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警告
「いや、我の目的はそこでへたってるご子女だ。お前ではない」
「なに……」
「……私になんの用ですか」
いままで地面にへたっていたのに、その麒麟児の声で立ち上がれたのは、いくら貧弱でも財閥子女としての意地か。
「警告だ。我の主君からのな。手を引けと。たいそうお怒りだ」
「……!!」
「まあ、我としてはどうでもいい話だが……。多少の小細工で、我們の君命が成就できないというのは考えられない。
まあ、主君のご慈悲があるうちに引き返すんだな……。
我としても無産を手にかけるのは気がのらない」
「…………」
「まあ用件は済んだ。
このフレーバーの飼い犬は、追放者のお前にたいそう執心だが、いかんせん未熟でな……。
もっと我が鍛えねばならん。
さらばだ」
麒麟児は、そのエ師に向かってなにものかを描き、蔦をからませて持ち運びしやすいようになし、そして持ち帰っていった。