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雲の彼方  作者: Yousej
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冴えない一般男性

あなたはこの世界はどこからどこまであると思いますか?

あなたの思い浮かべる世界とは広大だすか?

世界は広いようで狭く狭いようで広い。

これが僕がまだ高校生の時に知ったこの世界のあり方だった。

名前は加藤徹、出身は沖縄だが現在は東京都で働いている。そこら辺のサラリーマンだ。今日も朝早くに起き朝ご飯をおろそかにしながら出勤するのである。会社ではあまり目立たない立ち位置な上に仕事もとてもできるわけじゃない。俗に言う「冴えない奴」なのである。そんな会社でも割と居心地は良い。他人からとやかく言われることもないし、会社の雰囲気もよいからである。外の街がオレンジ色に染まってくる頃までにその日のノルマを終わらせてさっさと帰宅してベットに入りスマホを見ながらゴロゴロするの僕の一日だ。そんなある日のネットサーフィンでは台風が発生したと書いてあった。沖縄にいた頃は台風なんてしょっちゅうだった。でも、学校が休みになるので台風は全然ウェルカムだったが、東京に来てからと言うもの台風なんてそんなに来ることはない。いや、移住してから一度も来たことはない。でも自分が高校生の時でっかい台風が沖縄を通って本州の最北端まで行ったんだっけな。そんな曖昧な記憶を反芻しながら僕は瞳を閉じていた。そして翌日目が覚める。とても壮大で楽しくて切なくて取り戻したくてでも何を取り戻したいのかも分からない。そんな夢を見た。どんな夢だったかだなんて覚えてない。でも僕の心には喪失感に覆われている。だがこんな夢を見るようになったのも最近ではない。いつからだったかは覚えていないが僕はこんな夢を見ることがよくある。きっと上京してきて大人になり考えることも多くなったからなのだろう。僕はこの夢を子供がおもちゃを片付けるように雑に簡略化して頭の引き出しにしまって、今日も会社へと足を運び今日もしっかりと働き今日も睡魔に襲われベットに入る。今日もそっと瞳を閉じた。その瞬間僕の瞳の裏側はタイムスリップをした。僕が高校生の時、まだ僕が沖縄にいる時に、まだ僕が喪失感を感じる前に

読んでいただきありがとうございます。コメント評価をしていただけると嬉しいです。

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