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現場調査 part2

次はライブ会場の入り口で不審物のチェックなどの打ち合わせをしていたはずのマルクとアズサに話を聞きにいくことにする。周りを見ながら歩くこと半周。ようやくアズサが見つかった。

「マルクは?」

「そこにいるよ、呼んでこようか?」

「ああ、頼む」

「カミトか。どうした?」


「不審物チェック組は、いきなり真っ暗になった時どこにいたんだ?」

「全体での打ち合わせが終わって各自持ち場に分かれて確認をしていたな。急に明かりが消えて驚いたよ。キキがいなくなったとは聞いたが…… その様子だとまだ見つかっていなさそうだな」

「ああ、行方不明だと思う。時間があるので色々情報収集しているところだ」

「助かるよ。こっちは上の者から持ち場から離れると言われてて、動けないんだ。動いたら武力行使も辞さないってさ。おっかないよ」

「まあ明かりも戻って拡声器も復活したから、突然襲われるんじゃないかっていう恐怖は無くなったわ。でもそれでも動けないということはまだ見つかってないんでしょうね、キキも怪盗も」

 ライブ会場への入り口は、数名が通れるスペースが何十個も付いているような形になっている。各入り口に冒険者が張り付いているとしたら、そこを誰にも気づかれずに通り抜けるのは難易度が高そうだな。


 もちろん完全に閉鎖されているわけではないので、怪盗は隙を見てスルッと抜け出した可能性はあるが、そう簡単な話ではなさそうだ、ということがわかった。

「なあ、依頼の件、どうするんだ?」

「とにかく情報収集をカミトにお願いしたいわ。で、可能性をアリエッサ様あたりに提示して後はお願いします、というのが良いでしょうね」

「そうだな、そう考えている。お前達も何か情報を得ることができないか上の者に探りを入れたり、できることはしておいて欲しい。何かわかったら教えてくれ」

「うん、もちろん。任せて」


 あまり好き勝手に持ち場を離れると怒られそうなので、一度持ち場に戻ることにする。

「おい、いきなりいなくなるなよ。とりあえず誤魔化しといたが危なかったぞ。持ち場を離れるなという指示が出ている」

 帰って早々ライエルに怒られる。こっちも持ち場を動かないよう指示が出ていたか。考えてみれば当たり前だな。無駄に動いている者は少ないに越したことはない。

「アリエッサ様が来た時に伝えられるように情報収集しておいたよ。とりあえずわかったこととしては…… どうやら本当に怪盗の姿を見た者はいなさそうだな。で、侵入した形跡も逃げ出した形跡もないと」


「マジかよ。キキだけがいなくなったということか? 瞬間移動の魔法でも使ったのかもしれないな」

「数メートル移動できる魔法なら知っているが、このスタジアムの規模で移動できる魔法は聞いたことがないな…… それにステージ中央でも人影などは何も見つかっていない。その確率は低いかもしれないな」

「まあさすがにそんな便利な魔法があれば躍起になって魔道具が開発されているか」

「ああ。まあ、世の中は広いから、怪盗がそういう魔法を持っている可能性は否定できないが」


「今のところ、どこまで情報収集できているんだ?」

「まずはステージ近くの冒険者、後はマルクとアズサだ。他に聞いておいた方が良いところはあるか? またこっそり抜けだしてこようかと思うが」

「うーん、出来れば警察から話を聞いてみたいな。捜査を始めて何かがわかっているかもしれないぞ。ただ、俺達レベルでは門前払いだろうな……」

「そうだな。ただ幸運なことに警察は少しコネがある。チャレンジしてみるよ」

「本当か! じゃあこっちは誤魔化しておくから頼む!」


 コネとは言ったが、結局アリエッサに聞いてもらうだけだが。アリエッサは警察や軍に時々協力していることから顔が広い。こういう時は頼るのが1番だ。


「マスター。現場に到着しました。かなり厳重な警戒がされていて、変装ではないかのチェックをされました。まだ見つかっている様子はなさそうです」

「アリエッサでもスルーパスではないんだな。となると、やはり怪盗はまだ中にいるということか」

「か、もう逃げ出したかですね。とりあえず合流しましょう。何か理由をつけてアンやエッジ、夢の羽の皆様と合流できるようにします」

「よろしく頼む」



「さて、今頃警備は大混乱かな?」

「まだ入手できていないんでしょ? のんびりしてていいの?」

「少し想定外はあったが、それも想定内だ。本番はこれからだよ」


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