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天神の惨めな男

俺は惨めな男だ。

サラリーマンの集団生活に

適合できず

職を転々とし

なんとかジリ貧で生活している。


そんな中、

出身校の工業大学の

同級生から

天神で同窓会をするとの

連絡をもらった。


最近は俺は

毎日古賀市の

パン工場で

バイトをしている。


気分転換に天神に出て

焼酎でも飲むか。


焼酎を飲み始めると

昔の数人の仲間達に

ある変化が起きていた。


みんなつまらない。

みんな高圧的な

オッサンになっていたのだ。

電力会社の社員や

工業メーカーの技術者に

なっているのだから

当然のことと言えば当然の事だが。


そんな中、

一人だけ話しやすい奴がいた。

窪山だ。

宮崎県南部の旧薩摩藩の訛りで

すぐにわかった。


宮崎県から進学で福岡市に出てきた。

宮崎でも福岡でも

窪山はいじめられっ子で

落ちこぼれだった。


機械工学科卒の窪山も

俺と同じでサラリーマン生活に

適合できずブラブラして

生活しているらしい。


だが窪山は

低姿勢で思いやりを持って

話しができるし気も使える。

落ちこぼれではあったが

勉強はコツコツするタイプであり

教養もある。


福岡駅前で解散、撤収した後、

俺は酒を飲んだ後の

一服のタバコを吸っていた。


気づいた。

窪山が素晴らしい中年の男に

なることができたのは、


不遇な人生を送ってきたからこそ

日々よい人間になろうと努力し

自分の弱さを抱えながらも

精神的に自分を向上させたからだ。


窪山は

いじめられっ子で落ちこぼれだからこそ

素晴らしい中年男性になれたのだ。


巻末歌

玄海の

荒波の後の凪の海

人の心の不思議さか


(了)






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