狙っている人は、明晰夢(めいせきむ)を見れる正義の味方気分の少ない人数がやってそうだけど」

「正義の味方か~……馬鹿だね」

「うん。馬鹿だね」


 宇宙人の基準から言えば、人殺しをしている人間は悪。いくら正義の行いでやっていると思っていても、その人は最終的に宇宙人に裁かれると知っている蒼正と純菜は、哀れみを込めて馬鹿にする。


「それはそうと、私達に来無いのはなんでだろ?」

「なんでだろうね~? 人手……宇宙人手不足とか??」

「あぁ~……私達の所に来たら戦力が減っちゃうから後回しにしてるんだ」

「そんな事しなくても仲間に入れてくれたらいいのにね」

「本当に……悪人だったら私達も協力惜しまないのにね」


 宇宙人の襲来イベントが無いので、二人は愚痴ばっかり。宇宙人の仲間になれるなら、二人は人類を裁く側に回ってもいいとまで言ってしまうのであった。



「そういえば、刑事さんってどうなったの?」


 宇宙人への愚痴が終わると、石坂と連絡を取っている蒼正に質問する純菜。


「昨日帰って来たってさ。んで、早く会いたいって言うから、明日会う事になった」

「明日って、うちに来る日じゃ……」

「分かってるよ。午前中に話をするだけだから大丈夫」

「それって私も行った方がいい?」

「いいよいいよ。アメリカも大混乱だから、どうせ大して進んで無いでしょ」

「だよね~? 地球の命運を(にな)うには、一介の刑事じゃ無理だよね~?」

「それでもNASAには話を通したんだから、頑張ってる方じゃ無い?」


 次は石坂達の話題。夢の中でも会っているのに、話題の尽き無い蒼正と純菜であった……


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