9/5〜11
「青森民」
電車に青森の民がいた。訛り方からして、たぶん青森だと思う。
女性2人組みで、片方は東京に住んでいるらしい。駅で止まるたびにその地域の紹介をしている。
今年の雪の話もしていた。今年は雪が例年より多くなるということで、2人してイヤダナ〜と苦い顔をしていた。
こんな東京の東の端っこで津軽弁が聞けるとは思ってもみなかった。朝から愉快な気分である。
「三元豚」
金曜日の僕は、どうしょうもなくカツ丼が食いたいお兄さんだった。お昼は近くの立ち食いじゃないそば屋でカツ丼セット頼むぜ〜と考えながら仕事をしていた。
お昼になり、カバンを開けて財布を取り出そうとする直前、家に置いてあるお買い物カバンが脳裏によぎる。そうだ、昨日スーパーに行ったあと、財布をお買い物カバンから移していなかったのだ。そば屋は現金onlyだったはずだから、PASMOで払えるスーパーかまいばすけっとでカツ丼を調達するしかない…
引き出しの中にある労働組合の活動費(先輩方が代々貯めてきたやつ)からお借りすることも一瞬考えたけど、こんなしょーもないことで借りるのもなんだかなぁと思い、やめた。
雨が降っていたのでチャリでスーパーに行くことはあきらめ、近くのまいばすけっとでカツ丼を買うことにした。三元豚のカツ丼399円ナリ。
買い物中僕は「三元豚ってよく目にするけど、どういう意味なんだろう。三次元の豚なんだろうか。四次元狸ならドラえもんだね。二次元豚ってキモオタかな。あはははは」といったことを考えていた。
会社に戻り、早速カツ丼を食す。口の中に甘いお出汁、弾力のある卵、ぐちゃぐちゃな米、さらにぐちゃぐちゃな衣が押し寄せてくる。
…あれ???肉あった???
僕はカツを箸で持ち上げ、切断面をド近距離で睨みつけた。目を凝らしてみると、一応肉はあった。ただ、薄い。ペラペラである。一歩間違えたら二次元である。こんな貧相なナリで三次元を名乗って恥ずかしくないのだろうか(別に名乗ってはないけど)。
カツ丼への渇望がさらに高まってしまった僕は翌日、スーパーで三元豚のカツ丼(499円也)を買った。こちらはちゃんと三次元のカツで、ほどよい噛み応えがたまらなく愛おしかった。
補足)三元豚のというのは、三品種の豚を掛け合わせて作られた豚ちゃんですよという意味らしい。
「エスカレーター」
帰り道、駅の上りエスカレーターが止まっていた。仕方なく歩いて上ったが、普段より足取りが重かった。いつもはエスカレーターの勢いに乗って楽に上れているんだなぁ。
エスカレーターから降りるときも、普段と感覚が違うせいでズッコケそうになった。




